ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

タイワンウチワヤンマ

2018年06月29日 | 動物:昆虫-トンボ目

 進歩するオジィ

 2011年7月20日午後から22日の夕方まで、私は美女と一緒だった。彼女Tさんは東京で植物関連、焼物関連の店を経営していて、今回は主に焼物の仕入れのための来沖であった。彼女と共通の友人である東京のI氏から「手伝ってくれないか」という依頼があって、2泊3日の沖縄滞在中、彼女の運転手を務めることにした。

 21日、彼女の要望で本部町伊豆見へ行き、彼女の仕事が済むとそこから海洋博公園へ行って、彼女はちゅら海水族館などを観光、彼女が観光している間、私は散策。その時、前回紹介したタイリクショウジョウトンボ(と後で知る)を見つけ写真を撮る。
 22日、前日は植物関連の仕事だったが、この日の彼女の仕事は焼物仕入れ。恩納村にある「やちむんの里」へ行く。彼女が窯元と商談している間、私は辺りの散策をする。その時にタイワンウチワヤンマ(と後で知る)を見つけ写真を撮った。「やちむんの里」は空間の多い緑に囲まれた場所にあり、真夏で汗をかいたが、楽しい散策だった。
 
  
 さらにそれから6年も経った今年2018年6月、つい先日の25日、県総合運動公園を散策した。公園内の池の傍に来ると、大きなトンボが見えた。留まったところにそっと近付いて、写真を撮る。それがタイワンウチワヤンマであると見当はついていた。
 前回紹介したタイリクショウジョウトンボの写真の数枚も、その時に撮ったもの。タイリクショウジョウトンボは雄雌仲良く近くにいた。もちろん、彼らがタイリクショウジョウトンボであることは、写真を撮る前に見当はついていた。私も進歩している。
 
 タイワンウチワヤンマ(台湾団扇蜻蜒):トンボ目の昆虫
 サナエトンボ科 紀伊半島以南~南西諸島、台湾などに分布 方言名:ターマー
 名前の由来、タイワンについてはおそらく南方系の種だから、ウチワについては『南の島の昆虫記』に「腹の先のほうが、団扇のようにひろがっているので」とあった。
 本種はサナエトンボ科でヤンマ科ではないのだがヤンマと付く、ヤンマは広辞苑に「ギンヤンマ・オニヤンマ・カトリヤンマなど、大形トンボの総称」とあり、「体長が8センチ近くもあり・・・ヤンマとオニヤンマの仲間と比べても決して小さくありません」ということから大きなトンボという意でついたものと思われる。ヤンマの由来は不明。
 腹長48~56ミリあり、サナエトンボの仲間では沖縄の最大種とのこと。『南の島の昆虫記』に「突き出た枝先などに水平にとまる・・・ヤンマはぶら下がるようにしかとまりません」とあって、ヤンマのように大きくてもヤンマではないと判るようだ。
 飛ぶ力が強く、遠くまで移動する。雄は縄張りを持ち、敏感で、動くものを見つけたら攻撃する。などと『沖縄昆虫野外活動図鑑』にあった。出現時期は4~11月。
 
 横から
 
 下から

 記:2018.6.28 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『沖縄のトンボ図鑑』尾園暁・渡辺健一・他著、ミナミヤンマクラブ株式会社発行


タイリクショウジョウトンボ

2018年06月27日 | 動物:昆虫-トンボ目

 大酒呑み

 私は酒が好きである。泡盛も焼酎も、ワインも日本酒も、ウイスキーもジンも、ウォッカもラムも、ブランデーも老酒も好きである。しかし、アル中でもなければ大酒飲みでも無い。休肝日週3日をほぼ守っていることからしてアル中では無い。一晩で飲む量が、ワインは1本空けるが、日本酒はせいぜい三合止まり、泡盛など強い酒の場合は二合も飲まない、などということからして、大酒飲みでも無い。
 若い頃はしかし、私はたらふく飲んだ。貧乏だったので、そういった機会はめったに無かったが、日本酒なら一升、ウイスキーならボトル1本、飲み干すのは平気だった。世の中には私のような人、あるいは、私以上に飲む人はたくさんいる。そういった大酒飲みのことを「ざる」とか「うわばみ」などと言うが、また、「しょうじょう」とも言う。
 「ざる」は道具のザル。ザルに酒を入れても漏れることから、いくら飲んでも体に溜まらないことを比喩している。「うわばみ」は蟒蛇と書き、大蛇のことを指す。大蛇は大酒飲みとされるところから「うわばみ」が酒飲みの代名詞となっている。「しょうじょう」は猩猩と書く。中国の想像上の怪獣。酒好きとされていている。
 ショウジョウトンボはしかし、大酒のみのトンボというわけでは無い。怪獣の猩猩が赤い毛をしているということから、体の赤いショウジョウトンボにその名がついた。

 以上は2005年11月に書いたもの。その頃既に、ショウジョウトンボと亜種関係のタイリクショウジョウトンボなる種があることは知っていた。2011年7月、海洋博公園で撮った写真のトンボがそれではないかと見当もついていた。そして、それから12年余も経って、畑を辞めて時間に余裕のできた今年(2018年)6月になって、タイリクショウジョウトンボとショウジョウトンボを詳しく調べる。
 で、両者は分布に違いがあり、琉球列島にいるのはタイリクショウジョウトンボであることを知る。ということで、ショウジョウトンボの頁は削除し、この頁を追加。

 ちなみに、2005年11月から13年近く経った今、休肝日は3日に1回で、1回の晩酌で飲む量はずいぶん減った。ワインならグラス2杯で十分、日本酒なら1合いかず、泡盛なら半合止まりなどとなっている。飲めなくなった。

 タイリクショウジョウトンボ(大陸猩猩蜻蛉):トンボ目の昆虫
 トンボ科 トカラ列島以南、東南アジアなどに広く分布 方言名:アーケージェー
 名前の由来は、ショウジョウについては下記のショウジョウトンボに同じ、タイリクについては、正確には資料がなく不明だが、本種の分布が東南アジア、中東、アフリカ、北米などに広く分布するから大陸とついたものと思われる。
 腹長28ミリ。出現時期は3~11月。『沖縄のトンボ図鑑』によると「成熟した雄は水際に静止してなわばりを持つ」とのこと。
 ショウジョウトンボと良く似ているが、両者は亜種関係。『沖縄昆虫野外観察図鑑』には沖縄産がどちらか未だ不明とのことであったが、『沖縄のトンボ図鑑』、及び『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』によれば、沖縄産のものはタイリクショウジョウトンボのようである。腹部背面の黒条が本種は太く、ショウジョウトンボは細いとのこと。
 ちなみに学名は、
 タイリクショウジョウトンボ Curocothemis servilia servilia
 ショウジョウトンボ Curocothemis servilia mariannae
 
 雄1
 
 雄2
 
 雌1
 
 雌2
 
 産卵行動中


 ショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉):トンボ目の昆虫
 トンボ科 北海道~九州に分布 方言名:アーケージェー
 猩猩(しょうじょう)は中国の想像上の怪獣。体は猿で、顔は人。酒好き。毛の色が朱紅色をしているところから、赤いものに猩猩という名前がついたりする。有名なもので猩猩蠅、他に猩猩蝦、猩猩蟹などがあり、植物には猩猩木(ショウジョウボク、ポインセチアのこと)などがある。目の色や体色が赤かったり、花色が赤かったりする。
 ショウジョウトンボもその名の通り赤いが、赤いのは成熟した雄と文献にある。未成熟の雄や雌の体色は黄色で、ウスバキトンボと混同しやすいともある。
 腹長31ミリ。成虫の出現は倭国で4~10月で、沖縄には生息しない。沖縄にいるのはショウジョウトンボの原名亜種であるタイリクショウジョウトンボ。
 
 2006年10月北海道旭川で出会ったショウジョウトンボ

 記:2018.6.26 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『沖縄のトンボ図鑑』尾園暁・渡辺健一・他著、ミナミヤンマクラブ株式会社発行


鼾は何処へ

2018年06月25日 | 通信-科学・空想

 久々にたっぷり(約1時間)の昼寝をした。先週日曜日6月17日のこと。少しの昼寝はそれまでにもたびたびあったが、そんなに寝たのは何年ぶり・・・いや、「去年だって畑仕事に精出していた頃はたっぷり昼寝していたぜ」ともう1人の自分が気付く。
 いやいや、とまた別の自分、「畑仕事で疲れての昼寝なら、そりゃあ正当な昼寝だ、しかし、今の俺は労働をほとんどしていないぞ、それが何で昼寝?」と問う。「もしかして睡眠不足ということか」と応える。腰痛からうつ状態になった頃はあまり眠れない日もあったが、あまり眠れないといっても3~4時間は眠っていた。新居に越した3月からはまあまあの睡眠がほとんど。ただ、しかし、ぐっすり眠れているかどうかは疑問。

 私には腰痛、歯グラグラの他にも体の不具合がある。頻尿。夜中に小便で起きるということが普通になってしまった。1回は必ず、2回のこともしばしばある。夜中1時前後に小便で起きて、その後2時頃に眠りに入ると5時半頃に小便に立ち、そのまま起床なのだが、睡眠時間としては前後足して6~7時間は眠っているので十分だと思った。
 先日、いつものように夜中小便で起きて、用を足してベッドに戻った時、ふと気付いたことがある。「あっ、そういえば俺最近、鼾をかいていないな」と。以前は、自分のかく鼾で目が覚めるということがしばしばあったのに、いつ頃からか、少なくともここ半年、あるいは1年余、私はたぶん、鼾をかいていない。
 「鼾をかかない=健康」などと、私は単純に考えていない。鼾を連日かいていた、前の前の住まい、宜野湾市我如古のアパートに住んでいた頃、私は元気で、腰痛も歯痛も頭痛も無く、血圧も正常であった。だけど今は、腰痛も歯痛もあり、血圧も高い。

 「何故、鼾をかかなくなったのか?」を考えた。前後足して6~7時間は眠っているのは確かで、それ以上に眠っている日もしばしばある。でも、その睡眠の質が良くないのではないかと考えた。私は、畑仕事を辞めてから体をあまり動かしていない、びっしょり汗をかいていない、つまり、体が疲れていない。家の中で筋トレを少しやっているが、それによる肉体の疲れは、畑仕事に比べると屁みたいなもの。
 深く寝ると体の筋肉が弛緩して舌が喉の奥に引っ込む。すると、喉が詰まって鼾をかくと聞いたことがある。体が疲れていないから睡眠が浅い、睡眠が浅いから鼾をかかないのではないかと考えた。睡眠が浅い→ぐっすり眠れていない、つまり睡眠の質が悪い。
 うつに関する本を読み、ネットでも調べ、私の老人性うつと思われるものは病と言うほどのものではなく、ごく軽症だと判明したが、それでも、朝起きて腰に痛みを感じたりすると今でも気が塞ぐ。その気憂さは、もしかしたら心に元気が無いからではないかと思った。心に元気が無いのは睡眠の質が悪いからではないだろうかと思った。
     

 そういえば、ここ半年、あるいは一年ほど濃い夢をほとんど見ていない。SF的奇想天外な夢を見ていない。このところ見ている夢のほとんどは普通の人、それも多くは身近にいる親戚友人知人たちが出て来る日常の光景の夢ばかり。濃い夢を見ない、これもひょっとしたら睡眠の質が悪いからではないかと疑う。浅い眠りでは現実から逃げられない。眠りが深ければ現実を遠く離れ、感性が異次元へ飛ぶのではないかと思う。
     

 記:2018.6.25 島乃ガジ丸


アシヒダナメクジ

2018年06月22日 | 動物:魚貝類

 殻を脱いだ貝?

 2014年6月6日、今まで見たこともない変な生き物に出会った。ヤンバル(沖縄島北部の通称)の山の中でとか、西表島のジャングルの中でとかでは無い。近くには住宅地も商業施設もある西原町の、その頃借りていた畑の中に彼はいた。
 彼は最初少し動いていて、それで動物であると気付いたのだが、私が近付いてカメラを構えると固まった。彼に最も近い生きものとして私の脳裏に浮かんだのはナメクジなのだが、体色が全然違うし、体も固そうだし、「たぶんナメクジじゃないな」と判断する。次に浮かんだのは海に住むアワビのような貝の、その殻を脱いだもの。「海の生き物がタカか何かに掴まって、ここまで運ばれて落ちたのかな?」と想像する。

 後日、文献で調べ、アシヒダナメクジという名の生き物であることを知る。「海の生き物かも」と私が想像した通り、『やんばるの自然』に「海岸にいるイソアワモチに近い仲間」とあったので、イソアワモチを調べた。『磯の生き物』にそれはあった。
 イソアワモチはイソアワモチ科の軟体動物で、殻を持たない貝の仲間とのこと。見た目は、上からの形状はほぼ円形で平たく、大きな突起がいくつかあって、本種とは大雑把に似ているが、両者を見間違えることはたぶん無い。しかし、両者がどれだけ近いのか詳しい文献は無く、アシヒダナメクジが殻を脱いだ貝なのかどうかは不明のまま。

 その後、彼に出会うことは無かったのだが、約2ヶ月後の8月15日、同じく畑の中でスーと移動中の彼を見た。2度とも朝9時頃であった。朝の9時頃はたいてい私は畑にいる。しかし、それ以後彼に出会うことなく。2018年2月、畑卒業となった。

 
 アシヒダナメクジ(足襞蛞蝓):軟体動物
 アシヒダナメクジ科 沖縄島以南、熱帯太平洋地域に分布 方言名:なし
 名前の由来は資料がなく不明。アシヒダもナメクジも不明。漢字の蛞蝓は広辞苑にあったが、足襞は『やんばるの自然』に「足襞目アシヒダナメクジ科」とあった。これは私の想像だが、体の左右の縁が襞になっていて、それを上下に動かして移動している。移動道具が襞なので足襞だと思われる。それでおそらく当たっている。
 ナメクジと名がついているがナメクジの仲間ではないとのこと。ナメクジはマイマイ目で、本種はアシヒダ目。アシヒダ目の他の動物がないかと調べたが、どの文献にも本種以外の記載は無かった。『やんばるの自然』に「海岸にいるイソアワモチに近い仲間」とあったので、イソアワモチを調べたが、これも詳しく書いてある文献は無かった。
 体長40ミリとあったが、私が見たものは60ミリほど。沖縄には戦後入ってきた外来種とのこと。「道端や畑にいて農作物の害虫」ともあった。ナメクジのように作物を食害するものと思われる。寄生虫である広東住血線虫の宿主にもなっているとのこと。
 
 左右の縁の襞を上下に動かして移動しているところ。

 記:2018.6.22 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』湊和雄著、実業之日本社発行
 『西表島フィールド図鑑』横塚真己人著、実業之日本社発行
 『磯の生き物』屋比久壮実著、アクアコーラル企画発行


ヤンバルヤマナメクジ

2018年06月21日 | 動物:魚貝類

 でかいナメクジ

 今週火曜日(19日)、気象庁が梅雨明け宣言していないのに、梅雨明けと共に始まるクマゼミの大合唱が聞こえた。クマゼミの大合唱、去年は夏至の13日後だったのに今年は夏至の2日前。週間天気予報を見ると雨マークが続いている。「クマゼミもたまには間違えるか?」と思っていたら、翌水曜日(昨日)の週間天気予報では雨マークが消えている。「クマゼミが正しいのかな?」今朝も彼らの大合唱が聞こえている。

 さて、今回紹介するヤンバルヤマナメクジは2011年7月、ヤンバル(沖縄島北部の通称)の与那覇岳で出会った。もちろん、最初からヤンバルヤマナメクジと判ったわけではなく、それがナメクジの類であるということも知らなかったのだが、「ナメクジだとしたらでかいなぁ、もしかして新種の何かかなぁ」といったていどの感想であった。
 2011年7月21日、その日私は自分の車を運転しヤンバルへ行った。助手席には私としては珍しく美女が乗っていた。東京からの客で東京の友人(男)に紹介された、焼物や植物に詳しい女性。彼女の希望で焼物の里やら、国頭森林公園を案内した。

 その頃、既に私はHP『ガジ丸の島』で沖縄の植物を紹介していて、ある程度の知識はあったのだが、ヤンバルの山の中で「あれは○○です」と彼女から教わる植物がいくつかあった。そんな彼女でも、でかいナメクジ様なものが何かは知らなかった。知らなかったというか、「気持ち悪い」と言ってよく見もしなかった。そんな7年前の想い出。
 
 
 ヤンバルヤマナメクジ(山原山蛞蝓):軟体動物
 ナメクジ科 沖縄島北部の固有種 方言名:ナンドゥルームン、ユダヤームン
 名前の由来は資料が無く不明。蛞蝓は広辞苑にあったが由来は不明。ナメクジの頁でも書いたが、ナメは滑「ぬるぬるしているもの」(広辞苑)の意味であろう。クジについては私の思考能力では想像不能。山(ヤマ)は山地に生息するからであろう。ヤンバルとは山原と漢字表記し、「沖縄島北部の通称」のこと。本種はヤンバルの固有種。
 本種はナメクジ科なので、方言名もナメクジと同じナンドゥルームン(ぬるぬるしているもの)やユダヤームン(よだれを垂らすもの)としたが、本種はしかし、普通に見られるナメクジとは印象が違う。ヌルヌルしていないし、よだれを垂らしているようにも見えない。そして、太く大きい。ヤンバルでは特別な名称があるかもしれない。
 全長70~150ミリ、大きなものは200ミリを超えるとのこと。キノコ類、爬虫類や昆虫の死骸を食べるとのこと。写真は2枚ともお昼過ぎに撮っている。
 
 上の写真の数秒後にアングルを変えての1枚、ビックリしたのか体を曲げた。 

 記:2018.6.21 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』湊和雄著、実業之日本社発行
 『西表島フィールド図鑑』横塚真己人著、実業之日本社発行