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ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

日米戦争の記憶を

2025-03-17 09:19:19 | 日記
夕餉の食卓で次のニュースを聞いた。

太平洋戦争末期、8000人以上が亡くなったとされる『神戸大空襲』 。
市街地を無差別爆撃が繰り返し襲い、特に大きな被害が出た3月17日未明の空襲では、神戸市の西半分が消失しました。
80年がたつことし、空襲の日に合わせて1冊の詩集が刊行されます。
悲惨な歴史を語れる当事者が少なくなる中、戦後に生まれた神戸市の女性が、両親が体験した戦争を詩につづり記憶をつなごうとしています。

(NHK NEWS WEB 3月14日配信)

わざわざこんなことを書くのは、ほかでもない。このニュースを聞いたとき、私は少なからず違和感をおぼえたのである。
違和感の正体ははっきりしている。「戦争の記憶・記録」を取りあげたこのニュースは、この戦争がどこの国との戦争だったのか、「神戸大空襲」の惨事をもたらしたのはどこの国の軍隊だったのか、ーーそのことについて全く触れようとしないのだ。

国営放送局・NHKの意図はよくわかる。この戦争はアメリカとの戦争であり、「神戸大空襲」の惨事をもたらしたのはほかならぬ米軍なのだが、アメさんは今や日本の同盟国であり、友好的な関係にある。そのアメさんの機嫌を損ねてはまずい、との配慮が働いたのだろう。

しかし、両国がかつて戦火を交えた歴史的事実を、あたかも無かったことのように消去してしまっていいのだろうか。
「雨降って地固まる」という諺もある。今は(関白)亭主と、その従順な妻のような関係でも、かつて戦火を交えた歴史を(妻の方から!)消し去ろうとするのは、「従順にも程がある」というものだろう。

私の憤りを、きょうの朝日新聞の社説が代弁してくれている。

80年前の3月、日本の都市に対する米軍空襲が本格化した。街ごと焼き尽くし、東京では一晩で10万人が死んだ。敵をたたきつぶすため、圧倒的な力で民間人も無差別に殺す。そんな作戦は、現代のウクライナ、パレスチナ自治区ガザでも繰り返されている。世界は、狂気から引き返せないのか。
本土空襲は、日本が仕掛けた戦争の末期だった。戦中、中国・重慶の市街地を爆撃して民間人を殺傷したのは、他ならぬ日本だ。そのことは忘れてはいけない。しかし、だからといって米国の蛮行が許されるものではない。

(朝日新聞3月17日)

う〜む、「いいね!」と拍手をおくりたい気持ちである。

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