あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

宇宙の法則と調和して生きる方法

2017-01-18 14:13:11 | 

 禅と易経から導かれた幸福への手引書です。著者自身、「幸福に至る小道についての本」と本書を位置づけています。禅や易経の解説と共に、如何にして生きればよいかを説いています。幸福論を述べる本の中でも秀逸な1冊だと私は考えます。

 「今ここに生き、二元論的な区分を取り払う」禅と、「ある状況は、肯定的な光に照らしてみたときのみ、好ましいものとなる。」という易経の考え方、そして、我々は宇宙の一部であり、138億年発展を遂げてきている宇宙の一員であるという強い意識を持つことを奨めています。宇宙の一員とは大風呂敷を広げてと思われますが、道元が「悟るとは万物と親密になる」と言ったように、宇宙との一体性を持つこと自体が悟ることに通じます。

   このことから、我々が宇宙の法則に則って生きれば幸福へ導かれると解釈しています。それでは、宇宙の法則とは、

「あらゆる行動は反応を生み出す。その反応は常に行動と調和する」という原因と結果の法則、

「何ものも失われたり、破壊されたりすることはあり得ない。ただ変化するだけだ。」というエネルギー保存の法則、

「人生という道に沿ってどのように身を処するかが、あなたの人生の展開を決定する。」というもう一つの基本法則

です。私たちの人生は、今までにしてきた一連の決断の結果ですから、人生の出来事に対してどう反応するかの個人的哲学に左右されます。その反応の結果がどうであれ、肯定的に考える思考を持つことが幸福への道につながります。つまり、

「自分の身に起きるあらゆる出来事は、起こり得る最善の出来事である。」

という認識の下、判断し行動することを重要視しています。これこそが宇宙と調和することのキーポイントであり、「宇宙と(人間との)コミュニケーションは出来事である。」「出来事は宇宙の言語である。」と考えれば、人生における試練も宇宙があなたにこれを経験しなさいと告げていると理解できます。

『宇宙の法則と調和して生きる方法』(クリス・プレンティス著、菅靖彦訳、サンガ、本体価格1,800円)

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一流の人は、本のどこに線を引いているのか

2017-01-11 15:52:47 | 

   ビジネス書の書評をアマゾン・ジャパンの立ち上げから書き続け、出版プロデュースもされる土井氏の著書を読んで多くのことを学びました。

  書店人としては、ビジネス書の8ジャンル、とその目利きのノウハウ。そして、出版業界の位置付け、書店の目指す方向性、書店人のなすべきことまで、しっかりと述べられています。

   次に、ビジネスに対する鋭い切り口。業界、業態ごとのセンターピン、すなわち、必ず押さえなければならないポイントへの視点は鈍らせてはなりません。

   最後に、私の刮目に値したのは、彼がアマゾン在籍時に学んだことである、

  「コンピューターには、結果を分析できても、その結果を招いた原因を作りだすことはできない。」

  「原因を作り出す作業こそ、人間の価値である。」

ということ。さて、その価値を持つために必要なことが教養ではないかと改めて感じました。多くの書籍を読み、著者独自のフィルターを知ることこそがなくてはならないことでしょう。

『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』(土井英司著、サンマーク出版、本体価格1,500円)

 

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習慣の力 The Power of Habit

2017-01-10 15:48:01 | 

  習慣には良いものと悪いものがあります。良い習慣はなかなか身に付かなくて、悪い習慣はやめたいけれどもやめれない。習慣って一体どんなものなのか?変えられるのもなのか?

  誰しも生まれてきてから決まった行動をするように親から教育を受けています。朝早く起きる、歯を磨く、よく噛んで食べるなどの行動は、成長と共に、誰に指図されずとも自動的に行っています。つまり、無意識のうちに行うことこそが習慣であり、それは、「習慣が形成されるのは、脳が常に楽をしようとしているから」と考えられています。

  では、習慣とはどういう仕組みなのか?「新しい習慣が生まれる過程は、きっかけとルーチンと報酬が結びつき、その後、欲求が生まれてループを作動させる」ことを理解し、この習慣を身に付ける、または習慣を変えるには、付けることができる、または、変えれるという「意志」が必要になるのは言うまでもありません。

  習慣は個人の問題だけでなく、コミュニティや組織、企業にも関与し、良き習慣が持続される集団はそれがその集団の特徴になり、集団を良質なものへと変えていきます。良き習慣のループさえあれば、なりたい自分や集団になれるはずです。

 「習慣とは自分が選んできたものであり、習慣こそが自分を表す。」習慣は疎かにしてはなりません。

『習慣の力』(デュヒッグ・チャールズ著、渡会圭子訳、講談社+α文庫、本体価格920円)

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言葉にできるは武器になる。

2016-12-31 14:46:55 | 

  店のスタッフにも、読書というインプットをしたら、必ず、「書評」というアウトプットをしなさい、人が食べたら排便、排尿ように、と伝えています。しかし、表現するのは難しい。書かれた文章を読んでも、会話を聞いても、何を言いたいのか不明の場合があります。つまり、「伝わる言葉」になっていない。そのことを電通のコピーライター梅田悟司さんが明確に解説しています。

 言葉には、相手に伝える言葉である「外に向かう言葉」と、伝えるために自分で考える「内なる言葉」が存在すると定義されています。そして、『常に頭の中に浮ぶ「内なる言葉」の存在に意識を向け』、『意見を育てる必要』があり、『自らの思考をどれだけ広げ、掘り下げられたか』を考察しなければなりません。それは『その人ならではの「世の中を見渡す視点」』であり、しっかりと考える習慣を持つことを訴えられています。これは、実際は世の中に流され、定点で何も観察せず、ルーチンの生活を営み、考える時間を持たなくなった現代人へのお灸のようなものです。

 後半は、内なる言葉を生み出す手法や、それを基にした外に向かう言葉の表現方法をプロの目から教授しています。

 言葉を紡ぐ前に、常日頃からの思考を言葉に表現すること、これさえ実行すれば、書名の通り、「言葉にできる」は武器になります。

『言葉にできるは武器になる。』(梅田悟司著、日本経済新聞出版社、本体価格1,500円) 

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次の時代を、先に生きる

2016-12-31 14:01:07 | 

  『「The消費者」から抜け出そう。GDPを減らそう。経済界と政界には怒られそうだ。でも幸福感は増すのだから。』

 このフレーズが合言葉のようにして、今の生き方を再考してみないかという提案書が本書です。経済成長ありき、そして、社会で良いと思われているステレオタイプになるようにという同調圧力から脱して、

 『「ナリワイ」+「自給」を組み合わせる』

ことを提唱されています。著者である高坂勝さんも、脱サラして、東京池袋でBARを経営し、週休3日の間に千葉で米と大豆を自給しておられます。『経済に必要なのは「循環」』であり、目指すべき社会は『人それぞれが足りないものを補い合う「相互補完社会」』と述べています。大切なのは自分自身で自由にできる時間であり、幸福の追求です。そのためには

 『より小さく、より少なく、よりゆっくり、より非効率に、よりローカルに、より循環に』

という『ほどほど』の足るを知る生活指標を守れば良いということです。まずは現代社会の常識を疑ってみましょう。高坂さんの主張が理解できるしょう。

『次の時代を、先に生きる』(高坂勝著、ワニブックス、本体価格1,300円)

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よきことはカタツムリのように

2016-12-24 15:29:00 | 

  「スロー」と言えば辻信一先生。『スロー・イズ・ビューティフル』から刊行される著書を読んでは、自分自身をリセットしています。「より速く、より大きく、より多く」という世の中の流れに知らぬ間に乗ってしまっていることを自省できます。

 御存じの通り、3.11で福島原発が崩壊しました。「より速く、より大きく、より多く」の象徴のダウンから、日本人の考えも変わらないはずはありません。また、資本主義もグローバルへ伸展しているものの、成長の余地が限りなく少なくなっているにもかかわらず、成長することこそが第一義になっています。そして、地球環境が侵され、人間には格差が広がり、戦争は止まず、難民は発生し、生きることさえ難しくなるばかりです。

  私たちは幸せになるためにこの世に誕生し、平和に暮らしたい。しかしながら、そうはなかなか許されない。そのためには、自然界の中で一番危険な存在である人間が、地球という自然が織りなす姿に戻るべきであり、それが「スロー」なのでしょう。「グローバルからローカルへ」、「『分断』や『分離』から『つながり』や『関係性』へ」、我々の思考も行動も変えていく必要があります。

 本書で二つのことを教えてもらいました。一つは民主主義も人間社会の為ではなく、「生態系というコミュニティー全体にとって良いことをする」「アース・デモクラシー(地球民主主義)」を目指すこと。そうして、もう一つは、「文明の進歩とか、開発とか、経済成長とかの裏側にはいつも大量の難民がいる。文明とは難民を生み出すシステムであり、文明と難民とが表裏一体の関係にある」こと。つまり、両者とも地球全体を優先的に考えることが必然であるのでしょう。

『よきことはカタツムリのように』(辻信一著、春秋社、本体価格1,800円)

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夜と霧

2016-12-20 16:13:27 | 

  ナチスドイツによるユダヤ人の過酷な強制収容所での収容者のうち、どのような人が生き残るのかを、精神医学者であるヴィクトール・フランクルが考察したロングセラーです。平和な時代に暮らす我々が読んで、将来いかなる事態に遭遇しても生き残れるシュミレーションを読了後にできる、そういう意味ではフランクルに感謝しなければなりません。

  極限状態で必要なことは「精神の自由」「豊かな内面」を持つこと。「自分の未来をもはや信じることができなかったものは、収容所内で破綻した。」と述べるように、外的な苦痛も自由な精神があれば、生き延びる大きな架け橋になり、人生には意味があると認識し、その意味に従って、未来へ向けて目的を設定し、その目的に向かえとフランクルは訴えています。

  そして、精神を自由にするには、最愛の人や友と心の中で語り合い、美しい自然や芸術に触れ、ユーモアや笑いに戯れることを勧めています。特に、妻に思いを馳せていた彼が残した言葉が素晴らしい。

  「愛は人が人として到達できる究極にして最高のものだ。」

  「人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれる。」

  過酷な状況に置かれることはあってはならないでしょうが、平時からフランクルの教えに学ぶことが第一義になります。暗い過去であっても、歴史から得る真理は、先人に感謝しつつ守らなければなりません。

『夜と霧』(ヴィクトール・フランクル著、池田香代子訳、みすず書房、本体価格1,500円)

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それでもなお、人を愛しなさい

2016-12-05 14:02:01 | 

 ハーバード大学2年の時に、自分自身の体験と観察から書いた「リ-ダーシップのための逆説の10カ条」が25年の時を経て、公に知られるようになり、また、『マザー・テレサが語る』という書籍に10カ条のうちの8つが記載されていることを確認するに至り、もっと知りたいと思う人に書かれたのが本書です。10カ条の意味するところを十二分に解説しています。

 現実では信じていることや良かれと思うことを行っても、他人の目には利己中心の思いがあっての行動と判断されるので、「逆説」としていますが、この10カ条は生きる上での真実であり、間違いなく「生きるレシピ」「生きるクレド」でしょう。例えば、

 「何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。それでもなお、良いことをしなさい。」

 「今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。それでもなお、良いことをしなさい。」

のように、善行をすることそのものが大切な事であり、他人がどう思い、記憶に留めようが否かは関係ないということを素直に述べています。「君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩(さと)る。」と論語で説明するように、つまり正しいかどうかが重要で、利己に走ることなく、利他こそが正道です。その意味でも、

 「あなたに与えられているのはいまのこの人生です。この人生を最大限に生かすこと、それがあなたの仕事です。この世界があなたのやることにどのように反応するか、それは重要なことではありません。」

 文庫化したのをきっかけに多くの人にもっと読まれることを信じます。

『それでもなお、人を愛しなさい 人生の意味を見つけるための逆説の10カ条』(ケント・M・キース著、大内博訳、早川文庫、本体価格600円)

 

 

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幸せを引き寄せる笑顔の法則

2016-12-03 14:00:03 | Weblog

 誰しも笑顔でいることの方が良いのはわかっています。しかし、職場でも店頭でも、どちらかと言えば愛想もない、ややもすると怒っているような仏頂面の方もおられます。これには私も反省すべきですが、笑顔の良さを分りやすく理解したいなぁと思ったときに、本書に出合いました。著者が歯や口腔の専門医で、日本抗加齢医学会副理事長の斎藤一郎先生だからこそ、笑顔の理論が頭にすぅーと入ってきました。

 さまざまな医学、心理学の実験結果から、笑いは長寿の要因であり、鎮痛効果やストレス発散に発揮します。つまり、幸せも第一歩が笑い、笑顔ということです。

 さらに興味深いのは、感情を伴っていない「作り笑い」でも、脳の前頭前野は幸福感を感じた時と同じ反応を示すことがわかってきています。無理に、意識的に笑えば、自分自身が幸せに近づき、また、笑顔を見た人も幸せにするでしょう。

 この理論を三越伊勢丹ホールディングスの百貨店である三越や伊勢丹で販売スタッフが実践すると、仕事も楽しく、お客様やスタッフ同士のコミュニケーションの質も上昇してきました。笑顔プロジェクトは井戸書店でもしたいですね。

『幸せを引き寄せる笑顔の法則 三越伊勢丹グループの従業員10万人を動かした“理論”と“効能”とは?』(斎藤 一郎 著、誠文堂新光社、本体価格1,400円)

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GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代

2016-11-30 15:58:03 | Weblog

  日本では「情けは人の為ならず」。「先義後利」、「盥の水の原理」など、「与える」ことの大切さが一般的になっています。しかしながら、グローバル経済の進展と共に、喰うか喰われるかの弱肉強食の環境では、「与える」ようないい人では相手に喰われかねない。それでも、「与える」のか?

 本書では、人間を3種類に分類しています。「ギバー(人に惜しみなく与える人)」、「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」、そして、「マッチャー(損得のバランスを考える人)」です。アメリカでは「テイカー」でなければ生き残られないと考えられがちですが、それでも、

 「ギバー(人に惜しみなく与える人)」

が最終的には成功すると、アメリカの36歳の組織心理学者・グラント氏は述べています。本書ではギバーとして活躍した人、テイカーとして評判の悪かった有名人を紹介して、理解を深めるように書かれています。さらに、

 「成功したギバーは、自分だけでなくグループ全員が得をするように、パイ(総額)を大きくする」

存在になれる、つまりは関係者みんなが幸せを感じられる。では、ギバーになるにはどうすればいいか?一番大切な考え方は

 「自分のものの見方にこだわるのではなく、他人の視点から見る能力」

を備えることです。自利ではなく、他利第一にすれば、ギバーへの道は開けるでしょう。そこには「繁栄の世界」があります。

『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』(アダム・グラント著、楠木建監訳、三笠書房、本体価格1,800円)

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