ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ナカジロシタバ

2017年08月04日 | 沖縄の動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 知られざる敵

 私はこれまでたくさんの動植物(約1300種)をガジ丸の島で紹介しているが、子供の頃から記憶力の弱い私はたぶん、その内の三分の一も覚えていない。植物の方はそこに立っていて、何度も目にすることができるのでその半分近くは何とか記憶に残っているかもしれないが、動物の、特に昆虫の方は動いていて、何度もお目にかかるということは少ないので、その多くが私の、物覚えの悪い脳味噌に記憶されていない。

 今回紹介するナカジロシタバ、写真を撮ったのは2014年7月6日午前7時27分、その日その時、私は畑にいた。その時が初めましてで、蛾の類であろうとは判ったが、もちろん、その時に何者かは知らない。後日、図鑑を見て何者かが判った。
 調べると、「幼虫の食草はサツマイモ」とある。「ぬゎにーっ!サツマイモを食うだとーっ!」と、説明文(下記の文章)を書きながら思った。サツマイモの害虫としてはイモゾウムシ、アリモドキゾウムシがよく知られているが、他にもいたわけだ。
 サツマイモの敵ということは、自給自足芋生活を目指している私にとっても不倶戴天の敵である。「蛾にも注意しないといけないなぁ」と気付かされ、「コイツのことは覚えておかなければ」と思ったのだが、しかし、全く記憶から失せていた。
 
 ナカジロシタバ(中白下翅):鱗翅目の昆虫
 ヤガ科 本州から南西諸島、アジア、他に広く分布 方言名:ハベル(ガの総称)
 名前の由来、資料が無く正確には不明だが、おそらく見た目から。中白下翅と漢字を充てたのは私の想像。中白は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「後翅は黒褐色で基部から中央にかけての部分が白色」とあり、シタバはその「後翅は」からで、ナカジロはその「中央にかけて白色」から。つまり、「下翅(後翅)の中(中央)が白い」ということ。
 「沖縄や東南アジアではサツマイモの害虫として知られている」(沖縄昆虫野外観察図鑑)とのこと。詳細は書かれていないが、おそらく、幼虫が葉を食害するのではないか。同書には「幼虫の被害は5~6月に最も多い」ともあった。
 前翅長15~17ミリ。成虫の出現は3月から11月。幼虫の食草はサツマイモ、ノアサガオ。私の写真は7月の朝、畑のバナナの葉、その上に止まっていた1匹。

 記:ガジ丸 2017.7.22 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田晴夫他著、株式会社南方新社発行


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チャモンキイロメイガ

2017年07月21日 | 沖縄の動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 滅多に会えない

 撮った写真のプロパティーを見ると、撮った日時が判る。ここで紹介するチャモンキイロメイガは2011年6月25日、午後1時50分と日時がある。その日その時間、どこで何をしていたかは日記を調べると判る。宜野湾の従姉の夫の事務所に私はいた。
 何をしていたか?・・・サーバーの容量が足りなくなったHPから、記事をブログに移す作業をしていた。その日はガジ丸の動物記事の移動作業をしていた。
 それから丸6年経った2017年6月7月も「記事をブログに移す作業」をしている。面倒な作業だったことを思い出し、時間がかかったことを思い出し、嫌になる。

 チャモンキイロメイガの写真を見るとその背景はタイルである。従姉の夫の事務所の外の敷タイルの上で、たぶん、くたばっていた個体。文献を見ると(下記に詳細)「幼虫の食草はまだ不明」ということから個体数は少ないと思われる。2011年6月25日に見て以来6年経っているが、街中にある従姉の夫の事務所より昆虫類はずっと多く生息している私の畑の周囲でも、その後一度もお目にかかっていない。
 滅多に会えない蛾、推測すれば、本種は夜間活動性のガで、昼間人前に出ることは滅多にない。2011年6月25日は台風の強風圏から抜けた日、夜間に強風のせいで何らかの事故にあい、タイルの上でくたばってしまったのだと思われる。

  
 チャモンキイロメイガ(茶紋黄色螟蛾):鱗翅目の昆虫
 メイガ科 屋久島以南の南西諸島、台湾、他に分布 方言名:ハベル(ガの総称)
 名前の由来、資料が無く正確には不明だが、おそらく見た目から。コウセンポシロノメイガの頁にも書いたが、メイガ(螟蛾)は「メイガ科に属するガの総称。特に、髄虫の羽化したガ」(広辞苑)のことで、メイ(螟)一字でズイムシ(髄虫、螟虫とも書く)を意味している。ズイムシは「草木の茎・枝などの髄に食い入る昆虫の幼虫の総称」(同)。チャモンキイロについては『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「和名のとおり茶色の紋を持つ黄色のメイガである」と記載があったので、茶紋黄色で間違いないはず。
 平地から山地にかけて生息している。前翅長13ミリ内外。成虫の出現は4~11月。私の写真は宜野湾市の住宅街、台風の強風圏から抜けた6月の昼間。私が見たのはそれ1回切りで、個体数は少ないと思われる。「幼虫の食草はまだ不明である」とのこと。

 記:ガジ丸 2017.7.13 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田晴夫他著、株式会社南方新社発行


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ウスオビヒメクチバ

2017年07月14日 | 沖縄の動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 自然いっぱいの畑で

 300坪の畑ナッピバルを始めたのは2012年の夏、ナッピバルの北隣はウージ(サトウキビ)畑、南隣りはキャベツ畑、東隣りは元バナナ畑の原野、西隣りは道路を挟んで墓が点在する原野となっている。東南方向へ行くと民家の建ち並ぶ街となるが、北から南西方向は広く墓地や畑、原野となっている。そんな環境なので自然はいっぱい。
 植物も動物もいっぱいの環境で、既に850種以上も紹介している植物はともかく、動物は、わざわざどこかへ出掛けなくても「初めまして」の者によく出会う。動物の中でも昆虫にはたくさん出会って、写真を撮っている。そしてたまには、図書館から借りた図鑑と見比べて、写真の者が何者であるか判明させる作業をやっている。

 過日、パソコンの不明写真フォルダの、動物フォルダを覗いたら、何者か不明の者は昆虫の中でも蛾の類に多く約80種、判明写真フォルダにも蛾は多く約20種。それらのうち、ナッピバル周辺で撮ったものは不明が約50種、判明が約10種あった。
 じつは、写真は撮れていないが、蛾にはまだ多く会っている。この先も出会って、次の機会には写真が撮れるかもしれない。「不明が増えるなぁ、調べなきゃ、調べたら判明が増えるなぁ、記事書かなきゃ」ということで、先々週のツマキモンシロモドキから始まって、しばらく昆虫の紹介が続く。第二弾はウスオビヒメクチバ、去年6月、畑で発見。
 
 ウスオビヒメクチバ(薄帯姫朽葉):鱗翅目の昆虫
 ヤガ科 本州から南西諸島、他に分布 方言名:ハベル(ガの総称)
 名前の由来、資料が無く正確には不明だが、おそらく見た目から。ナタモンアシブトクチバの頁にも書いたが、クチバと名のつく蛾は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に載っているだけでもヤガ科に17種ある。そのどれも翅色が赤褐色とか黒褐色とか灰褐色とある。~褐色というその色が朽葉に喩えられているのではないかと想像する。ウスオビを薄帯としたのも私の想像、翅底に縦に走る薄い暗色紋がありそれが薄帯。姫は小さいことの喩え。
 平地性のガ、ヤガ(夜蛾)科だが昼間も遭遇する。『沖縄昆虫野外観察図鑑』には「植物の根際などに止まる」とあったが、私は葉の表で1度、ノゲシの蕾の上で1度会っている。いずれも6月梅雨時の、梅雨の晴れ間の明るい昼間。
 前翅長21ミリ内外。成虫の出現は3月から11月。沖縄での食草は確認されていないとのこと。「本土ではイネ科につくという」(沖縄昆虫野外観察図鑑)とのこと。
 
 蕾の上で

 記:ガジ丸 2017.6.26 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田晴夫他著、株式会社南方新社発行


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ツマキモンシロモドキ

2017年06月30日 | 沖縄の動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 学者の大変

 モンシロモドキは普通に見られるらしいが、その近い親戚のツマキモンシロモドキは稀にしか見られないらしい。私がもしも昆虫学者で蝶の類の専門家なら、その稀なツマキモンシロモドキにもしばしばお目にかかっていたかもしれない。学者で無い私は、わざわざ蝶を探したりはしない。日常の生活の中で、あるいはたまたま訪れた公園などを散歩している時に偶然出会った虫たちの写真を撮っているだけ。そんな私が、「稀」というツマキモンシロモドキに4回も会っている。しかもその内の3回は自分の畑ナッピバルで。
 稀のツマキモンシロモドキ、ナッピバル周辺に棲息しているかもしれないが、稀らしく私が参考にしている文献には本種を紹介しているものがなく、図書館から借りた『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』に載っていた。稀らしく、出現時期も不詳とあった。

 出現時期というのを改めて考えると、学者は大変だと思った。私の近場にいるツマキモンシロモドキではあるが、もしも私がツマキモンシロモドキの出現時期を調べ、それを確定するためには、常にツマキモンシロモドキの姿に気を付けていなければならない。そんなこと無理。よって、私は学者にはなれない。いいのだ、農夫だ私は、それで満足。

 
 ツマキモンシロモドキ(端黄紋白擬き) 方言名:ハベル(ガの総称)
 ヒトリガ科 九州~沖縄に分布 方言名:ハベル(ガの総称)
 名前の由来、モンシロモドキの頁で「ヒラヒラと飛んで、花に止まったりする・・・チョウに似ていて、全体に白っぽいのでモンシロモドキという名前になったのであろう」と書いたが、たぶん、当たっていると思う。ツマキは体の尻が黄色いからであろう。
 モンシロモドキと同じく昼間活動するガ。花にとまって吸蜜もする。食草のウスベニニガナはあちこちにあるが、『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』に「まれ、偶産蛾」とあった。私は2011年12月、2013年11月と12月、2014年11月、さらに2016年6月と8月に見て、写真を撮っている。参考文献に記載が無く出現時期は不詳だが、私の写真から判断すれば6月から12月となる。
 体長20ミリ。成虫の出現時期は不詳。幼虫の食草はウスベニニガナなど。
 ちなみに学名、
 モンシロモドキ Nyctemera adversata
 ツマキモンシロモドキ Nyctemera lacticinia
 ということで、同属だが種は違う。
 
 体の端が黄色。
 
 葉上で交尾
 ちなみに、下はモンシロモドキ。
 

 記:ガジ丸 2017.4.2 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田晴夫他著、株式会社南方新社発行


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カバタテハ

2017年06月16日 | 沖縄の動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 油のカバ

 2014年10月から始めたブログ移動、及び修正作業は1年と3ヶ月をかけてやっと終了したが、その際、「あれ、旅日記を紹介していない」ことに気付いた。
 2011年八重山の旅から、2012年伊平屋伊是名の旅、同年粟国島の旅、同年宮古諸島の旅を紹介していない。で、さっそく書き始め、2016年にアップする。
 2011年八重山の旅を書いている時、「あれ、この写真紹介していない」ということにもたくさん気付いた。まだガジ丸HPで紹介していない動物、植物の写真がたくさんあった。今回紹介するカバタテハもその1つ。

 カバタテハは八重山の旅、石垣島のバンナ公園で出合った。写真を1枚撮っただけですぐに遠くへ逃げてしまい、撮った1枚の写真もボケてしまっているが、旅から帰って調べると、カバタテハだと判った。カバタテハを逆から読むとハテタバカ、「果てた馬鹿」となる。「俺が死んだらそう言われるかも」と、名前はすぐに覚えてしまった。
 名前からもう1つ覚えたことがある。カバタテハの食草はヒマ、ヒマはその種子からヒマシ油を採る植物、ヒマシ油は下剤として使われるもの、私も子供の頃に何度か見ていて知っている。ということから、「油のカバがするチョウ」として、カバタテハの食草がヒマであることも覚えた。カバとはウチナーグチ(沖縄語)で「香り」という意味。

 カバタテハ(蒲立羽):鱗翅目の昆虫
 タテハチョウ科 台湾、中国南部、インド、東南アジアなどに分布 方言名:ハベル
 名前の由来、タテハについては広辞苑に立羽と漢字表記があり「止まると翅を立てる」から来ていると思われる。カバについては、資料はないが、蒲色が広辞苑にあり「赤みをおびた黄色」のこと。本種の翅の色がそのような色をしているからだと思われる。
 分布に日本が入っていないが、日本では迷蝶とのこと。『沖縄昆虫野外観察図鑑』によると、八重山で見られるのは台湾亜種で、「1982年以降増え続け、西表、石垣、竹富などで発生を続けている」とある。同書は1996年の発行、それから20年、地球温暖化が進んでいる今では八重山に分布していると言っていいかもしれない。
 前翅長は25ミリ内外。成虫の出現、八重山では5月から12月。食草はヒマ。ヒマとはトウゴマの漢名で、トウダイグサ科の一年草。ヒマシ油を採るため栽培される。

 
 成虫
 
 記:ガジ丸 2017.4.12 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行


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