ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

コウガイビル

2011年05月06日 | 沖縄の動物:クモ類・その他

 ハンマーヘッドシャーク

 植物で吃驚するようなモノに出会うことはあまり無いが、動物だとたまに出会う。先々週(12月3日)に紹介したブラーミニメクラヘビにも驚いたが、今回紹介するコウガイビルにはもっと驚いた。ミミズのようでミミズでは無い。頭の形が違う。
 頭の形が本種の特徴のようで、それが名前の由来となっている。都心の土地代が高くなって、郊外にビルを建てるようになって、ビルがポツンと建っている様が本種の形に似ている、なんてわけでは無い。コウガイビルは由緒正しき日本語。

  コウガイビル、ビルはヒル(蛭)のことだが、ヒルの仲間ではないとのこと。コウガイは笄で、「男女ともに髪をかきあげるのに用いる具。箸に似て、本を平たく末を細く・・・」(広辞苑)のこと。その形に似ている。コウガイビルにはいろいろあるらしいが、私が見つけたコウガイビルは、私の感覚ではハンマーヘッドシャークに似ている。
 コウガイビルはコウガイビル科コウガイビル属に属する動物の総称とのこと。「陸生の渦虫類の一群」とも広辞苑にあった。コウガイビルも渦虫類も初めて聞く。見た目にも驚くが、名前を見ても、「なんじゃこりゃ?」といった気分になる。

 
 コウガイビル(笄蛭) 
 コウガイビル科の渦虫類 方言名:不詳
 ヒル(蛭)と名が付くがヒルの仲間では無く、渦虫類というプラナリアの仲間。見た目の印象がヒルに似ているからヒルだと思われる。コウガイ(笄)は広辞苑にあり、「男女ともに髪をかきあげるのに用いる具。箸に似て、本を平たく末を細く・・・」のこと。本種の頭部がイチョウの葉のような形で、全体が笄のような形となる。
 コウガイビルは、コウガイビル科コウガイビル属に属する動物の総称で、日本には数種いるらしいが、詳細は分かっていないとのこと。
 体長も5センチから1メートルと種類によってさまざま。私が見つけ、写真に撮ったものは体長10センチほどであった。沖縄にも数種生息し、そう珍しいものでは無く、石の下など暗く湿った所を探せば見つかるらしい。私は写真に撮ったものが私の初めてのコウガイビルだと思ったのだが、それまでにもたぶん何度か見ていたに違いない。子供の頃からモノをよく観察する性格では無かったので、ミミズだと思ったに違いない。
 肉食で、土壌の微生物やミミズや陸産貝を食べる。人体への害は無い。

 記:ガジ丸 2010.11.23 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行


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ミミズ

2011年05月06日 | 沖縄の動物:クモ類・その他

 悲しいのなら鳴いてみろ

 天職を得、天命のまま生き、「お前は十分お前の役目を果たした。よくやってくれた。お疲れさん。もう帰ってきていいよ。」と神にねぎらわれ、先だって天に召されていった高田渡のセカンドアルバムに、『ミミズのうた』というのがある。作詞は永山則夫。

   心ない 涙ない おまえ ミミズ
   悲しいのなら鳴いてみろ
   苦しいのなら死んでみろ

 私の畑にはミミズがたくさんいる。畑をちょこっと耕す場合には小さなヘラなどを使ってやるので、問題は無いが、天地返し(畑の土を深く掘り返す)の場合は大きなシャベルを使うので、問題が発生する。シャベルの先でミミズの体をちょん切ってしまうのだ。シャベルを土の中に深く入れる作業の4、5回に1回はミミズを切ってしまっている。健康な土壌を作ってくれるミミズ、畑にとって、その持ち主の私にとっては恩人ともいうべきミミズなのに、恩を仇で返すようなことをする。「ごめんね。悪いね。申し訳ないね。成仏してね。いい畑にするからね。」などと謝りながら作業を続ける。

  「痛ぇよ!」と、シャベルの先が当たった時にミミズが叫んでくれれば、私もすぐに手を止めて、「あーすまん、すまん。ちょっとずらそうね。」などと気を使うが、黙っているので気付きようも無い。しかし、もし、「悲しいのなら鳴いてみろ」と言って、ミミズが鳴いたとしたら、畑仕事ができなくなる。体を切られた親ミミズが「痛ぇよ、痛ぇよ」と鳴いて、親を殺された子ミミズたちが「父ちゃん(ミミズは雌雄同体なので母ちゃんでもいいが)、死んじゃあ嫌だ!」とワンワン泣いたとしたら、私はそこにいられない。良心の呵責に苛まれてしまう。悲しくても泣いたりなんかしないミミズで良かったのだ。

   おい誰か やい誰か
   おまえ ミミズ
   踏んづけられても
   黙っている阿呆な奴

 こんなとぼけた歌を、とぼけた表情で、高田渡は天国でも唄っているんだろうな。唄いながらまた、死んでもやめられない酒をたらふく飲んで、酔っ払っているんだろうな。 
 天国の高田渡を想いながら、それとは全然関係ないのだけれど、「親ミミズ子ミミズ孫ミミズ」って早口言葉にならないか?今、読み返して気付いた。

 
 ミミズ(蚯蚓)
 ミミズは環形動物門ミミズ綱の総称。方言名:ミミジャー(ミミズの総称)
 ツリミミズ科、フタツイミミズ科、フトミミズ科などに分かれ、畑や人家の近辺でよく見かけられるのはフツウミミズ・シマミミズ・イトミミズなど。文献を見てもどれがなにやら判りにくいし、種類があまりにも多過ぎて、お手上げ。
 
 ミミズ02
 ちょっと変わったミミズ、と思ったのだが・・・
 
 ミミズ03
 触るとこうなる。これはミミズには見えないが・・・
 
 ミミズ04
 畑には数種が見られ、長さ30センチになるものもいる。

 記:ガジ丸 2005.4.27 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行


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ハエトリグモ

2011年05月06日 | 沖縄の動物:クモ類・その他

 家の中の小さなクモ

 腐食した鉄筋が膨張して、その周りのコンクリートが剥がれ落ちる。そんなボロアパートに私は住んでいる。ボロアパートは台所の床もボコボコしていて、ところどころ床板が捲り上がっている。なわけで、部屋と外部との隙間があちらこちらにある。
  外部との隙間があるとゴキブリがいつでもやってきそうだが、部屋の中でゴキちゃんと出会うのは年に2、3度しかない。たぶん、殺虫剤のごきぶり団子のお陰だと思う。その効果が薄れた頃に、ゴキちゃんは侵入してくるのだと思われる。

 先週紹介したゴキブリキラーのアシダカグモは、ゴキブリがたまにしかいない私の部屋には滅多にやってこない。それはまあ、理解できる。ところが、私の部屋には小さなガやコバエ、アリなどがほぼ常時いるのに、何故だかハエトリグモがいない。不思議。
  私がハエトリグモに嫌われている、なんとことはけして無い。職場の私のデスクの周りにはほとんど常にハエトリグモがウロチョロしていて、まれには、マウスを動かす私の手にちょこんと乗っかったりもするのだ。キョロキョロ目玉の可愛い奴なのだ。
 ハエトリグモはハエだけを餌にしているわけでは無い。私は職場で、私のデスクのすぐ傍で、アダンソンハエトリがアリを捕獲する瞬間を目の前で見たことがある。その時は思わず、「おっ、やったね、お見事!」と褒めてあげた。

 
 チャスジハエトリ(茶筋蠅取):クモ目の節足動物
 ハエトリグモ科 日本全土に分布 方言名:クブ
 ハエトリグモが広辞苑にあり、蠅取蜘蛛という字があてられている。「巧みに跳び、ハエなどを捕食」ともあるので、名前の由来は字の通りであろう。
 ハエトリグモはハエトリグモ科のクモの総称で、本種もその一種。下記のアダンソンハエトリとともに、屋内でよく見かけるクモの一つ。テーブルの上から壁へ、壁からパソコンの上へとよくジャンプする。ジャンプしてハエなどを捕食する。
 体長は雌11ミリ、雄9ミリ。目が大きいのが特徴。網を張らない。

 
 アダンソンハエトリ(アダンソン蠅取):クモ目の節足動物
 ハエトリグモ科 体長:雌8ミリ、雄6ミリ 方言名:クブ
 名前の由来、ハエトリはチャスジハエトリに同じ。アダンソンについては不明。
 体長は雌8ミリ、雄6ミリで、チャスジハエトリよりやや小さいが、雄は白黒模様(雌は茶褐色とのこと、私は未確認)がはっきりしていてよく目立つ。屋内でよく見かけるクモの一つ。目立つせいか、チャスジハエトリより多いように感じる。
 網を張らず、壁や床を這い回り、ジャンプして、ハエ、アリなどを捕食する。

 記:ガジ丸 2010.3.16 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行


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アシダカグモ

2011年05月06日 | 沖縄の動物:クモ類・その他

 家の中の大きなクモ

  私の実家は築30年ほどになる。父にとっては2度目のマイホームだ。一生のうちに2度も家を建てるなんて偉いと思う。私なんぞにとっては夢のまた夢の話。三畳程度の畑小屋を建てたいと思っているが、それさえままならない状況なのである。
 父の初めてのマイホームは今と同じ場所にあり、新築のコンクリートブロック造り2階建、父が32歳の時の作。その建物に私は高校一年までと浪人の2年間住んでいた。浪人の2年間は、以前伯母が間借りしていた部屋を使った。その部屋は後から建て増したコンクリートブロックむき出しの、屋根と ブロック壁の間に隙間のある部屋、小さな台所と流しもある。私が高校二年の時に伯母が亡くなって以来空いていた部屋だ。

 アシダカグモは、『沖縄大百科事典』に「ゴキブリキラーとして有名」とあり、広辞苑にも「ゴキブリな どの昆虫をとる」とあり、私も本種がゴキブリを捕まえているのを何度も目撃している。浪人の頃、隙間の多い部屋にはゴキブリが常にうようよしていて、それを捕まえるアシダカグモも多くいて、ゴキブリキラーぶりを見ていたのだ。
 余談だが、その部屋には外との出入口があり、家人に気付かれずに出入りができた。誰かを家人に気付かれずに入れることもできた。で、初めてできた恋人を連れ込んで、彼女の処女を奪った部屋である。「おしっこしたい」、「トイレ行くと親にばれるよ」、「我慢できないよー」、「んじゃあ」、ということで、真っ裸の彼女を流しでおしっこさせた部屋でもある。浪人のくせに勉強もしないで、あー、何という青春。

 
 アシダカグモ(足高蜘蛛):クモ目の節足動物
 アシダカグモ科 関東以南、南西諸島、熱帯・亜熱帯各地に分布 方言名:クブ
 名前の由来、資料は無いが、「名は体を表す」通りの由来だと思われる。脚が長い、長いならアシナガグモで良かろうと思うかもしれないが、長い脚を折り曲げて、その膝(クモでも膝というのか知らないが)が体より高い位置にある。いかにも脚が高いのだ。広辞苑のアシダカグモの項に「家屋内の壁を疾走して」という表現があったが、脚の長い褐色のスプリンターが疾走するという印象は、私もかねてから持っている。
 屋内で多く見られるクモはハエトリグモの仲間が多いかもしれないが、本種は大きいのでよく目立ち、私が子供の頃の印象としては、屋内のクモと言えばアシダカグモであり、実家では日常茶飯に、今のアパートでも時々見かける。『沖縄大百科事典』に「ゴキブリキラーとして有名」とあり、広辞苑にも「ゴキブリなどの昆虫をとる」とあり、私も本種がゴキブリを捕まえているのを何度も目撃している。
 体長は雌23~30ミリ、雄15~21ミリ。網を張らずに、歩きまわってゴキブリなどの昆虫をとる。屋内徘徊性では日本最大のクモとのこと。屋外にもいる。
 
 横から
 
 卵嚢を抱く
 
 バッタを捕えたアシダカグモ

 記:ガジ丸 2010.2.27 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行


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チブサトゲグモ

2011年05月06日 | 沖縄の動物:クモ類・その他

 セミ撮りに使われたクモ

  子供の手に握りやすい細さの、長さ1~2mほどの竹、その先端を10センチばかり2つに割いて、先を広げ、間に10センチばかりの竹片を挟む。そうすると竹の棒の先は、一辺が10センチほどの正三角形となる。別に正三角形でなくても、一辺が10センチでなくてもいいが、とにかく、竹の棒の先に三角形の面を作れば良い。
 蜘蛛の巣を探し、その三角形の面で蜘蛛の糸を絡める。2つ、3つの巣を絡めると、三角形の面にはくまなく蜘蛛の糸が張り付くようになる。
 蜘蛛の糸がびっしり絡んだ竹の棒を持ち、今度はセミを探す。竹の棒が届きそうな場所にいるセミ を見つけたら、そっと竹の棒を伸ばし、蜘蛛の糸の絡んだ三角形でセミを捕らえる。その竹の棒を何て言っていたか思い出せないが、子供の頃よくやった遊びだ。

 竹の棒に絡める蜘蛛の巣はほぼ決まってクーバーであった。クーバーとはウチナーグチでクモの総称であるが、我々がその頃そう呼んでいたのはある一種のクモ、和名は今回調べて初めて知ったが、チブサトゲグモ。クモといえば屋内ではアシダカグモで、屋外ではチブサトゲグモしか思い出せないくらい、その頃はたくさんいた。

 
 チブサトゲグモ(乳房棘蜘蛛):クモ目の節足動物
 コガネグモ科 九州以南、琉球列島、台湾、インドなどに分布 方言名:クーバー
 名前の由来は『沖縄大百科事典』に、「腹部周縁の3対の蕀状突起は先端部がとがり乳房状である。和名はこの形状にある。」とあった。私の撮った写真を見ると確かに、根元から円錐状に盛り上がり本体、先端部でもう一段盛り上がりがあって乳輪、先端は小さな棘となって乳首みたいになっている。鏡餅のミカンが円錐になったみたいな形。
 木の枝だけでなく、人家の軒先などにも巣を張る。で、最もよく見かけたクモの一つ。見かけたと過去形なのは、私が子供のころは実家のある那覇市の市街地でも多く見たのだが、最近、実家の周辺でも、割りと田舎である私の住まいの周辺でも見ることがない。ただ、田舎に行けば、今でもよく見かけるクモの一つである。
 体長は雌10ミリ、雄4ミリ。体の色彩斑紋にさまざまな変異がある。
 

 記:ガジ丸 2010.2.15 →沖縄の動物目次
 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行


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