12日から14日の連休を利用して埼玉在の友人Kが沖縄に遊びに来た。その滞在中、彼は「大学の大先輩Aさんと過ごす」というので私は彼と会う予定は無かった。ところが14日、東京が大雪で飛行機が飛ばないかもしれないとのことで彼は帰京を断念し、その日も沖縄となり、で、会うこととなってその夜、一緒に飲みに行った。
Kが今回、当初の予定であったホエールウォッチングを変更してまでAさんと過ごすことになったのには大きな理由があり、もう一つ、そのついでの小さな理由もあったとのこと。大きな理由は私もよく理解できることなのでここでは省略する。
さて、私のよく理解できない小さな理由。彼は、Aさんの不興を買って私が長く(一年ちょい)Aさんと不通であることを知っており、で、私とAさんの仲を取り持とうとしたらしい。大きなお世話だ。「お節介め」と私は思ったが、その話を聞いた元美人妻Iさんも、心は美人妻E子も私と同意見であった。Kとしては善かれと思っての親切心なので、気持ちは有難い。が、事前に相談して欲しかった。「NO!」と答えただろうに。
じつは最近、私もまた「善かれ」と思ってやって、余計なこととなってしまったことがある。ただ、それは人に対してでは無く、畑の我が野菜に対して。
去年(2012年)、相次ぐ猛烈最強台風に襲われて、沖縄の農家は甚大な被害を蒙ったが、台風は、無農薬農家にとっては都合の良いこともしてくれた。
「今季はキャベツやブロッコリーの植付けチャンスだ」と無農薬有機農家のTさんが言う。「何で?」と訊くと、「台風で産卵されたモンシロチョウの卵が吹き飛ばされ、今季はモンシロチョウの被害が少ないからだ」とのこと。そういえば確かに、いつもなら畑に多くが飛び交っているモンシロチョウの姿が見えなかった。
ということで、昨年10月下旬、私も少しだがキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどを、小さな方の宜野湾の畑に植えた。同じ一角にレタスやハクサイ、ピーマン、ナスなども植え、万が一のための虫除けネットを被せた。
その虫除けネットが「お節介」であったのだ。モンシロチョウはほとんどいない(少しはいて、まれには飛んでくる)のにネットを被せた。よって、確かにモンシロチョウの幼虫による被害はまったく見えなかった。例年なら虫食いだらけになるキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーの葉はみなきれいであった。ところが、
12月21日、八百屋に出しても恥ずかしくない程大きく育ったレタスを収穫した。表面の見た目も虫食いは無くきれい。ところが根元に小さな虫が少しいた。外側の食用に向かない葉を数枚剥くと同じ小さな虫がうじゃうじゃと出てきた。
うじゃうじゃは、レタスを持ち帰って葉を1枚1枚剥いて行く間もずっと続いた。どこまでもどこまでも虫はいた。大きなお節介であった防虫ネットの網目は、モンシロチョウが入りこめないほどではあったが、小さな虫なら出入り自由の大きさだった。
これまで何度かレタスを育てたが、このように虫が付いたのは初。ネットをしていなければ他の虫や鳥が食べていたのであろう。全く、余計なことをしたものである。そういえば、「少しの虫は鳥が食べてくれるのでネットはしない」とTさんが言っていた。
記:2013.1.25 島乃ガジ丸