本書は『易経 陽の巻 夢をもつってどういうこと?』『易経 陰の巻 結果が出ないときはどうしたらいい?』に続く、第3弾です。これで易経による学びの完結です。
中学時代は野球部で控えのピッチャーだった乾太(けんた)は高校に進学。野球部に入部届を提出しようとしていた矢先に自転車で転倒し、右ひじを負傷。半年は安静にした方がいいと言われたことを野球部の監督に伝えたところが、マネージャーをしてくれというお願いをされました。選手としての評価以前のことでモヤモヤしているところで、小学、中学の頃に、悩むと教えを乞うていた古本屋のゴロさんに、またもや易経の講義を受けました。
教えその1 山天大畜(さんてんたいちく) 止められた時こそ力を蓄えるチャンスであり、新たな発見や経験をし、その先に才能を発揮することがあるとしています。大器晩成と同じこと。
教えその2 毎日の反省し、自分の考え、行動の再構築をすること。
教えその3 天雷无妄(てんらいむぼう) 欲や作為を持つ人間は無心な自然に従わなければならない。逆に、自らが犯す災い(人災)に要注意すべき。
教えその4 風地観(ふうちかん) 些細なサインに気づいて、先を見通す、心の目で観ることが大切。
野球を諦めかけた時に出会ったのがワンゲル部。乾太(けんた)は3年生では部長になり、部活動の実践の中に易経の学びを落とし込み、リーダーとして大成します。
この3部作で、人はどのように生きていけば良いかを教えてくれます。私の印象としては、「反省」の大切さを学びました。日々の終わりに今日の行いを振り返る習慣を常に持たなければ、人としての成長はありませんね。
『易経 青龍の巻 自分の足で歩いていくってどういうこと?』(竹村亞希子・都築佳つ良著、新泉社、本体価格1,800円)