ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

シマイズセンリョウ

2017年10月06日 | 沖縄の草木:低木

 伊豆といえば『伊豆の踊子』がすぐに思い浮ぶ。川端康成作の小説であることも知っている。観てはいないが、山口百恵主演で映画化されたことも知っている。山口百恵の顔が思い浮ぶ。イイ女だった。見た目だけでなく心も美人であろうとその顔から想像された。彼女と結婚したら幸せな人生を送れるだろうなと想像できた。目に浮かんだその顔はもう40年くらい前の顔、私の青春の頃、ついでにその頃を思い出す。あー懐かしや。

 17、8年前、伊豆を旅したことがある。修善寺温泉に一泊した。夕方まで宿の近辺を散歩、修善寺の町並みは私の好みだった。夕飯前には宿に戻り、美味いものを食い、美味い酒を飲み、ゆったりと星空を眺めながら露天の湯に浸かり、日頃の疲れが全部流されたような癒しの旅となった。そして、癒しの最後にマッサージを頼んだ。
 マッサージ師は若い女の人だった。しかも可愛い人だった。オジサン(私)は、柔らかい手で身体を揉みほぐされて幸せであった。「あぁ何てラッキーなんだろう」と思った。マッサージが終わって暫く話をした。「明日、案内します」と彼女は言う。一般には公開されていない修善寺の本堂の庭を案内してくれるという。彼女は禅をやっていて、住職と知合いなのだそうだ。「あぁ何てラッキーなんだろう」と思った。
 伊豆といえば、そんなことも思い出した。翌日、彼女に修善寺の本堂を案内されて、さらに多くを語りあったのだが、その頃既にオジサンとなっていた私には『伊豆の踊子』のようなラヴストーリーは生まれなかった。可愛かっただけに、今思うと残念。
 ※修善寺は「静岡県伊豆市の地名。伊豆半島北部の温泉地。」(広辞苑)
 
 シマイズセンリョウ(島伊豆千両):添景
 ヤブコウジ科の常緑低木 九州南部以南~南西諸島、他に分布方言名:ミラシンクヮ
 名前の由来、近縁種にイズセンリョウがあり、イズセンリョウは広辞苑に伊豆千両と漢字表記があって「ヤブコウジ科の半蔓性常緑低木。東海以西、特に伊豆山神社に多いので命名」とのこと。センリョウについては、ガジ丸HPのセンリョウの頁に私の推測を述べている。「(センリョウの)名前はおそらくおめでたい名前。赤い実が縁起の良いものとして金千両の価値があるということなのであろうと思われる。」とのこと。頭に島が付いているのはその分布が「九州南部以南~南西諸島」だからであろう。
 分布は上記の他、台湾、中国南部ともある。近縁種にイズセンリョウがあり、関東南部~九州、沖縄島に分布する。本種の葉は波状鋸歯縁が荒く目立つが、イズセンリョウの葉は鋸歯の切れ込みが低いか、または全縁とのことで、判別はできるとのこと。
 低地や山地の林内に生育し、高さ1~3m、分枝が多く、横に広がる。花序は腋生で、長さ3~6センチ。花柄がいくつもに分かれ鐘形の花が多数つく。花色は白、開花期についての資料はないが、文献の写真は3月で私の写真も3月。果実は球形で白く熟す。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2017.9.16 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行


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ルリマツリ

2017年09月17日 | 沖縄の草木:低木

 このホームページの「沖縄の草木」では、草木を「主木高木」、「中木添景」、「低木」、「蔓蔦」、「街路公園」などに分類しているが、その分け方に確固とした理由があるわけでは無い。概ねそういう使い方が多かろう、良かろうという気分で分けている。
 主木にするか添景にするかは、その庭の主の感性によって決まると言っていいし、街路公園に分類された大木でも、広い庭でなら主木にしたり添景にしたりできる。雑木雑草に分類されたものだって、管理のしようによってはグランドカバーに使えたりする。
 蔓蔦植物の場合は、その性質が特異なので、壁面緑化や、パーゴラ、フェンスに絡ませて”面”の景色とする使い方となる場合が多い。しかし、中には刈り込んで玉作りや、生垣などに利用されるものもある。これまでいくつかの植物を蔓蔦にするか、低木、あるいは添景にするかでちょっと悩んで、コインを投げるようにして決めたものがある。
 何ていい加減な!と思われる方はおそらく、このHPの記事をそう多くは読んでいらっしゃらないのであろう。全体的に南国特有ののダラーっとしたいい加減な雰囲気で、私は書いているので、学問的に信用できる立派なものではないという自信を持っている。ただ、言わせてもらえば、植物を愛でるのは学問では無く、感性である。感性は人それぞれ違うのだが、一般の人よりはいくらか植物に触れる機会の多い私の感性は、学問的にでは無く、植物を愛でるときの参考には、ある程度なれるのではないかと思うのである。
 以上はもちろん、できない男の言い訳。ということで、以下に続く。

 ルリマツリもまた、半ツル状の性質をもつ植物で、フェンスにからませているのもよく見たりするが、コインを投げた結果、これは低木とした。
 
 ルリマツリ(瑠璃茉莉):添景・生垣・壁面
 イソマツ科の半ツル性常緑低木。原産分布はアフリカ南部。方言名:無し
 陽光がよく当り、排水良好な環境を好む。半ツル性となるので、フェンスに這わせて壁面緑化として使え、単独で庭のアクセントにも使える。細い茎は2~4mまで伸びるが、下垂し、高さは1mほどにしかならない。しかし、伸びた枝が込み合い、見苦しくなるので、添景として用いる場合は花が終わった後に剪定する。
 夏の暑い盛りに薄い水色の涼しげな花を多くつける。開花期は7月から11月。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2005.7.31 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


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ルリハナガサ

2017年09月17日 | 沖縄の草木:低木

 風邪を引いてしまった。先週月曜日(2月15日)のこと。症状は軽かった。喉が少し痛くて、体が少しだるい程度。三日目には喉の痛みは治まった。しかし、その代わりみたいに、鼻水が止まらなくなった。酒を飲むと鼻水も少なくなったが、酒が覚めてくると再び出だす。ベッドの傍のテーブルの上に洟をかんだティッシュが山となった。
 「ベッドの傍のテーブルの上に洟をかんだティッシュが山となった」状態は、翌週の木曜日の朝まで続いた。おそらく1箱分はティッシュを使っている。
 で、私の鼻は今、ウチナーグチ(沖縄口)で言うところのハナハギーになっている。ハナハギーとは鼻が剥げているという意味で、かみ過ぎて、鼻の穴周辺の皮が剥げてしまっている状態を言う。剥げた箇所はそのうちかさぶた状となる。このかさぶたのことをアカハナガサと言う。沖縄語辞典には無い、私の思い付いた造語。

 今回紹介するのはルリハナガサ、漢字で書くと瑠璃花笠となる。美しい字面だ。ルリハナガサは見た目もきれいである。それに比べ、私が思いついたアカハナガサは、漢字で書くと赤鼻瘡となる。もちろん見た目も汚い。今、私の鼻はアカハナガサとなっていて、写真を撮り、「なるほど」と納得して貰うこともできるのだが・・・止す。
 
 ルリハナガサ(瑠璃花笠):添景・花木
 キツネノマゴ科の常緑低木 インド原産 方言名:なし
 名前の由来は資料が無く不明。であるが、花の咲いている姿を見て、おそらくこうであろうと想像は容易にできる。苞が重なっている穂の形が笠に見える。その苞から可愛い花が顔を出している。で、花笠。ルリ(瑠璃)は花の色から。
 いくつかのサイトに「別名ブルーセージ」とあったが、私が参考にしている文献にその名は無かった。学名を見るとEranthemum pulchellum Andrewsとある。エランセマム(多くのサイトではエランテムムと表記)という名は見たことがある。エランセマム・キューエンセという名の植物があることを、実物は見たことが無いが、知っている。
 高さは1~2mになるらしいが、私が見たのは30センチていど。小さかったせいでもあろうが全体に柔らかく、初めは木(木本)では無く、草(草本)だと思った。で、写真を撮ってから何者か判明するまでに時間がかかった。。
 葉腋から長さ10センチほどの穂状の花序をだし、重なり合った苞から花を咲かす。花は苞の下方から次々と開く。青紫色、開花期は冬~春。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2010.2.23 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行


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リュウキュウハナイカダ

2017年09月17日 | 沖縄の草木:低木

 2007年はノスタルジーの年となっている。先週(2月18日)、私の青春の音楽である”いとうたかお”ライブに出かけ、楽しい時間を過ごした。その前、1月には高校一年のクラス会があり、古い友人たちと会い、往時を懐かしむ。2月はまた、高校三年のクラス会があり、同様にして往時を懐かしむ。
 クラス会で、オジサンオバサンたちは往時を懐かしむ他、「息子が東京の私立大学に入って、仕送りが大変」だの「娘が結婚した」だの「もう孫ができた」だの、家族の幸せな話もする。そしてまた、「肝臓が」、「胃が」、「腎臓が」、「腰が」、「肩が」など肉体の衰えの話も多い。「白髪が」、「禿が」など見た目の衰えの話も含まれる。
 体の疾患はまだ少数派で、見た目の衰えには個人差があるが、皆が一致して衰えを感じているものがある。脳である。物事が思い出せない。物事をすぐ忘れるなどの衰え。その夜も「ほら、留年して一緒のクラスになった人、名前何だっけ?」との問いに、12人のクラスメートの脳味噌がフル回転して、思い出すのに十数分費やした。そうなのである。脳は衰えるのである。脳廃る爺は私だけでは無かったのである。

 花の写真を撮るために、私はたびたび樹木の多くある場所を散歩する。末吉公園と琉球大学キャンパスが最も多い。もう一年ほど前になるが、植物の開花期を表にしたプリントを作った。樹木の種類は私が見たことの無いものを中心に100種ほど。末吉公園と琉球大学キャンパスを歩く際はそれを手にしながらと予定していた。だが、一年経ってもまだそれを実行していない。散歩はしているが、プリントを忘れるのである。
 先日、従姉の別荘でハナイカダを見たときに、「そうだ、開花期のプリントがあったんだ。」と思い出した。ハナイカダは花のつく場所が独特で、写真に撮りたいと思っていた植物の一つであった。プリントに記載していた。で、プリントを思い出した。
 家に帰ったらプリントを探して、バッグの中に入れておこうと決める。が、それもまた忘れ、今、これを書こうと思った時に思い出した。で、さっき、そのプリントを探した。が、どこにしまったかを思い出せない。さすが、脳廃る爺なのである。
 
 リュウキュウハナイカダ(琉球花筏):添景・鉢物
 ミズキ科の落葉低木 奄美、徳之島、沖縄などの固有種 方言名:トリフク(奄美)
 花の付き方が特異で、葉の表中央につく。名前の由来はそこからで、広辞苑に「葉の上面の中央に淡緑色の小花をつけ、これを、花を乗せた筏に見立てる」とある。
 山地に自生する。『沖縄植物野外活用図鑑』には「高さ3~4m」とあるが、『琉球弧野山の花』には「高さ1~2m」とある。生育する場所によって、そのような違いがあるのだろう。開花期についての記載がどの文献にも無い。文献の写真は2月、私が見たのは1月と2月。葉の表中央に2個、淡い緑色の小さな花をつける。
 本土に自生するハナイカダの亜種となっている。ハナイカダは北海道南部以南に自生、本種は奄美、徳之島、伊平屋、沖縄の固有種。ちなみに両者の学名は、
 ハナイカダ:Helwingia japonica
 リュウキュウハナイカダ:Helwingia japonica subsp.liukiuensis
 
 花

 ハナイカダ(花筏)
 ミズキ科の落葉低木 北海道南部以南~九州に分布
 広辞苑に「別名ママコノキ」とある。葉の表に咲いた花が継子の様だということか。
 山地に自生。高さは2~3m。開花期は晩春から初夏。若葉は食用。

 記:島乃ガジ丸 2007.2.23 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行


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リュウキュウアセビ

2017年09月17日 | 沖縄の草木:低木

 このHPで500種ほどの草木を既に紹介しているが、しかし、身近な草木だけでも、その数は私の想像をはるかに超えるほど多い。ゴールは遥か遠くにある。
 身近にある草木には、まだ何物か判明していないものが多くある。また、名前はよく聞いているが、その姿を探せずに、紹介できていない草木もいくつかある。

 図鑑でその特徴ある姿を見ていて、実物を見ればすぐにそれと判るであろうという草木もいくつかある。花の付き方、形が独特であるリュウキュウアセビもその一つ。
 リュウキュウアセビは本土にあるアセビの亜種で、基本種と見た目はほとんど同じ。リュウキュウと名が付く位なので沖縄に自生している。沖縄島での自生地は主に北部。酸性土を好むとのことで、そうなっている。私の住む那覇近辺はアルカリ土質なので、なかなかお目にかかる機会がないのである。イジュやアデクなどと同じ。
 同じく酸性土を好むツツジもまた、沖縄島では北部に自生する。しかし、ツツジは中南部でもよく見かける。植栽土壌を赤土にしたり、鹿沼土を混ぜたりして酸性土にしているのだ。その方法でリュウキュウアセビ、イジュ、アデクなども育ちそうなものだが、それらはより一層酸性土を好むということなのかもしれない。詳細は不明。
 ところが、近所の民家でリュウキュウアセビを見つけた。鉢植えである。たぶん、鉢の土全てを酸性土にしているのであろう。よく育っていて、花も多く付けていた。
 それにしても、その大きさからいって、その鉢植えのリュウキュウアセビは、少なくとも数年前からそこにあったと思われる。その家の前を私は数年前からおそらく4、5百回は通っている。なのに、それまでまったく気付かなかった。花が咲いていれば目立ってもいたはずなのだ。どうも、私の目は節穴みたいである。そうとは思っていたが。
 
 リュウキュウアセビ(琉球馬酔木):添景・鉢物
 ツツジ科の常緑低木 奄美以南の琉球列島に分布 方言名:不詳
 本土に自生するアセビの学名がPieris japonica subsp. japonicaで、本種の学名が
Pieris japonica D. Don ssp. koidzumiana Hatusimaとなっているので、両者は亜種関係となる。アセビは広辞苑にあり、「牛馬が食うと麻痺するというので馬酔木と書く」とあった。本種は奄美以南の琉球列島に分布するので、リュウキュウと付く。
 奄美以南の琉球列島に分布し、琉球列島の固有種である。さらには、別名をオキナワアセビともいう。琉球列島の固有種で、リュウキュウとかオキナワとか名が付いているのに方言名が無い。・・・ことは無いだろうと思うが、参考文献には無かった。
 枝先近くの葉脇から花序を出し、小さな白色の花が多く房状につく。1個の花は鈴状の形をしていて、下向きに咲く。開花期は2月から4月。
 沖縄島では酸性土の北部に自生する。アルカリ土壌の多い中南部では生育が困難。高さは1~3mで、幹は直立する。樹姿は自然に整い、庭園樹、盆栽に利用される。
 沖縄島での自生地であるタナガーグムイ(国頭村安波にある泉の名前)は、本種を含めた植生が国の天然記念物に指定されているとのこと。
 
 花
 
 葉

 記:島乃ガジ丸 2008.7.17 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行


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