ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

スギノハカズラ

2017年09月15日 | 沖縄の草木:草本

 スギノハカズラを調べるため図鑑を開いたら、学名がAsparagus となっている。これを私は見逃さなかった、と威張る程のものでは無い。何しろ『沖縄野外観察図鑑』のページ体裁は、そのページで紹介する植物の、その名前のすぐ下に学名が記載されているので、大抵は目に入る。「アスパラガスって、あの美味しいアスパラガスか?」と驚く。
 しかし、驚いたのはほんのちょっとの間で、すぐに「あー、確かアスパラガスの仲間には観葉植物にもあったな」と思い出す。野菜としてのアスパラガスを私は既に紹介していて、その中で「クサスギカズラという和名があり、それはおそらく、枝葉が杉に似て、這う性質がある草、ということから草杉葛なのであろう」と私見も述べている。
 食用となるアスパラガスはクサスギカズラ(草杉葛)で、観葉植物となるアスパラガスはスギノハカズラ(杉葉蔓)ということのようである。私も1つ賢くなった、のだが、それもほんのちょっとの間で、数日後にはきっと忘れているはず。

     
     
 「忘れているはず」と書いて思い出した。畑にアスパラガスが2株あって、その中の1株が大きく育って、1週間ほど前に芽が1本、10センチ程に伸びているのを発見。「数日後には収穫できるな」とニンマリしたではなかったかと。翌日、畑へ出掛けアスパラガスを確認。その芽は既に手遅れだったが、新たに芽が出ていた。それが上の写真。
 
 スギノハカズラ(杉葉蔓):鉢物・花壇
 ユリ科の多年草 南アフリカ原産 方言名:不詳
 名前の由来は『沖縄野外観察図鑑』に「杉の葉に似ているところから、スギノハカズラの名がつけられました」とあった。カズラとあるが、どの文献でも蔓植物とは分類されていない。ただ、『グリーン・ライブラリー』に「小さな棘を持ち、灌木によじ登る性質がある」と書かれており、そういうところからカズラに見間違えるのかもしれない。
 茎は根元から叢生し、長さ1~2mまで伸び、先端は垂れ下がる。葉に見えるものは仮葉(かよう)、または偽葉(ぎよう)と呼ばれるもので、「植物の葉柄部分が扁平化して、葉身のような外形と機能をもつもの」(広辞苑)のこと。
 春にピンクがかった白い花が咲き、6ミリ以下の赤い実を着ける。私が見たものは民家の玄関前にあった鉢物で11月下旬の状態。白い花も赤い実も未確認。
 
 実

 記:島乃ガジ丸 2017.9.9 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行


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オオマンネンラン

2017年09月08日 | 沖縄の草木:草本

 沖縄のあちこちへ行き、あるいは近場の公園や家の近所を散策して、見知らぬ植物動物の写真を撮りまくり、それが何者かを調べ、このブログで紹介してきて、現在も紹介し続けている。何者か判明している写真は、植物だけでも今、約30種はある。判明していない写真はその10倍はあるはず。終わりの無い旅を私はしている。

 今回紹介するオオマンネンラン、出会ったのはいつだ?と写真のプロパティを見ると2006年2月14日とある。11年も前だ。その日その時私は何処にいたかを日記で調べると、琉球大学のキャンパスを私は散策していて、その写真を撮っている。
 写真を撮って、後日調べて、それがオオマンネンランであろうと判ったのは写真を撮ってからおそらく数ヶ月以内だと思う。いつも参考にしている図鑑にそれはあった。しかしながら、その説明文を書くのはずっと遅れて今年になってから。つい最近のこと。
 何故遅れたかについては、自分のことなのによく解らないが、今回調べてみると、オオマンネンランについて文献によってヒガンバナ科であったりリュウゼツラン科であったりした。「あーそうか、面倒臭がり屋の俺だから、正しいのはどっちか調べるのが面倒だと思って、いつか調べようと思って放っておいたんだな」と納得。

 オオマンネンランがヒガンバナ科かリュウゼツラン科かについては、図書館行って大きな図鑑を開いて調べた・・・のでは無く、ネットで調べた。「コツコツやっていこうという初心だったのに、怠けているなぁ俺」と少し反省。暑さのせいにしておこう。
 
 オオマンネンラン(大万年蘭):公園・花壇
 リュウゼツラン科の大型多年草 ブラジル原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不詳だが、容易に想像はつく。漢字表記の大万年蘭も私の想像だが、たぶん当っているはず。ラン(蘭)は広辞苑に「スズラン・ハラン・クンシランなど、ランの和名をもつがラン科でないものも多い」とある通り、リュウゼツランのランと同じ。マンネン(万年)はオモト(万年青)、マンネングサ(万年草)などと同じく「いつまでも変わらない」(広辞苑)の意を表す。オオ(大)は、葉の長さが150~200センチにもなることから。ということでオオマンネンラン(大万年蘭)となる。
 別名をモーリシャスヘンプと言うが、全く想像のつかない名前なので調べてみた。モーリシャス(Mauritius)は国名で、「マダガスカルの東方、インド洋上の島国」(広辞苑)で、ヘンプ(hemp)は英語で「麻」のこと。本種からは繊維が採れるとのこと。
 見た目はリュウゼツランに似ている。幹はほとんどできず、地際から葉が出ているように見える。「花序は高さ7mになると言われている」と文献にあった。アオノリュウゼツランも葉の高さが2m近くになり、花序は高さ5~6mにまで伸びる。アオノリュウゼツランの花序は見たことあるが、本種の花序にはまだお目にかかっていない。

 記:島乃ガジ丸 2017.8.27 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行


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ルリフタモジ

2017年08月13日 | 沖縄の草木:草本

 今のアパートに越してからの馴染みの散髪屋は、歩いて2、3分の所にある。もう11年通い続けている。親父はアウトドアの大好きな、家族を大切にするオジサン。キャンプはいつも家族と一緒。最近、孫ができて、目尻に皺が増えた。
 その散髪屋の入り口傍に長さ60cm、奥行き20cmくらいの小さな花壇があって、毎年夏から秋にかけてきれいな薄紫色の花を咲かす植物が植えてある。細い葉を下にして、花は上部に群れて咲くので、上から見ると、花を敷き詰めたように見える。その植物の名前を訊こうと思いつつ、いつも忘れていた。どちらかというと集中型の私は、同時に多種類のことを考えられない。散髪屋へ行くと、散髪以外の事を忘れがちになってしまうのだ。

 そうこうして数年が過ぎたある日、今から1年ほど前のことだったか、職場に同じ花の鉢植えがあるのを発見した。職場には植物に関する本がいろいろあるので、さっそく調べる。・・・ルリフタモジであった。花の色を瑠璃色と見てのルリとは判断できるが、二文字は何を指しているのか判らない。後日、よく行く喫茶店の、常連客のオバサン連中に訊いてみた。オバサンたちは二文字どころか、ルリフタモジそのものを知らなかった。なあんだ、世間的にもそう有名な花じゃ無いんだ、と、自己の不明を妥当化する。
 出勤の際はデジカメを携帯しているので、職場のルリフタモジはカメラに収めた。2ヶ月ほど前まで散髪屋のルリフタモジは満開だった。散髪屋へ行くたんびに、写真撮らなきゃと思いつつ、カメラをいつも忘れる。この忘れっぽさは、もしかしたら集中型の脳のせいでは無く、ただ単に、脳が老化したせいなのかもしれない。
 
 ルリフタモジ(瑠璃二文字):草本
 ユリ科の多年草 原産は南アフリカ 方言名:無し
 葉はニラの形に似ていて、草全体もニラを大型にしたように見える。傷つけるとニンニクの匂いがする。その葉の間からすすっと花茎を伸ばし、茎の頭部に花をつける。花は放射状に十数個あって、一つ一つの花は星型に開く。色は薄紫。花期は5月から10月。

 立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花と美人を形容する言葉があるが、細身のすらっと伸びた八頭身のルリフタモジが、今時の美人の立ち姿であろう。しかも可憐で清楚な花だ。「あなたはルリフタモジのようですね」なんて、たいそうな褒め言葉になると思うが、ルリフタモジを知らない女性は多いようなので、褒めるその効果は期待できない。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2004.12.22 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


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リュウホウボク

2017年08月13日 | 沖縄の草木:草本

 2007年は1月に続いて2月もまた、週末に用事のある日が続いた。第一週の週末は知人のGさんに呼ばれ、飲みに行く。翌週は、土曜日が映画と模合(正当な理由のある飲み会)で、日曜日は友人のHに呼ばれ、彼の家で飲む。第三土曜日は、高校三年のクラス会があり、日曜日はライブへ出かけた。第四土曜日は映画、翌日曜日は友人のSに呼ばれる。その間、週末には散歩をしており、畑仕事もしている。もちろん、日常の買い物、炊事洗濯掃除などの家事もこなしている。今、年度末で仕事も忙しい。

 3月に入って最初の週末、久々に台所や風呂場トイレのちゃんとした掃除、気合を入れた畑仕事などを予定していた。が、その週もまた、お出かけとなる。大学教授のKRさんと久々に顔を合わす。レストランで食事して、その建物の周りをブラブラしていると、建物の周囲にある花壇の一角に、実物は見たこと無いが、図鑑の写真を見て覚えていた植物があった。写真を撮る。うしろからKRさんの声がした。
 「面白い植物ですね、何て言うんですか?」と訊く。
 「リュウホウボクです。写真に撮りたいと思っていたんですが、身近に無かったものです。こんなところで出会うなんてラッキーでした。」と私は答えたが、リュウホウボクという名前に100%の自信は無かった。でも、90%くらいの自信はあった。リュウホウボクは写真を見ただけでも覚えられる特異な形をした植物であり、その名前もまた、『項羽と劉邦』の劉邦から連想できて覚えやすいのであった。
 台所や風呂場トイレのちゃんとした掃除、気合を入れた畑仕事などの予定を変更して出かけたのだが、リュウホウボクの写真が撮れただけでも、予定変更は正解だった。
 
 リュウホウボク(竜峰木):添景・鉢物
 トウダイグサ科の多年草 原産分布は中南アメリカ 方言名:なし
 名前の由来が文献に無い。三国志の劉邦なら面白いとと思ったが、それはきっと違うだろう。別名ギンリュウ(銀竜)と『沖縄都市緑化植物図鑑』にある。ということは、おそらくリュウホウのリュウは竜。根元からいくつもの茎が出て、それらがクネクネとうねっている。それを、竜がうねっている山に見立ててのリュウホウ(竜峰)なのではないかと私は推測する。なお、本種は木では無く草だが、遠目には潅木に見える。
 高さは1mほど。葉には白い斑が入っておりきれい。クネクネとうねっているように見える全体の形と共に観賞価値となっている。
 
 葉

 記:島乃ガジ丸 2007.3.7 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行


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リュウノヒゲ

2017年08月13日 | 沖縄の草木:草本

 仲の良い家族が来月の初め、京都旅行へ行く。夫婦と娘が空路大阪へ、大阪では息子が待っていて家族4人での京都旅行となる。じつは、そんな家族水入らずの旅行に私も付いていく予定だった。京都へは過去10回以上、旅行経験がある私なので、彼らの案内をして差し上げようと思ったわけだが、日程が合わずに断念した。
 京都へ行くと、神社仏閣巡りが楽しみの一つにある。過去10回以上の京都旅行で有名どころの神社仏閣のほとんどを、私は訪れている。建物だけでなく庭も観る。むしろ、庭が主役である場所も多い。竜安寺の石庭などは何度観ても、何時間観続けても飽きることがない。竜安寺以外の寺にも良い庭が多くある。植物など、使われる材料もそうであるが、庭の造り全体が、南国の沖縄では見ることのできないものなのである。

 南国の沖縄では見ることができない景色の一つに苔庭がある。一面、苔が覆っている景色はしっとりとした上品さと、美に対する神経の細やかさが感じられる。ギラギラの太陽がガンガンと照りつけ、原色の花々が咲き乱れる開放的な沖縄では、そういった景色を作り出すのは難しい。「しっとり」は、沖縄には似合わない。
 苔そのものがまた、沖縄では育ちにくい。あるにはあるのだが、苔が一面を覆うほど十分に生育するには、沖縄の自然環境は不向きなのである。
 沖縄では、グランドカバーとして、陽光地には概ね芝を使う。芝生の育たないような陰地には、じつは苔を使いたいのであるが、上述のように苔は育ちにくい。そこで、そういった場所に適したものはないかと探す。いいものがあったのである。リュウノヒゲ。
 
 リュウノヒゲ(竜の髭):地被
 ユリ科の多年草 原産分布は日本、中国、台湾 方言名:ファブクサ
 耐陰性がごく強いので、日の当らない箇所のグランドカバーに適する。本種リュウノヒゲは草丈が20cmほどになるが、矮性の品種タマリュウ(玉竜)は草丈が4~5cmにしかならず、グランドカバーとしてはこちらの方が使い易い。
 別名ジャノヒゲと文献にはあるが、広辞苑ではジャノヒゲの別称がリュウノヒゲとなっている。出生はジャノヒゲが先だったかもしれない。でも、今はリュウノヒゲで通る。
 
 タマリュウ

 記:島乃ガジ丸 2005.9.25 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


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