ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アコン

2017年09月03日 | 沖縄の草木:低木

 このHPを始めてから丸4年が経った。その間、600種近くの植物を紹介してきた。してきたが、おそらく私は、その半分も記憶に残っていない。元々忘れっぽい性格なのである。短期集中型脳味噌なのである。恋愛も短期集中型なので長続きしない。
 忘れっぽい性格だが、子供の頃から馴染みのある植物は覚えていて、また、特別変わった樹姿、花、果実をした植物は記憶に残っている。特別変わった植物については、4年の間、植物に関する図鑑に何度も目を通してきたお陰で、まだ実物を見ていないにも関わらず、脳味噌にその姿が焼き付いているのもいくつかある。

 先日、宮崎から友人のIが訪ねてきた時、海洋博公園の、全国的に有名であり、人気もある「ちゅら海水族館」へ案内した。「ちゅら海水族館」は、私は数度観ているので、彼一人中へ入り、その間、私は海洋博公園の散策に充てた。
 ツマベニチョウを見つけ、その近くでギョボクを見つけた。ソテツを枯らしているということで話題となっているクロマダラシジミも見つけ、ナガサキアゲハの写真も撮れた。そんなこんなしながら1時間余りも歩いた辺りで、カバマダラ、オウゴマダラ、アサギマダラ、ツマムラサキマダラなどが乱舞している景色に出くわす。
     
 そこで、最も私の目を引いたものは乱舞する蝶では無く、一本の木、その花。まだ実物を見ていないにも関わらず、脳味噌にその姿が焼き付いているものの一つ、アコン。
 近付くとその葉にはカバマダラの幼虫がたくさんたかっていた。花の蜜は蝶たちのご馳走になり、葉は幼虫の食い物となる。何とも世の役に立っている植物であった。
 
 アコン:添景・生垣
 ガガイモ科の常緑低木 インド~東南アジアに分布 方言名:なし
 亜紺などという漢字を充てたくなるが、アコンの名前の由来は不明。学名でも無ければ英名でも無い。おそらく、インド~東南アジア辺りの現地語だと思われる。別名をクラウンプラントというが、これは英名のCrown plantから。英名の由来は、花が王冠にみえることからきている。ちなみに、学名はCalotropis gigantea (L.)。
 高さは3mほど。萌芽力が強いので適宜の剪定を要するが、庭の添景や生垣に向く。陽光地を好み、多湿を嫌う。樹液は有毒。カバマダラの食草となっている。カバマダラの食草と言えばトウワタが有名だが、トウワタもガガイモ科(別属Asclepias syriaca L.)で有毒、有毒のものを食べるカバマダラも有毒。
 花は王冠形をしている。開花期は7月から11月、花色は、よく見るのは淡紫だが、白花種もあるとのこと。枝から繊維が採れ、種子から綿が採れる。
 インドではシヴァの神への供花とし、ハワイではレイの材となっているとのこと。
 
 花
 
 白花

 記:島乃ガジ丸 2008.10.15 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行


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アカリファ

2017年09月03日 | 沖縄の草木:低木

 ウチナーグチ(沖縄口)ではアキシャマヨー、ハッサミヨーのように語尾につくヨーは感嘆を表し、また、「デージヱーキンチュヤンディドー アヌイキガ ガヨー」は「とても金持ちらしいよ、あの男、がよ」と訳されるが、この場合の「ヨー」は和語同様に強調の意味で使われる。「よ」で終わるより「ヨー」と伸ばした方が強調が強い。
 「ウリガヨー 瓜ヤンドー」(これこそが瓜だよ)、「ワンガヨー、イン(犬)ヤンドー」(俺こそが犬だよ)なども同じく強調の意味の「ヨー」である。そういった「ヨー」の使い方に慣れている私は、アカリファの方言名を見て、困惑した。ファーヨーと言う。ファーはおそらく葉のこと。その後の「ヨー」が不明。
 「なんと葉っぱでしたか!」、「葉っぱかよー!」、「これが葉の中の葉だ!」などと考えられるが、きっとどれも違うであろう。正確なところは不明。
 
 アカリファ(明葉):添景・生垣・鉢物
 トウダイグサ科の常緑低木 原産分布は熱帯亜熱帯各地 方言名:ファーヨー
 アカリファは属名。『沖縄園芸植物大図鑑』に明葉という字があてられていた。多くの品種があるが、公園や街路樹でよく見かけるものは以下の2種。

 
 ニシキアカリファ(錦明葉):添景・生垣
 基本種であるAcalypha Wilkesiana mvell Argからの園芸品種ということで、本種の学名はAcalypha Wilkesiana Mueller-Aargau cv.'Musaica'。
 高さは3mほど。大きく波打った葉を密につけるので、良く手入れをすればこんもりとした形になる。ただし、成長が速く、放っておくと樹形は乱れやすい。また、強風に弱く台風の被害も受けやすい。陽光地を好む。花は特に目立たない。開花期は4~6月。
 
 花

 
 キフクリンアカリファ(黄覆輪明葉):添景・生垣
 学名はAcalypha godseffiana Masters。
 高さは2mほど。ニシキアカリファと同じく、葉は波打ち密につく。その他の性質も同じで、陽光地を好み成長は速い。枝が細く柔らかいので強風に弱い。樹形が乱れやすい。よく管理されたものは、緑量が多く、こんもりと茂って美しい。
 
 花
 なお、ベニヒモノキもアカリファ属だが、どの文献にも別途で紹介されてあるので、ここでも別扱いとする。

 記:島乃ガジ丸 2006.7.12 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


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アオガンピ

2017年09月03日 | 沖縄の草木:低木

 アオガンピとミズガンピ、どちらも海岸近辺に生育し、名前もよく似ている。が、アオガンピはジンチョウゲ科でミズガンピはミソハギ科。ガンピはジンチョウゲ科の落葉低木で、アオガンピと同じく黄色い花が咲く。ミズガンピは白い花。
 ミズガンピは既に2年前に紹介している。写真はその半年前に撮っている。実はそれまで、アオガンピとミズガンピは同じ仲間だと思っていた。で、二つを一緒に紹介したいと思い、アオガンピをずっと探していた。半年経っても見つからなくて、結局ミズガンピを単独で紹介したのだが、その時に、両者が違う科であることを知った。
 半年も探していたお陰で、アオガンピの姿形は図鑑の写真からすっかり頭にインプットされた。なので、それ以降も海辺へ行く機会があった際は、常にアオガンピを気にかけていた。ところが、それから2年経ってもまだ出会えずにいた。
 先月(2010年2月)、金曜日の職場から車で10分ほどの場所にある公園を散策した。その公園は、東西の位置としては少々太平洋寄りだが、沖縄島のほぼ中央、海からは離れている。しかしそこで、全く予期していなかったのだが、アオガンピに会えた。
 沖縄島は細いので、ほぼ中央といっても、海から数キロでしかない。それに、アオガンピだって「海辺じゃなきゃあ嫌だ」ってほど頑固でもないのであろう。
 なお、ミズガンピの実は食べられるが、アオガンピの実は毒があるとのこと。
 
 アオガンピ(青雁皮):盆栽・添景・防潮風
 ジンチョウゲ科の常緑低木 沖縄、台湾、他に分布方言名:イシクルチャ、バウキ
 花が青いから青なのかと思ったら花は黄色、実が青いのかと思ったら実は赤色。ガンピという植物がある。それに比べてどこかが青いのか?などと考えていたら、『海岸植物の本』に「樹皮の模様が青雁(鳥の名)ににているところから」と由来があった。
 ガンピは上質和紙の材料として有名なジンチョウゲ科の落葉低木。本種もまた和紙の材料となり『海岸植物の本』に「和紙の王様と呼ばれている」とあった。
 高さは1mほど、多く分枝し灌木状となる。庭木としては、樹形が乱れやすいので適宜刈込む必要がある。海岸の岩場に自生し、耐潮風性は強い。海岸緑化に向く。
 小さな花が枝先に集まる。色は黄色、開花期は7月から12月。花後の実も赤く、観賞価値がある。結実期は11月から3月。ガンピ同様、樹皮の繊維は和紙の原料。
 分布は上記の他、フィリピンなど。方言名は上記の他、プカジィ(宮古)とも。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2010.3.7 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行


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