あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

本当の自分を生きる

2018-01-16 14:30:04 | 

  人は生きている以上、人生の選択肢を選ばなければならない時が否が応でも何度か訪れます。その時点で何を信じて進めばよいか判らず、悶々と悩むことでしょう。その時に指標になるものがあれば心強いことは間違いありません。その意味でも、伝記を読むことは大切です。

  本書は、日本のコーチングの草分けで、今はよく生きる研究所代表の榎本氏が、自身の社会人になってからの今までの20数年を自伝としての生き様を考察し、その時々の心境や行動をもとに、いかなる意識の基に生きていけば良いか、自己の意識から生み出された法則を、8つのキーメッセージ提示してくれています。 それは、

「シンクロニティはその人が進むべき道を指し示す道しるべ」、

「人生で起きることには、すべて意味がある」、

「人は誰しも、何らかの目的を持って生まれてくる」

など、既知として行動できれば嬉しいことばかりです。書名の通り、「本当の自分を生きる」とは、自身のから沸き起こる思いをアウトプットし、「自分という存在を最大限に活かすことで、周りの人たちや世界に対して最大限の貢献する」ことがオリジナルの歩みを紡いでいくことになるのでしょう。

  私もサラリーマンから書店業に変わり、地域の種起こしや趣味を生かした地域貢献をやっている中で、8つのキーメッセージは胸打つものを多く感じます。

『本当の自分を生きる 人生の新しい可能性をひらく8つのキーメッセージ』(榎本英剛著、春秋社、本体価格1,700円)

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さよなら、ストレス

2018-01-09 13:35:16 | 

  ストレスがあることはマイナスのイメージを抱きますが、太古の時代から、人間にはストレスの原因となるストレッサーが存在していました。それは、猛獣などに襲われ、生命の危険を感じるものが日常からあり、このストレッサーのお蔭で人間は危機を回避し、生きながらえてきました。しかし、そういう危険が無くなった後も、時代が進めば進むほど、ストレッサーは増えてきました。但し、その中には人間の成長には必要なストレッサーもあり、それに対しては乗り越える努力が必要です。

 このストレッサーに対して、認知脳が反応し、「ネガティブな意味づけを起こす」ことで、感情を生み出し、心が「不機嫌、揺らぎ、とらわれ」の状態に陥ります。これに対して、著者は「ご機嫌マネジメント」と名付けた、メンタルトレーニングをライフスキル脳が行えば、ストレスフリーの「ご機嫌、揺らがず、とらわれず」の、心が整う結果を招くと述べています。その一端は

 ・自分の心は自分で決める
 ・自分の心のために言葉を選択する
 ・表情や態度を選択する(笑顔など)
 ・感謝
 ・タイムワンダリング(過去や未来を考えず、いまここに集中する)
 ・好きなことを考える
 ・一所懸命を楽しむ(フロー・ゾーンの状態)
 ・チャレンジする

などです。行動や結果ではなく、自分の心をどのような状態にするかに焦点を合わせることになり、これは禅の教えと同じです。「ご機嫌メソッド」を利用しながら、認知脳を働かせ、やるべきことは成し遂げていく、両方の脳を有効に使うことが大切になります。

『さよなら、ストレス 誰にでもできる最新「ご機嫌」メソッド』(辻秀一著、文春新書、本体価格740円)

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未来に通用する生き方

2018-01-07 16:39:31 | 

  世界一の幸福国・デンマークの事情に詳しい2人が、日本人本来の生き方を念頭に置きつつ、人工知能などの発展で大きく変わる未来でも幸せに生きていく姿をデザインしています。

  デンマーク人のライフスタイルであるHygge ヒュッゲが注目を浴びています。これは、デジタルが多くの分野で活用され、日本でいう働き方改革の最も進んでいる国民だからこそできるのでしょうか。彼らは自由になる時間を、デンマーク人本来の生き方に収斂しています。それは、

自然と調和した生き方
足るを知るという考え方
人々と助け合うという精神

です。これは、人間が太古から変わらずに行っていることであり、流行に左右されない確固たるスタイルです。驚くなかれ、日本人の本来の生き方に似ています。五感を大切にし、創造力・発想力・察知力・柔軟な対応能力の基になる考えることを十二分に発揮すれば、論理力・計算力・記憶力・反復力・集中力・非情に長けるAIという外部環境下においても、通用できるでしょう。考える上では、知識もさることながら、使う言葉を磨く必要に迫られます。

  さらには、社会貢献につながる志事(しごと)を持ち、地域や国、地球へ影響力を持ち続けることが未来でも生きていける一員になります。

  今、あなたの生き方を軌道修正する時かもしれません。

『未来に通用する生き方』(島崎 信・中島健祐著、クロスメディアパブリッシング、本体価格1,380円)

 

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人類一万年の文明論

2018-01-04 14:46:16 | 

 環境考古学という見地から、文明の盛衰を知る、安田喜憲先生のこれまでの研究の集大成のエッセイ。地球環境問題を抱える人類がいかに生きるべきかを問うています。

 現代社会は個人の欲望を最大化させる市場原理主義が全世界的に蔓延しています。これは欧米、そして、共産主義などの畑作牧畜文明が基本にあり、人間中心主義で、自然を一方的に収奪、破壊していってます。物質エネルギー文明とも呼ばれています。

 しかしながら、地球環境問題を解決するには、「過去に感謝し、未来に責任を持って、他人を信じ、利他の心を持って生きる事を誓う」稲作漁労文明であらねば、難しいと安田先生は訴えます。「自然を畏敬し、自然を崇拝する文明」は森・里・海の水の循環を最重要視し、長期的な視点で考えます。この根幹には、多神教、アニミズムがあり、だからこそ戦争を嫌う人々が暮らします。

 日本人はもっと声高に発信するべきでしょう、日本の文明の素晴らしさを!持続可能で、人間を含めて地球を反映させるには、人間中心ではだめだと。

『人類一万年の文明論』(安田喜憲著、東洋経済新報社、本体価格2,400円)

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困ったら、「分け方」を変えてみる。

2017-12-31 09:26:51 | 

 書店の陳列を考えてみると、

 雑誌は週刊誌、月刊誌と刊行別に並べ、月刊誌は男性誌、女性誌、趣味誌など、読者層やジャンルで、

 書籍は単行本、新書、文庫と版形別に並べ、新書や文庫は出版社別、単行本はジャンル別に分けているのが一般的です。

 井戸書店では、雑誌は一般的に陳列していますが、書籍は版形にかかわらずジャンル別に並べています。書籍に関して、どちらが正解ということはないですが、当店ではヒトにフォーカスする陳列をしています。例えば、時代小説の好きな人は時代小説ばかりを読む傾向にあり、そういう人にとっては時代小説が版形や出版社の垣根を越えて並んでいると探しやすい。一般的な陳列はモノに焦点を合わせて、版形や出版社で分けているので、業界サイドはわかりやすく、オペーレーションも楽になります。

 このように分けるには「目的」があることを本書でじっくりと教えてもらいました。そして、分けるという思想を問題解決の手掛かりにすると、非常に有効です。例えば、スピーチが苦手な人は上手になりたいという目的の下、どうすればよいか?何が言いたいかを決めて、それを前段・中段・締めの言葉と3段で分けて構成すると、気が楽になります。

 仕事でも、家事でも、整理整頓でも、課題があったら、「分ける」を真っ先に考えるのも一案かもしれません。

『困ったら、「分け方」を変えてみる。 』(下地寛也著、サンマーク出版、本体価格1,400円)

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すべては導かれている

2017-12-25 15:14:15 | 

 多くの著作がある田坂さん。34年前の自身の最大の逆境、とそれを脱した経験から生きる根本を綴っています。

 34年前の致命的な病に倒れ、医学的には匙を投げられた状態になり、藁をもすがる思いである禅師に会い、告げられた言葉が

 「人間、死ぬまで、命はあるんだよ。」

であり、

 「過去は、無い。未来も、無い。有るのは永遠に続くいま、だけだ。いまを、生きよ!いまを、生ききれ!」

でした。至極当たり前のこの言葉が心に刺さりました。誰しも、過去や未来に思いを馳せ、肝心要の現在を精一杯生ききれていない。そして、

 「不運に思える出来事、不幸に思える出来事も含め、すべての出来事が導かれた出来事。我々に大切なことを教えてくれる出来事、成長させてくれる有り難い出来事。」

と覚悟して、病は去りました。結果、書名の通り、「すべては導かれる」という原理に従って生きられました。

 同じことを、『宇宙の法則と調和して生きる方法』(クリス・プレンティス著、菅靖彦訳、サンガ、本体価格1,800円)で学びました。「出来事は宇宙の言語である。」であり、「自分の身に起きるあらゆる出来事は、起こり得る最善の出来事である。」とは本書と全く主旨が同じです。

http://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/4e1fcbdcd7b9c6be2cdc548c34fc094c

 逆境を自分の成長の機会と考え、今に集中し、全力を注ぎ、たとえ、自分に直接の責任がないことでも、全て自分自身の責任として引き受け、その上で、すべてを天に委ねるという覚悟を抱けば良いと説いています。

 出版業界も先が見えないと言いながらも、今できることをしっかりせよ!と教えてくれる気がします。

『すべては導かれる』(田坂広志著、小学館、本体価格1,300円)

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君たちはどう生きるか

2017-12-24 11:07:23 | 

  7年前に一度読みましたが、マガジンハウスさんがマンガ版と一緒に活字版も出版されたので再読しました。この作品は、1935年から山本有三がまとめた「日本少国民文庫」16巻の中で倫理を扱う作品です。吉野源三郎氏は哲学者で、中学1年生のコぺル君を主人公にして、お母さん(残念ながらお父さんはコぺル君の幼いころに亡くなっている設定)、叔父さん、そして友だちとの交流を通して、世の中の見方、考え方、生き方を問うています。

  約80数年前に子どもたちが読んでいたこの本がブレイクするとは、時代が経ても変わらないテーマを扱った名著なのでしょう。中年のオヤジが読んでも十二分に勉強になる内容でした。約80数年前の子どもたちの教養は凄いし、今のレベルは低すぎるのでしょうか?

いろんな視点から生き方を提示していますが、

他に依存しない自己の確立

自身の判断基準を持つ

学ぶことの大切さ

感謝

人類の進歩への貢献すること

立派な人間になり、一人でも優秀な人間を育てること

など、現在の自己啓発書に匹敵することが書かれています。読めば読むほどに味が出てくる本なのでしょうね。

 再読して、気になった一文は

「生み出してくれる人がなかったら、それを味わったり、楽しんだりして消費することはできやしない。生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。」

です。アウトプットの大切さは今も昔も変わらない。だからこそ、巻末でのコペル君の言葉が生きてきます。

「僕は、消費専門家で、なに一つ生産していません。(中略)しかし、僕は、いい人間になることはできます。自分がいい人間になって、いい人間を一人この世に生み出すことは、僕にでもできるのです。」

 さぁ、わたしたちもコペル君のあとを歩んでいきましょう!

『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著、マガジンハウス、本体価格1,300円)

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穴 HOLES

2017-12-24 10:40:04 | 

  神戸新聞ブッククラブが主催の兵庫県小学生ビブリオバトル。今年は二回目の開催で、私は司会を務めました。県内の小学四年生~六年生まで、学年ごとに、子どもたちの好きな本をプレゼンするビブリオバトルは白熱の連続でした。板宿小学校からも五年生が二名参加してくれました。この二人は昨年も登壇しましたが、惜しくも敗退し、今年こそはという思いでのリベンジでした。そのうちの一人、河井くんが見事にチャンプになりました。彼のお姉ちゃんが昨年度は六年生でチャンプになっており、姉弟で連続優勝でした。もう一つ付け加えると、河井くんは論語塾生でもあり、私としても喜びが格別でした。彼の紹介した作品は『穴 HOLES』です。

  無実の罪で少年たちの矯正キャンプに放りこまれたスタンリー。かちんこちんの焼ける大地に一日一つ、でっかい穴を掘らされる。まさに強制収容所さながらの生活に耐えられず、無謀な脱出を試みるが、それはスタンリーから4代前のスタンリー・イェルナッツの物語を辿ることになる、冒険小説であり、推理小説センスも加味されている傑作。作者ルイス・サッカーの巧みなストーリーに拍手です!

『穴 HOLES』(ルイス・サッカー著、講談社文庫、本体価格六〇〇円)

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「与える人」が成果を得る

2017-12-13 15:40:43 | 

  パーフォーマンスの優劣は次の2つの脳が関係しています。

 何をするか、その内容を決める「認知脳」と、

 どんな心の状態で行うかを決定する「ライフスキル脳」です。

特に、重要になるのはライフスキル脳による心の状態です。これも次の2つに大別されます。

 ① 「フロー状態」は機嫌がいい、つまり、集中・リラックス・わくわく状態であり、揺るがず、とらわれない「無我」の境地です。この最高地点はゾーンと呼ばれています。自己へ向けられたベクトルが唯一無比です。

 ②「ノンフロー状態」は機嫌が悪く、落ち込み、ムカツク状態で、揺らぎ、とらわれなど執着が見られます。「認知脳」は環境、出来事、他人などの他者、外側に依存しやすく、結果的にノンフローな状態を作りやすい傾向にあります。ただ、素晴らしいパーフォーマンスも生むためには、「認知脳」による良き戦略の決定が必要であり、その上で、フローな心の状態にすることが不可欠になります。そして、フローにするには、

感謝(ありがたい)、応援(がんばれ)、思いやりの3つの要素を実行に移す、「自分から与えるという主体的な生き方」

をしていくことを奨めています。「脳が『心』を整え、整った『心』が『体』を整え、整った『体』が『技』を使って結果を出す」、つまり、思考や意識の結果が行動ですので、自分をマネジネントし、自己の責任を全うしなければなりません。

『「与える人」が成果を得る』(辻秀一著、ワニブックス、本体価格1,400円)

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マインドフルな毎日へと導く108つの小話

2017-12-07 17:25:58 | 

  日本では無名?な存在ですが、 著者のアジャン・ブラムは海外では仏教法話では有名で、著書は英語、ドイツ語、タイ語などで出版されています。今年7月には日本で2冊同時に刊行されました。そのうちの1冊は108の法話がまとめられています。彼のタイの森(タイの森林地帯で活動している宗派)の仏教の古くからのお話や実話まで気づきの多く、生きる糧を与えてくれます。

 本書では私は3点に注目したい。まず、最初の小話「2枚の不揃いなレンガ」では、寺の建築も僧侶が司るわけですが、壁を施工したところ、2枚だけ不揃いなレンガを見い出してしまった。レンガを組んだ本人はこの2枚に執着しやり直しを希望するが、壁の機能としては問題はなく、2枚への執着を手放すと問題は残りません。全体か部分か、どちらに視線を投げかけるかで幸せへの道が開けます。

 「賢い人は(中略)あるがままの姿を受け入れ、欠点や改善点に考えを」及ぼすことなく、罪悪感を感じることもなく過ごす。」

  次に、人間は恐れや怒りを抱き、幸せに生きていけないと感じています。恐れは「未来のうまくいかないことに目を向けること」であり、怒りは「何かがうまくいかなかった」ために起こる感情です。「思い通りにしたいという思いを捨て、今その時に意識を集中し、未来の不確定をうけいれることで、我々は恐れの牢獄から解放される」し、怒りに対しては、180度視点を変えて、怒る対象に対して「許し」を敢えて与えることが大切であると説きます。31番目の「怒りを食べる化け物の話」はしみじみと胸に突き刺さります。

 最後は、2つの自由について。自由には「欲求する自由」と「欲求から解放される自由」がありますが、幸福に生きていくためには、「自分の今に満足する」充足感を醸成する心を磨いていかなければなりません。欲求は達成すると、さらなる欲求が現れますが、それと同時に恐れや怒りも訪れます。「吾唯足るを知る」という言葉の通り、いまここを考えることを習慣化しなければなりません。

 マインドフルになるには瞑想や座禅などだけではなく、愉しい法話を読むことでも優れた気付きを持てる人になるでしょう。

『マインドフルな毎日へと導く108つの小話』(アジャン・ブラム著、浜村 武訳、北大路書房、本体価格1,800円)

 

  

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