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もしも徳川家康が総理大臣になったら

2024-03-13 15:25:48 | 

 舞台は現代、コロナウィルスが政府官邸でクラスターとなり、首相が感染し死去。与党は後継首相を立てることができず、誠に今どきながら、AIとホログラムにより歴史上の日本の偉人たちを復活させ、最強内閣を組閣しました。その陣容は

首相   徳川家康
財務大臣 豊臣秀吉
経産大臣 織田信長
外務大臣 足利義光
厚労大臣 徳川綱吉
農水大臣 徳川吉宗
法務大臣 藤原頼長
防衛大臣 北条時宗
総務大臣 北条政子
官房長官 坂本龍馬

など、誰も文句のつけようがない。国民主権を理解しながらも、前世では独裁者であった彼らはこの国難に「明確に『あるべき姿』を示し、そのための『具体的な指示』を行った」政策とは、【太閤給付金】(1人50万円)、食料自給率の改善、【日ノ本リモート万博】、【楽市楽座】。

 その後、内閣内での確執が生まれ、一人ずつ暗殺(データの消去)され、疑心暗鬼になりますが、死と背中合わせに生きてきた偉人たちは「圧倒的なスケール感と構想力とリーダーシップ」を発揮します。家康や龍馬が吐露するように、今の政治家が選挙で当選するために四苦八苦しているのとは大違いで、家康や龍馬が吐露するように、「多くの人に当事者意識が少なく、何かといえば他人を批判し、自分を正当化することで自我を保っている」し、「政治にかかわる者たちのどうしようもない軽さ」を感じています。このあたりは自民党国会議員を差しているのか?

 最後に、日米首脳会議後の家康の演説では、民主主義の肝を述べています。「自由と不自由、この折り合いをつけることこそが人を率いる者に必要なこと」が忘れ去られているんでしょうかね、今のリーダーには。

 この夏にはこの小説は映画化されますが、その時まで今の政権は存続するのでしょうか。

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(眞邊明人著、サンマーク出版、本体価格1,500円、税込価格1,650円)

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