ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ノボタン

2017年09月10日 | 沖縄の草木:低木

 シコンノボタンは外来種であり、その名をノボタンから頂いているが、今やノボタンといえばシコンノボタンの方を指すほどにあちこちの庭で多く見られる。ただし、シコンノボタンはノボタンの園芸品種では無く、ブラジル原産の独立した種。ノボタンとは属が違う。名前だけをノボタンから貰っているようだ。
 私の散歩道や近所の庭などでもシコンノボタンが多い。ノボタンは見たことが無い。お陰でガジ丸は、本家ノボタンの写真がまだ撮れないでいる。
 野のつかないボタン、美人の座った姿に喩えられる大きな美しい花は、沖縄ではほとんど見かけない。生育環境が適さないのだろう。ボタンの花を知らないウチナーンチュは多いはず。私はしかし、毎年春から初夏にかけて倭国へ旅をすることが多く、その際、牡丹祭りに出くわすことがよくあり、よく見ていて、よく知っている。

 以上、2005年11月に書いて、その1年後に近くの園芸店で鉢物のノボタンの写真を撮る。今年になって脱サラ農夫、友人Tの店でノボタンの園芸品種の写真を撮り、宜野湾市の民家の庭で、これも園芸品種らしい鉢植えのノボタンを見つける。しかし、私の日常の活動範囲内である宜野湾市以南で、地植えのノボタンは未発見であった。
 先日、友人のHに誘われてヤンバル(沖縄島中北部の通称)の源河川へ出かけた。そこで、念願の野生ノボタンに出合った。ノボタンは酸性土壌を好むとのこと、で、酸性土壌のヤンバルには多いが、アルカリ土壌である沖縄島南部では見かけない。
 ヤンバルの自生のノボタン、多くあったが、開花期は過ぎたものと勘違いして、よく探さなかったので、残念ながら開いた花の写真は撮っていない。
 
 ノボタン(野牡丹):添景・鉢物
 ノボタン科の常緑低木 奄美以南の南西諸島、台湾、他に分布 方言名:テーニーなど
 野に咲く(野生の)ボタンだからノボタンなのかと思ったら、ボタンとは科が違う。ボタンはボタン科、ノボタンはノボタン科。科が違ってもどこかが似ているのだろうと写真を見比べる。葉の形状は大きく違う。花も似ていない。
 酸性土壌を好むため沖縄島北部(通称ヤンバル)に多く、私の住む那覇近辺ではほとんど見ない。園芸店や、鉢物として民家の庭にあるのを見かけるのみ。それでも、ウチナーンチュにとっては馴染み深いようで、方言名はテーニーの他、ミーハンチャ、ハンケータブ、オーバンキ、ハンコーギー、ハンキタブなど多くある。
 ボタンは寒冷地を好むが、本種は温暖な気候を好む。したがって、ボタンは沖縄に自生しないが、ノボタンは沖縄に自生し、奄美大島が分布の北限となっている。
 高さは1~2mで株立ち性。酸性土壌、陽光地を好み、徒長しやすく、枝や葉に硬い毛がある、などの特徴がある。ボタンに比べると花は小さく、見た目も質素だが、紫紅色、または桃色の花はきれい。開花期は7月から11月。紫色に熟した果実は食べられる。
 
 花
 
 園芸種

 ちなみに、
 ボタン(牡丹):添景・鉢物
 ボタン科の落葉低木 中国原産
 「中国で花王と称する」と広辞苑にある。確かに、その名にふさわしい花の大きさ、派手さ、風格を持っている。花色はいろいろ、一重、二重、八重など形状もいろいろ。ボタンは元々中国北東部の原産らしく、温暖な地方よりも寒冷な地域を好むようで、少なくとも私は、沖縄でボタンを見たことがない。ボタンに近いシャクヤクもない。
 
 東京のボタン

 記:島乃ガジ丸 2009.8.23 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行


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ネズミモチ

2017年09月10日 | 沖縄の草木:低木

 アパートの駐車場、私の車を停める場所のすぐ傍に高さ4m近い樹木が茂っている。春に白い花を樹冠につけ、香りも楽しませてくれる。
 その木の左にはクロキ(リュウキュウコクタン)、右にはオオムラサキシキブ、それと並んでニンニクカズラが植わっている。クロキ、ニンニクカズラは元々知っていて、オオムラサキシキブは数年前に調べて、それと判った。が、春に白い花を咲かせるその木だけがずっと確定(学問では同定というらしい)できずにいた。文献の写真を見るとネズミモチにもトウネズミモチにも似ている。どちらなのか判断がつかなくて、ごく身近にある植物であったのにもかかわらず、紹介するのが遅れてしまった。

 ネズミモチとトウネズミモチの違い、『沖縄園芸百科』に「トウネズミモチは沖縄在来のネズミモチよりも刃先のとがりが鋭く、楕円形というよりも披針形に近い。成木になると、葉も、木そのものも、在来のネズミモチより大きくなります。」とある。植物については詳しいといわれている有名な黒島寛松さん、その記述なので間違いはないだろう。
 昨日、アパートの、ネズミモチなのかトウネズミモチなのか判断がつかない樹木の枝を切り取り、職場にあるネズミモチなのかトウネズミモチか判断のつかない樹木の枝を切り取って、並べて見比べた。違いが判った。葉の大きさ、厚さが違う。もう一つ、同じく『沖縄園芸百科』に、「(ネズミモチの葉は)皮質で、指で曲げるとパチパチ折れます。」とあったので、やってみると、アパートのものはそうなった。で、確定した。
 
 ネズミモチ(鼠黐):添景・生垣
 モクセイ科の常緑中木。関東以南、沖縄。方言名:サーターギ
 強壮薬にもなるという紫黒色の果実が鼠の糞に、葉がモチノキに似ているからネズミモチという和名であるが、倭人とウチナーンチュのものの見方の違いなのか知らないが、ウチナーグチ(沖縄口)では糞の匂いから遠く離れる。サーターギ(砂糖の木)という。葉を揉むと黒砂糖の香りがするところからきている。別名タマツバキ。
 高さ2~3m。半日陰や乾燥地でも生育する丈夫な植物。萌芽力もあり強剪定に耐えるので低木の生垣、刈込み物に適する。耐潮風性も強いので海浜地でも使える。
 白色の小さな花が多くかたまって円錐形に枝先につく。このような花のつけかたを円錐花序というらしい。樹冠にいっぱいつける。開花期は3月から5月。
 ネズミの糞に似ているという実は、12月から2月に結実し、黒紫色に熟す。種子は珈琲の代用として利用できるらしい。炒って、挽いて、お湯掛けて。
 
 花1
 
 花2

 記:島乃ガジ丸 2005.4.22 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


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ニセエランセマムキューエンセ

2017年09月10日 | 沖縄の草木:低木

 ニセエランセマムキューエンセなどと意味の判らない長くて覚えにくい名前を、あんまり長いのでかえって覚えてしまったみたいである。最初のニセが偽という意味であるということを知り、「偽物呼ばわりされて可哀そうな奴だ」と同情したせいで覚えてしまったかもしれない。ちなみに、そのついでかもしれないが、先週のエランセマムトリカラーも私の頭の中のハードディスクに、少なくともその名前だけは記録されている。
 「その名前だけは」と書いたが、今現在で言えば、それは謙遜である。散歩の途中でエランセマムトリカラーを見つけたなら、「これはエランセマムトリカラーだ」と判り、生垣などに向く常緑低木であることも私の頭の中のハードディスクから呼び出せるだろう。一年後、あるいは数ヵ月後もそうできるかどうかは不明だが。
 ニセエランセマムキューエンセはエランセマムトリカラーより先に名前は覚えたが、それがそれであるという特徴は私の頭の中のハードディスクにインプットされていない。先週「エランセマムトリカラーはクロトンに似ている」と書いたが、本種こそ「クロトンの一種だ」と言われたら、「そうか」と納得してしまいそうだ。
 細かいところに目が行きとどかないというのは私の欠点でもあるが、細かいことを気にしないという長所でもある、と私は私をけして否定しない。
 
 ニセエランセマムキューエンセ:鉢物、生垣
 キツネノマゴ科の常緑低木 原産分布はソロモン諸島 方言名:なし
 名前の由来は学名Pseuderanthemum kewenseから来ているが、前回紹介したエランセマムトリカラーの属名Eranthemumの前にくっついているPseudが「にせの、偽りの、まがいの」(広辞苑)といった意味で、よってニセエランセマムとなっている。何故Pseudを日本語にしたのか不明だし、ニセ(偽)という言葉自体も本種にとっては不名誉だと思う。
 高さは3mほどで、庭の添景やまた生垣として使い勝手が良い。また、表は赤褐色、裏面は濃紫で光沢のある葉が美しいことから観葉の鉢物として利用される。
 花は目立たないのか、どの参考文献にも花についての記述がほとんど無い。ただ、開花期は6月から12月とあった。生育環境としては良く日の当たる湿潤地を好む。
 
 葉

 記:島乃ガジ丸 2011.8.6 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行


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ニセエランセマム

2017年09月10日 | 沖縄の草木:低木

 ニセエランセマムを調べていて、最初の「ニセ」は「偽」としか思い浮かばなかった。エランセマムという植物の偽物ということだ。しかし、それではニセエランセマムに対し失礼である。で、もう少し考える。「ニセ」は「似せ」かもしれないと閃く。
 「似せる」は「互いに同じさまに見えるようにする」ということ。「似せているけど、そのものと偽るつもりはない」と理解する。ただし、元々、似せるということから「偽(にせ)」という言葉ができているらしい。偽(贋とも)は、「本物のように見せかけること。また、そのもの。」、または「本物に似せて、いつわること。また、そのもの。」(広辞苑)のこと。「似せて偽(いつわ)る」と偽物ということのようだ。
 エランセマムという植物は『沖縄の都市緑化植物図鑑』にエランセマム・トリカラーという名の植物があった。その名前は学名のEranthemum tricolorからきている。
 ニセエランセマムの属名はPseuderanthemum。エランセマム(eranthemum)にPseudが付いている。ラテン語を私は理解できないが、Pseudがおそらく「似せ」という意味なのではないかと推測する。ところがどっこいしょなのであった。
 エランセマム・トリカラーの英名がPurpul false eranthemumなのである。紫色した偽のエランセマムということだ。学名にEranthemumとあるものが、何故、偽のエランセマムとなるのか意味不明。頭が混乱する。私には理解不能。お手上げ。よって、ニセエランセマムのニセについて、「似せ」か「偽」か、または別の意味なのか不明。

 『沖縄の都市緑化植物図鑑』にニセエランセマム属は本種を含め3種紹介されている。そのうち1種は既に紹介済みのムラサキドリピー(ニセエランセマム・ラキシフロラム)、もう1種は、まだお目にかかっていないニセエランセマム・キューエンセ。
 
 ニセエランセマム(Pseuderanthemum):鉢物・添景・生垣
 キツネノマゴ科の常緑低木 原産分布はポリネシア 方言名:なし
 ニセエランセマムという分り難い名前の由来は不明。学名の属名がPseuderanthemumとなっている。eranthemumはエランセマムと読める。Pseudはニセとは読めない。
 同じPseuderanthemum属に、既に紹介済みのムラサキドリピーがある。そういった覚えやすい名前にしてくれないかと思う。本種はP.reticulatum、ドリピーはP.Laxiflorum
 茎頂の葉が黄色く観賞価値となっている。日当たりの良い場所にあると、その黄色が一段と鮮やかになるとのこと。花も独特の形をしていて面白い。茎の先に花穂を伸ばして十字型の花がいくつもかたまって付く。開花期は6月から12月。
 根元から分枝し株立ち状となり、全体にこんもりとした形になる。庭の添景として使いやすい。刈込みが効くので生垣にも向く。高さは150センチほど。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2007.6.9 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行


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ナガミボチョウジ

2017年09月10日 | 沖縄の草木:低木

 私が時々散歩に出かける末吉公園は那覇市首里末吉にあり、沖縄島南部の原生林が残っている。そんな林の中、左右に木立の茂った園路を、足元を見ながら歩いていると、ところどころで赤い実に気付く。その赤い実を付けた樹木はナガミボチョウジ。
 それがナガミボチョウジであると知ったのは1年以上も前のことだが、図鑑を見ると、ボチョウジも沖縄島に自生しているとのこと。ならば、ナガミボチョウジとボチョウジ、一緒に紹介しようと思って、その後何度も末吉公園を散策してボチョウジを探した。しかし、発見できずにいた。1年も経って、図鑑を確認する。
 『沖縄四季の花木』に、ナガミボチョウジは「石灰岩地域の山林に多く・・・ボチョウジは非石灰岩地域に生える」とあった。
 沖縄島は、2つの土質に大きく分けられる。中北部は酸性土、南部は弱アルカリ土、弱アルカリ土の地域は石灰岩地域とも呼ばれる。どうやら、ボチョウジは石灰岩地域である沖縄島南部には自生していないらしい。末吉公園をいくら散策しても見つからないわけであった。最初にボチョウジを図鑑で見たとき、その説明文もちゃんと読んでおけば良かったのだが、大雑把という私の性格は、図鑑を見る際も発揮される。
 
 ナガミボチョウジ(長実母丁字):添景
 アカネ科の常緑低木 九州南部以南、南西諸島、台湾などに分布 方言名:アザカ
 ボチョウジが広辞苑にあった。母丁字と書くが、意味は不詳。チョウジ(丁字)はフトモモ科の常緑高木。本種とボチョウジは同属の近縁種、ボチョウジの果実に比べ本種の果実が長いことからナガミと付く。なお、白い玉のシラタマカズラも同属。
 別名をリュウキュウアオキというが、アオキはミズキ科の常緑低木。本種がアオキに似ているかどうかは不詳。ただ、花が小さいこと、果実が赤く熟すること、そして、樹林の足元の主たる低木という点では似ている。
 高さは1~2m。石灰岩地域、森林の樹下に自生する。そのような場所である末吉公園ではギョクシンカと共に、山地の樹下に見られる主たる低木となっている。
 枝先に花序を伸ばし十数個の花をつける。白色で小さく目立たない。開花期についての資料は無いが、私の経験では5月から7月。楕円形の果実は1センチ内外あり、秋になると赤く熟して目立つ。祭祀用に用いられる。ちなみに学名、
 ボチョウジ Psychotria rubra Poir.
 ナガミボチョウジ Psychotria manillensis Bartl.
 シラタマカズラ Psychotria serpens L.
 
 花
 
 実

 記:島乃ガジ丸 2008.11.15 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行


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