ささやんの週刊X曜日ーー号外ーー

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

杉原千畝とユダヤ人

2024-09-30 13:23:09 | 日記
〈正義〉とは何か、などと難しいことを考えるのは後回しにして、〈正義〉がないと世界はどうなるのか、それを考えてみよう。

困っている人を見れば、心が痛む。困っている人を助ければ、気持ちがいい。
ナチスの迫害から逃れて、リトアニアに押し寄せた多数のユダヤ人たち。その彼らにパスポートを発給して、彼らが窮地から脱出するのを手助けした杉原千畝は、さぞ気持ちが好かっただろう。

第二次世界大戦である1939年からリトアニアのカウナス領事館に赴任していた杉原は、ナチス・ドイツの迫害によりポーランドなど欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情。1940年7月から8月29日にかけて、大量のビザ(通過査証)を発給し、根井三郎と共に日本経由で避難民を救ったことで知られる。その避難民の多くがユダヤ系であった。
(ウィキペディアより)

言うまでもなく、そのユダヤ人たちが後に建国した国家がイスラエルである。そのイスラエルが今、パレスチナのガザ地区に侵攻し、あまたの残忍な虐殺行為を行っていることは、周知の事実である。

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くガザ地区で、避難者が身を寄せる学校をイスラエル軍が空爆し、多数の死傷者が出たことに対して国際社会からは非難する声が相次いでいます。(中略)
イスラエル軍はハマスの拠点があるとして学校への攻撃を繰り返していて、EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は10日、『この数週間で少なくとも10の学校が攻撃された。このような虐殺は正当化できない』とSNSに投稿し、イスラエル軍による攻撃を非難するとともに、一刻も早い停戦を求めるなど、国際社会からは非難する声が相次いでいます。
(NHK NEWS WEB 8月11日配信)

連日のように報道されるこうした事態を耳にすると、私は激しく心が痛む。パレスチナの子どもたちに対して、虐殺を繰り返すユダヤ人の国家に、言いようのない怒りと憎しみが募ってくる。
ユダヤ人は、かつて自分たちがナチスから加えられたのと同じ残虐な仕打ちを、あるいはそれ以上の残虐きわまる仕打ちを、今、パレスチナの子どもたちに対して加えているのではないか。

その昔、スギハラがユダヤ人を助けたからこういうことになるのだ。ーー今、イスラエルのガザ攻撃を目の当たりにして、杉原に対する非難が巻き起こっているという。

今は昔、杉原をユダヤ人救出へと動かしたのは、同情という感情だった。今、国際社会をイスラエル非難へと動かしているのも、(怒りや憎しみといった)感情である。
感情に動かされて行動するとトンデモないことになる、という端的な実例が、ここにはある。

そういうトンデモを避けるために考案されたのが、〈正義〉の概念ではないかーー。そう言いたくなるが、さにあらず。〈正義〉はむしろ人々の感情を奮い立たせ、国家を戦争へと駆り立てる。いわば感情の増幅装置として働くこともあるのだ。

ったくもう、人間って奴は、なんて度し難い愚か者なんだ!

コメント
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