ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

地震の教訓

2022-03-18 11:47:59 | 日記



はて、北海道で大地震が起こったのは、いつのことだったか。ネットで調べると、2018年9月のことだと判った。そうか、あれからもう3年半が経つのか・・・。

そんなことを調べようという気になったのは、けさ届いた読売新聞のメルマガに、こんな見出しの記事が載っていたからである。

「首都圏でなぜ停電?広域『ブラックアウト』防ぐための意図的措置だった」

記事によれば、きのうの地震では、「震源地から遠い首都圏でも約210万戸の大規模な停電が発生した」という。なるほど、そうだった。テレビで「首都圏で停電」のニュースを聞き、私は「妙なことがあるものだ」と思ったが、我が家では停電の被害がなかったこともあって、この事象について深く考えることはなかった。「なぜ?」と疑問に思うこともなかった。

ところがである。メルマガの記事によれば、きのうの首都圏での停電は、「広域での予期せぬ全面停電『ブラックアウト』を防ぐため、一部地域への電力供給を強制的に止めた」結果だというのである。記事は次のように続ける。

「電気を安定供給するには、需要(使用量)と供給(発電量)が同じ量になっている必要がある。需給のバランスが急に崩れると、最悪の場合、発電所の安全装置が作動してブラックアウトを引き起こす。しかも東電と東北電は送配電網がつながっており、一体で需給を調整することが求められる。」

なるほど、そうだったのか。この記事を読んで、私は北海道であった大地震と、それに伴うブラックアウトのことを思い出したのである。

電気の安定供給のためには、需給のバランスをとることが大事だ、ーーこのことを私は、3年前の北海道大地震から学んだのだった。この地震から1ヶ月後、私はブログに次のように書いている。

「電力事業はお見合いに似ている。結婚したい(売電したい)と思っても、相手(消費者)にその気(買電したい)がなければ、婚約は成立しない。電力事業の厄介なところは、婚約が成立しないと、すべてがチャラになる(ブラックアウト=停電が生じる)ことである。電力に限っては、受給のバランスがすべての鍵を握っている。このことを、我々は北海道大地震の経験によって知らされたばかりだ。」
(2018/10/14《有り余る電力 原発不要論》)

このブログ記事のタイトル(「有り余る電力 原発不要論」)に示されているように、私が北海道のブラックアウトから学んだ事実(電力供給には「需給のバランス」が重要)は、私の「原発不要論」の根拠にもなった。ちょっと長いが、これも私のブログの過去ログの一節である。

「太陽光や風力を利用する再生可能エネルギーは、電力の供給量が自然条件によって左右され、不安定であるため、ベースロード電源にはなり得ないとされてきた。だが、上に述べた『受給のバランス』という基本的条件を考える必要がある。この条件を考慮に入れれば、それに替わる(原発などの)安定的な電力源を確保しても、これで用意は万全、とは行かないことは、火を見るよりも明らかである。電力が一定量供給されたとしても、電力の需要は一定ではなく、季節によって変動する。需要が変動する中、受給のバランスを維持することは、なかなか容易ではない。」

きのうの大地震で3.11(東日本大震災)を思い出したと言う人は多いが、我々はまた北海道大地震のことも思い出すべきなのかもしれない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする