あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

世界一やさしい読書習慣定着メソッド

2017-04-19 15:33:16 | 

 継続的な読書を習慣化したいと思うものの、なかなかページを繰れない方はこの本で再チャレンジしてみたらどうでしょう!以前、このブログでも印南敦史さんの本は取り上げさせていただきました。

『遅読家のための読書術  情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(印南 敦史著、ダイヤモンド社、本体価格1,400円)

http://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/7985e28671ef65a157a2e274cd95597c

 遅読家が書評家として毎日本を読んでは書いているのですから、本との関係をやり直すにはもってこいです。

 まずは2つの無駄なmustを放棄しようと訴えています。それは

① 熟読し、書かれていることのすべてを頭に叩き込まなくてはならない
②  時間を効率的に使うため、速読しなければならない

であり、読まなければ、理解しなければという義務感は不要です。私も仕事柄、せっせと読書をしていますが、義務を感じることはなく、好奇心のために読書していると思います。「えぇ~、そんなことがあったのか?」「そんな考え方、その視点は持ってないなぁ~」と思えるだけで、その本との出会いを感謝します。現実に人に対して「一期一会」であれば、本を通して「著者との一期一会」を楽しむ気分ですね。

 1冊の本を読んで、ピカッと光る一文を見い出す、それの積み重ねが「(その読書体験をした)自分だけの価値観」を生み出していくという主張には同感です。一文を編集し、つなぎ合わせれば、独自の創造力の形成になります。そう考えることができれば、読書の意義が明らかに変わり、習慣化するプラットホームに立てると思います。そのメソッドに関しては本書に譲りますが、より良き読書ライフを人生の中に組み込むことができれば、きっと幸福が訪れると確信します。


『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(印南敦史著、大和書房、本体価格1,400円)

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脳を強化する読書術

2017-04-15 15:22:35 | 

  難読症だった加藤俊徳先生。音読することが苦手だけでなく、文章を読むと脳の中で音が流れる「内言語」も脳内で響かず、読むと言葉に詰まる状態だったとは信じられません。医者になるには多くの学術書を読まないといけないのに、どのように解決したのか?脳科学者として、脳科学の見地から読書術を編み出しました。それは脳がフルに起動する読み方であり、これを知れば、気軽に読めますね。

  加藤先生は、脳は場所により、異なる8つの機能を持っていると言われています。それは、

①聴覚系 ②記憶系 ③視覚系 ④感情系 ⑤理解系 ⑥思考系 ⑦伝達系 ⑧運動系

です。読書を通じて、強化したい、またあまり使用していない機能を考慮に入れる脳トレは非常に効率的です。多くの人に興味がある②記憶系を見てみると、通勤途上で乗り換えが生じるたびに読むのがストップする「乗り換え読み」は長期記憶が鍛えられ、認知症予防には小説、とりわけ恋愛小説がお薦めであり、脳を刺激して記憶に残りやすいのは電子よりも紙の本を選ぶことを推奨しています。

   読書はした方が良いと思っていても、なかなか読み進まないという方は脳から見た読書法も一つの解決策。難読症を治した実績がモノを言います。

『1万人の脳を分析した医学博士が教える 脳を強化する読書術』(加藤俊徳著、朝日新聞出版、本体価格1,300円 )

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知的社会人1年目の本の読み方

2017-04-12 15:00:17 | 

   読書に関する本は続々と出版されています。本離れ、読書離れの裏返しでしょうか。メディアが爆発的に増え、情報を得る入口が多くなり、読書はその一つになり、その目的さえ教わる時代になりました。本書は社会人向けに書かれていますが、本書の内容そのものは社会人だけに限定されていません。言葉を操り考える人間共通のテキストです。

  評価される社会人は次のように規定されています。

「知性」と「教養」と「創造力」を兼ね備える社会人であり、「本の情報を知識に変え、深堀し、自由自在に使いこなせるようになること」ができる人です。つまり、「得た知識と知識を組み合わせて、他とは違う何かを生み出す」創造力を発揮できる人であり、その糧には読書があります。

  現代社会では、「便利・安い・速い」ものさしの提示により、それを安易に選択し、考えない、流されるばかりの人が多く見受けられます。その方が楽ですから、批判精神もなかなか浮かばない。しかしながら、多くの考えを知り、たくさんの視点を学ぶことで、よりよく生きることがわかります。そのためにも情報を必要としますが、映像やアニメのような視覚からではなく、できるだけ活字を読み、脳内で限界のない想像力を作り出すと、想像の膨らみ具合も変わってきます。人と会って話し合えば様々な視点も与えられますが、自分の都合だけを考えれば、読書をすることで、話を聴きたい人といつでも会え、話しを十分にできる媒体です。だからこそ、「書物は『人を変えるカギ』『人生を変える』カギ」になりうるのです。 

   森信三先生の言葉、「人生二度なし」からすれば、良き人生には読書は欠かせない至福の時間になるはずです。

  『知的社会人1年目の本の読み方』(山口 謠司著、フォレスト出版、本体価格1,400円)

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人を育て組織を鍛え成功を呼び込む勝利への哲学157

2017-04-03 13:16:48 | 

  箱根駅伝三連覇を成し遂げた、青山学院大学陸上競技部の原晋監督の語録集です。
監督就任から三連覇へ至る道程の中で、頭を打ちながら模索を重ねた上での組織論であり教育論でもあります。

  監督就任当初から選手に言い続けている3つの言葉、

「感動を人からもらうのではなく、感動を与えられる人間になろう」
「今日のことは今日やろう。明日はまた明日やるべきことがある」
「人間の能力に大きな差はない・あるとすればそれは熱意の差だ」

は選手の前に人間としての生きる指針です。

  そして、組織に関しては、

「レベル1」監督命令型
「レベル2」監督が選手の代表者に指示を出す段階
「レベル3」監督は大筋の方針だけを示し、チームリーダーと部員が一緒に自ら考えていく段階
「レベル4」選手を観察してヒントだけを与えるサポート型

と進化し、青山学院大学陸上競技部はレベル4に達しており、まさにサーバントリーバ―シップを遂行し、選手たちの自主的な判断で組織運営がなされています。陸上部の実力はホンマものです。

  結果的に、「社会に通用する人材育成」を陸上を通して行うことに徹しており、選手に対しては、チームのビジョンを達成するための「半歩先の目標」を設定させ、その進捗を自己管理するノートを書かせています。ビジョンへの自己の対応こそがチームの総合力になります。このような組織や人材育成に関しては、高校、大学、実業団での陸上競技人生と、陸上引退後の中国電力でのサラリーマン生活での経験に立脚しています。

  先日紹介した『まんがでみる ボトムアップ理論』(畑喜美雄著、ザ・メディアジョン、本体価格1,200円)
http://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/ddbffc3f9964ea07feb08ff608fb1ac2

とほぼ同じであり、組織の形成、運営、進化、そして、人材育成の基本図書に最適です。

『人を育て組織を鍛え成功を呼び込む勝利への哲学157』(原晋著、ぴあ、本体価格1,111円) 

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アマゾンと物流大戦争 

2017-04-02 15:13:50 | 

  インターネット通販の伸びが宅配業界に影響を与えているのはご存知でしょうが、店の存在価値さえも変わっているとは知りませんでした。ヨドバシカメラ、セブン&アイ、カメラのキタムラ、音楽好きが集まるアメリカの楽器専門店・ギターセンター、アメリカのメガネショップ・ワービーパーカーなどネットと店舗が融合する小売であり、店舗ではサンプルを陳列し、販売せず、ネットで発注してもらう形にまで発展しています。

  我々のようなリアルの書店もITを活用し、いかに店に来ていただけるか、そして、取次会社の運営しているe-honを有効に使えるようにしなければなりません。しかし、結局は「人」が大切であり、ヨドバシカメラのように、店頭における販売員の高い商品知識と接客力がネット通販会社を決める手であるように、「その人から買いたい」と思っていただける人材の育成が大切です。

  但し、ネット通販はそのネットを利用する人の地域のことは全く考慮に入れていない(考慮に入れることが企業理念にそぐわないのか)ことは無視してはいけません。近江商人の三方よしでなければ継続しないと思います。

『アマゾンと物流大戦争』(角井亮一著、NHK出版新書、本体価格740円)

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ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? 不便益という発想

2017-03-29 13:59:05 | 

  世の中、「便利でなければ商売に非ず」の風潮がのさばっています。「便利、早い、安い」の錦の旗は間違いなく、官軍です。超便利なインターネット通販の登場後、我々の商売は不便の塊みたいなものです。お客さんにとっては、「在庫があるかないかわからないけれども、店に行って、無ければ肩を落として帰る」ところになりました。便利な存在は普通の店舗を不便のそれに落とし込めました。

 しかし、便利だけが世ではないと心強く訴えてくれるのが本書。このクソ長い書名の提案は「不便も取り入れると良いことがあるよ!」という「不便益」のススメです。

 便利志向の世の中では、何も「しなくてもよい」から「させてくれない」状態になり、流されるままになっています。できて当たり前になり、そこには快が生まれません。それに対して、「手間をかけ頭を使わされるという不便は、自分を変えてくれる。」益を与えてくれます。具体的には、「習熟を許す」「主体性を持たせる」「スキル低下を防ぐ」「人を嬉しくさせる」「俺だけ感を抱かせる」など、その人自身への優等な勢いを与えてくれます。

 車やスマホのナビゲーションは最短で目的地までの道程を示してくれます。途中で楽しいそうな場所を見つけて、方向を変えようものなら、素直にコンピューターに従うように助言があります。道草や寄り道は死語状態になりますが、時間の効率を無視し、行き当たりばったりで訪ねると非日常な事象に出くわし、喜々とすることがあります。これも不便益でしょう。

 「便利」というものさしばかりで測ると、人までが僭越的になるような気がします。また、「便利」が浸透すると、そのしわ寄せが違う所で生じているのは宅配業者を見れば理解できると思います。

 「在庫があるかないかわからないけれども、店に行って、無ければ肩を落として帰る」場所から、「えぇ~、こんなお店があったの!」と驚かれる場所へ変貌したいですね。

『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? 不便益という発想』(川上浩司著、インプレス、本体価格1,500円)

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日本史を精神分析する

2017-03-24 15:52:35 | 

  著者の岸田秀先生は、「人間は本能の壊れた動物であり、『幻想』や『物語』に従って行動しているにすぎない」とする唯幻論を『ものぐさ精神分析』で著し、本書は歴史を精神分析すると各国の本来の姿が瞬く間に見えてくる史的唯幻論で書かれています。

  日本は二つの自己が介在し、引き裂かれている国であり、その自己とは、

 「外的自己」=「日本が外国の属国であることを容認し、外国を崇拝し、外国に適応しようとする」「開国派」

 「内的自己」=「外国との関係を避けて自己の中に閉じ籠もり、外国を軽視し排除して、自己の独立自尊を守ろうとする」「鎖国派」

です。日本の歴史はこの二つの自己を往ったり来たりしながらさまよっています。一番わかりやすい例は、安土桃山時代は「外的自己」、江戸時代は「内的自己」、幕末維新を経て、明治は「外的自己」、先の大戦時は「内的自己」、そして、戦後は「外的自己」と、この二つの自己のシーソーのどちらかに乗っています。大陸と海によって隔たっている日本の地理的な環境から、大国である中国とアメリカを意識せざるをえない歴史を歩んでいます。現代はアメリカの属国になっていると、岸田先生は説き、建国以来一度も持ったことのない「諸外国との関係で国を築くという発想をもつこと」を日本がすべきと述べています。

 日本以外の、中国、韓国、アメリカ、ヨーロッパなど、各国を史的唯幻論で真っ裸にする本書は、目からウロコの刺激的文明論でもあります。是非、ご一読を!

『日本史を精神分析する 自分を知るための史的唯幻論』(岸田秀著、聞き手=柳澤健、亜紀書房、本体価格1,800円)

 

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大地がよろこぶ「ありがとう」の奇跡

2017-03-20 16:28:23 | 

  北海道洞爺の「佐々木ファーム」代表の村上貴仁さんは慣行農法に疑問を感じながら仕事に取り組んでいました。しかし、息子の突然の死、そして、妻の腎臓疾患を境にして、

 「命の営みとは何か?」「命と向き合うとは?」「命の循環とは?」

を考え尽くして、「いつでも死ねると言う覚悟をもちながら、生きられる限り生きて、人の役に立つことをやる」と悟りました。また、大地に向かい慣行農法で農薬を散布することは命を奪うことに繋がるためもうできないと考え、自然農法へと切り替えます。この時期に小林正観さんの本に書かれていた「ありがとうの奇跡」に感化され、年齢の1万回の「ありがとう」を言うことを自分に課しました。36万回の「ありがとう」を唱えることで、家族への意識が変わり、そして、自分自身が生まれ変わりました。

  佐々木ファームの生産した農作物が腐らないという評判になり、「すべての命に感謝し、すべての命を大切にする農法、「ありがとう」農法が生まれました。すべての存在に感謝し、共に生きていく、まさに共存共栄、「ありのままの命を認めること」になります。「ありがとう」の言葉は発信者を謙虚にし、当たり前を有難いと感じる、その好感度の波長が周りのすべてを感化していくのでしょう。ありがとうは奇跡を呼ぶのですね。

『大地がよろこぶ「ありがとう」の奇跡』(村上貴仁著、サンマーク出版、本体価格1,400円)

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まんがでみる ボトムアップ理論

2017-03-19 16:07:33 | 

  まんがのビジネス書は敬遠するのですが、ボトムアップ理論を店のスタッフと共有するために取り上げました。

  ボトムアップ指導の提唱者の畑喜美夫さんは、U-17、U-20日本代表として活躍し、順天堂大学時代には、史上初の大学サッカー三冠に貢献。 その後、指導者として広島観音高校へ赴任し、当時弱小だったチームを数年で全国レベルに伸し上げ、インターハイで全国制覇を成し遂げられました。その独自の哲学が注目され、現在は広島県立安芸南高等学校に勤めるかたわら、ボトムアップ理論の講師としても活躍されています。

  さあ、このボトムアップ理論は、従来のトップダウン(上意下達)のピラミッド型の組織とは反対の、「ボトム(下部)から意見や情報を吸い上げていく」下意上達型の反・ピラミッドの組織運営です。このような組織になるには、その成員であるボトムを指導者や監督、上司がその人格を認め、彼らの成長を引き出す方法です。育成の3本柱として、「挨拶・返事・後片付け(3S整理・整頓・掃除)」の良い習慣を身に付け、練習での「オン・ザ・ピッチ」だけでなく、日頃の過ごし方である「オフ・ザ・ピッチ」でも良き習慣を持続させ、「自主自立」したチームを形作っていきます。そのためには、リーダーと成員との密なコミュニケーションが不可欠であり、交換ノートをやり取りする緻密さを持っています。「自主自立」の面では、全員でスタメンの選手を決める、決める基準をオーソライズしておく、一人ひとりがなんらかな役を持ち、その部分ではリーダーの存在になるなど、各人のやる気を引き出す仕組みになっています。

  AIの進展など、考えないでも事が進む中、流されるばかりのスタッフですが、何事も当事者として「すべてのことを見直す」ぐらいの器量で事に当たって欲しいので、この本をミーティングの課題図書として採用しました。但し、リーダーが成員の成長を辛抱強く待つことが大切になってきます。サッカー部だけでなく、どんな組織でも応用が効くビジネス書です。

『まんがでみる ボトムアップ理論』(畑喜美雄著、ザ・メディアジョン、本体価格1,200円)

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ルポ 希望の人びと

2017-03-15 14:44:52 | 

  「歳を取ったら、足腰と脳みそだけはしっかりとしとかなあかん」という認識は皆さんお持ちだろうと思います。特に、統計データから、80代の4割は認知症であることから、「平均寿命まで生きるということは『認知症に向かって生きている』認知症への旅」であることは間違いありません。そうであるならば、認知症に対する常識を明確なものにして、老年期の予習をしなければなりません。

  認知症の人はケアされる対象だと思っていましたが、認知症の人たちが発信し、互いに連携し、当事者団体が発足している事実に驚かされました。そして、彼らの言葉は生きるということを再確認させてくれます。

「今日が生かされている最後の日だと思い、感謝して過ごすこと。」

「私たちはみな、一度限りのいまを生きているのだから。」

「病気は変えられない。でも自分は変えられる。人生に起きることは10%、どう対応するかが90%、その対応が人生を決める。」

  まさに、人間学の根本原理を説かれています。

  そして、認知症に対する、社会、また認知症本人が持つ偏見を変えること~それぞれ自分自身の人生を歩むこと~こそが、当事者たちの生きる使命になり、それが彼らの認知症の進行を押し留めています。生きる意味を持つことは万人の必然なのでしょう。

  認知症の人々を地域住民も一員として、いかに地域が温かく見守りケアするかが今後の課題になることは間違いありません。その意味では地域の人たちがローカリズムの真髄を知り、行動を起こさなければなりません。「育てるべきは地域のまなざし」であり、そのまなざしは認知症だけでなく、すべての人たちに向けられ、誰もが幸せに暮らせるまちづくり、人づくりを目指さなければなりません。

『ルポ 希望の人びと ここまできた認知症の当事者発信』(生井久美子著、朝日新聞出版、本体価格1,500円)

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