ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ロシアと日本 いつか来た道

2022-03-16 12:01:21 | 日記


欧州評議会。聞き慣れない名前だが、国連の欧州版とでも言えるだろう。その欧州評議会から、ロシアが脱退したという。こんな記事を目にした。

「ロシア政府は15日、人権保護などを目的とする国際機関、欧州評議会に脱退を通告した。同評議会が作成した欧州人権条約からも離脱する。欧州評議会の報道官が明らかにした。」
(共同通信3月16日配信)

欧州評議会はロシアのウクライナ侵攻を受け、同評議会・閣僚委員会でのロシアの投票権を一時停止するなどの措置をとったという。ロシアはこの措置がよほど腹にすえかねたとみえる。

欧州評議会からの脱退と聞いて、すぐに思い浮かぶのは、90年前、日本が国際連盟から脱退したトンデモな(痛快な?無謀な?)出来事である。

1933年、国際連盟は、満州事変を起こした日本に対して、その軍事行動の正当性を認めず、日本軍の中国からの撤退を求めた。日本全権の松岡洋右はこれに抗議し、決然と席を蹴ってその場から退場したというのである。
(松岡のこの決然たる態度は、当時の日本国民から熱狂的な支持を受け、帰国すると彼は一躍「英雄」として迎えられたという。)

無謀か、痛快かはともかく、日本は満州事変を契機に、ロシアはウクライナ侵攻を契機に、国際機関を脱退して、国際社会から孤立する道を選んだ。

問題はその後である。国際連盟を脱退した後、日本を待ち受けていたのは、ABCD包囲網によるきびしい経済制裁の反撃だった。ロシアも今、西側諸国の経済制裁によって、当時の日本と同じ(あるいはそれ以上の)苦境に立たされている。

日本の場合はこの苦境を打開すべく、アメリカに奇襲攻撃をかけ(真珠湾攻撃)、太平洋戦争の戦端を開いたのだが、その結果が自滅の始まりだったことは、我々ジジババ世代が知る通りである。

さて現今のロシアの場合は、今後どういう展開が考えられるだろうか。経済制裁の苦境を打開すべく、プーチンは核のボタンに手をかけるのではないか、と危惧する向きもある。
はてさてロシアが見せる今後の展開、一体どうなりますことやら。


コメント
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