ここは.....
横浜のディープスポット野毛にある、小さな洋食屋さん。
戦後、このあたりに闇市があった頃から、
人々に美味しくてボリュームのあるものを提供し続けた、
地元民がこよなく愛する店。
昭和21年開業。
同時期にオープンしたジャズ喫茶などがひっそりと姿を消してゆく中で、
今も美味しい、どこか昔懐かしい料理を出し続ける店。
創業者は、旧横浜居留地にあったホテルで働き、
帝国ホテルでも修行を積んだ人。
今ここで皆に愛されているメニューは、ホテルのそれとは少し違うけれど
どれも安くて、ある意味、ホテルの料理以上に美味しい。
昼間は閑散としているこの界隈の、のんびりした空気の中で。
国籍不明の店員がカタコトの日本語でオーダーをとっては、
無造作にポットごと冷えたお茶を出してくれるのを受け取り。
アルマイトの皿に乗った、はみ出んばかりの
ボリュームメニューが供されたら.....
壁に設えられた小さな金属棚に乗せられたスプーンを取って、
ガツガツとすべてを平らげてゆく。
『スパランチ』700円
(スパゲッティ・ライス・チキンカツ・サラダ)
『ハマランチ』1000円
(オムライス・チキンカツ・サラダ)
店内に響く、『カツカツカツ!』という、スプーンが皿に当たる音。
つるつるしたテーブルの上に置かれた皿が、
食べている勢いでくるくる回ってしまうのもご愛敬。
ここで流れているのは、外界とはまったく違う時間。
何者かわからぬ街に成り果てたみなとみらいをすぐそこにしながら.....
『横浜』はいつもこんな場所に存在し続ける。
最近はおしゃれで小さなレストランやバーも増えつつある野毛の街。
でもその一方で「なんでこんなに安いの?」っていう怪しい居酒屋とか、小さなゲイバーなどもあって、本当に奥が深い場所よね。
(新宿二丁目に通ずるものがあるね)
それは、通りがかりに入るには、勇気が必要な店ばかり(笑)
でもまきまき様がお友達のお父様に美味しい焼き鳥屋さんを教えてもらったように、私達も古くから横浜で遊ぶ誰かから教わり、通うようになったお店が多いのよ。
そう。
この店が代々の店主に変わらぬポリシーで受け継がれているように、通う客の側も、とっておきの情報をそうやって受け継いでゆくのよね。
横浜をこよなく愛する者としては、代が変わっても、このお店や素敵な文化がずっと受け継がれていくことを願ってやまないわ。
この『センターグリル』は野毛に二店舗あるんだけど、二階席のあるほうの店舗ではなく、こちらの風情がある店舗のほうがお勧めよ♪
ぶっといスパゲッティが郷愁を誘い、その美味しさに舌鼓を打つ昼下がり、なんてデートもなかなかよね。
この店は昔むかし、創業者であるマスターが、パイプを加えながらバイクに乗って、海沿いを走っては出前をしていたそうです。
街には米軍兵が闊歩する時代のお話だそうで、当時は休日に営業しているお店も少なく、新聞社の方なども、このお店が供してくれる食事に救われたそうですよ。
また、このお店が自分の学食だったと懐かしむ方々も多いそうで、最近は地方のデパートのイベントなどにもときおり出店をなさっているようです。
人々に本当に愛される場所は、時代が変わっても、残ってゆくのですね。
頑固さと、新しいものを取り入れてゆく柔軟さを両方持ち合わせたこのお店。
いつまでもここにあり続けて欲しいです。
野毛はにぎわい座のある通り、それから裏通り、川沿いと、それぞれ違う顔を持つ、不思議で素敵な場所ですね♪
野毛は横浜のディープスポット。古くから栄え、今はちょっと廃れたような、でも昔ながらの美味しい名店があるんだよね。
私が友達のお父さんに教えてもらった小汚い、でも絶妙に美味しい焼鳥屋さんも野毛にある。
このレトロな店内、風情があるね。
昔ながらのまま手を加えず、こんなレトロな今となってはお洒落な趣きまであるストーブも、ポスターも、窓の模様入りガラスもぜんぶ可愛い。
カツカツカツっていう音!ケチャップの色がそのままのスパゲッティ。
給食を思い出すよ~♪
オムライスのデミソースも、ちょっと甘めで濃くておいしそう。
こういうお店、いつまで在るのかな。
今のオーナーがいなくなったらお店もなくなってしまうのかな。
そう思うと淋しい。
erimaちゃん夫婦は横浜の名店を本当に良く知ってるね。
私も、浅草でも日本橋でもなく横浜で、昔ながらの洋食を食べたくなったよ。
椅子やポスターがいいです。