先日、仕事仲間のゆうこちゃん(29)と、都内のとあるバーで飲んでいた時のことです。
「ゆるちょくんさー。理想的な結婚って、どういうのかなー?」
とゆうこちゃんは、少し酔った感じで、僕に聞いてきます。
ちなみにゆうこちゃんは、未婚のお嬢さんです。
「え?結婚したい彼でも、出来たの?っつーか、未婚の俺に聞かないで、くれよ」
と僕が返すと、
「未婚だからこそ、聞くんじゃない。既婚者は、現実見えちゃうから、理想なんて語らないんじゃない?」
と、ゆうこちゃんも、そこは、いろいろ考えているみたいです。
「うーん、そうだなー」
と、僕も少し考えます。
「別に好きなひとが出来たわけじゃないのよ。ただー、結婚について考えてみたかっただけ」
と、言い訳するゆうこちゃんです。
「そうだなー。実は俺、もし、俺が女性だったら、理想の結婚相手は誰かな?って考えたことあるんだよ」
と、僕も素直に話します。
「えー、誰誰?かっこいいひと?」
と、ゆうこちゃんは、途端にはしゃぎだします。
「かっこよくはないんだけど、桁はずれにでっかくて、暖かいひとって、感じかな」
と、僕が言うと、ゆうこちゃんは、
「え、誰ー?」
と考え込みます。
「まあ、俺がちっちゃい時からいたけどさ。大橋巨泉さん」
と、僕が言うと、
「あー、わたしあんまり巨泉さんの現役の頃を知らないけど・・・でも、わかるような気がする。わざと憎まれ口たたくひとでしょ?」
と、ゆうこちゃんは、そこは、素直に言います。
「そうそう。それで楽しんでいる・・・なんつーかなー、このひとと一緒に生きてたら、そりゃあ、毎日楽しいし、やさしくしてくれるだろうし・・・」
と、僕が素直に説明しだすと興味深く聞いてくるゆうこちゃんです。
「なにより、結婚したら、人生波乱万丈になりそうで、おもしろそうだしねー」
と、僕も続けます。
「そうかー、一緒に人生歩みたいって、感じってこと?」
と、ゆうこちゃんが、僕に聞きます。
「そうそう。こいつと一緒に人生歩んで行ったら、そーりゃ、楽しいことたくさんありそうだって、素直に思えるじゃん」
と、僕が言うと、
「そうかー。人生、一緒に歩きたいって、思うかどうかって、すごい大切かもしれない。結婚決める時!」
と、ゆうこちゃんは、まじめに考えています。
「なんか、テレビで奥さん紹介してたんだけど、とってもいい夫婦って感じだったし、かみさんが巨泉さんを尊敬しているし、信頼しているのがわかったからね」
と、僕は巨泉さんご夫婦の話を例にして、説明します。
「そうかー。旦那さんを尊敬するってのも、大事なポイントよね。あと、信頼できるか、どうかも・・・」
と、ゆうこちゃんは、自分の結婚の条件を考えているみたいです。
「まあ、巨泉さんって、なんだかんだ言って暖かいし、しあわせそうだったよ。奥さんも」
と、僕が言うと、
「なにより、暖かい人間性が、大事よねー。そうかー、なんか、いろいろ勉強になるなあ・・・」
と、ゆうこちゃんは、理想の結婚について考えをまとめているようです。
「で、今の話からすると、理想の結婚は、どんな感じになるわけ?」
と、僕が改めて聞いてみると、
「うーん、でも、結局、一緒に人生歩きたいか、どうか、これに尽きるかな。暖かい人間性とか、尊敬とか信頼とか、そういうのは、あとからついてくるもんだし」
と、ゆうこちゃんは、結論づけています。
「うん、そうだねー。確かに、それに尽きるかもねー」
と、僕も、そこは、納得です。
「でもさ、ゆうこちゃんは、さっき、かっこいいか、どうかを問題にしてたじゃん?」
と、僕も気になったことをツッコミます。
「ああ、そうねー。でも、必ずしもかっこよくなくっちゃいけないって、わけでもないな・・・」
と、ゆうこちゃんは、少し右上を見るような感じで話します。
「かっこいいひとだと、浮気されそうで、結婚生活で、そういうの気にするのは、あまり・・・」
と、ちょっと否定的なゆうこちゃんです。
「まあ、男は浮気をする動物なんて言われているけど、尊敬できたり、信頼できるひとなら、浮気もないんじゃないの?」
と、僕が言うと、
「そうねー。逆にそういうひとが、浮気したとしたら、わたし立ち上がれないかもしれないな」
と、ゆうこちゃんは、少し笑います。
「そうだねー。そこまで、考えとかなきゃいけないかー」
と、僕も少し考えこむようです。
「でもー、やっぱりフィーリングかな。ずっと一緒にいたいって、思えたら・・・それが結婚につながるんじゃない?」
と、結局、ゆうこちゃんは、自分で結論を出してしまいます。
「なんだよ、結論でてるんじゃん・・・考えて損した」
と僕が言うと、
「ううん。そうじゃなくて、ゆるちょくんが話し相手になってくれたから、結論に辿りついたのよー」
と、ゆうこちゃんが珍しくフォローしてくれます。
「そうお?まあ、それならいいけど・・・。ずっと一緒にいたいかあ・・・そう思える時が来るんだろうねえ、そのうちに」
と、僕もそこは、適当に合わせます。
「まだ、出会っていない、誰か・・・あるいは、もう、出会っている誰かかも?」
と、ゆうこちゃんは、にこっと笑うと、
「マスター、グラスホッパーお代わり!」
と、お代わりを頼むのでした。
「出会っている誰か・・・ねえ」
と、僕もサイドカーを飲み干すのでした。
理想の結婚についてのあれこれ。
まだ、何もわかっていない、未婚同士の二人でした。
秋の夜長は、静かに更けていきました。
最新の画像[もっと見る]
- 誰でも、弱いモノはある!(ピーナッツの世界は!) 10年前
- 7月4日 「愛らしい!」と彼女は言った!(社長すか!) 10年前
- 「月夜野純愛物語」(ラブ・クリスマス2)(20) 11年前
- 「月夜野純愛物語」(ラブ・クリスマス2)(12) 11年前
- 「月夜野純愛物語」(ラブ・クリスマス2)(10) 11年前
- 「月夜野純愛物語」(ラブ・クリスマス2)(10) 11年前
- 「月夜野純愛物語」(ラブ・クリスマス2)(8) 11年前
- 11月26日 今日の一枚!「サイクリストな僕!」 11年前
- 10月18日 今日の一枚!「生ギター!」 11年前
- 10月17日 今日の一枚!「無骨なステレオ・アンプ!」 11年前