「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

「由美ちゃん物語」(「江」のつまらなさの理由編)(6)

2011年05月27日 | ドラマについての小ネタ
「「篤姫」の脚本に参加していた、高志さんは、「江」には、参加していない・・・ということ?」

と、沢村くんの探偵助手でもある、まひるちゃんが、おずおずと答えます。

「おー、さすがまひるちゃんだ。そういうことだよ」

と、沢村くんはにこやかに笑うと、皆の方に向き直ります。

「「篤姫」と「江」では、物語の特徴がまったく違う。「篤姫」は、歴史をちゃんとわかっている書き手の作によるものだ」

と、沢村くんは、続けます。

「歴史への敬意が感じられるし、なにより、歴史上の偉人として、篤姫という主人公は扱われていた」

と、沢村くんは話します。

「しかし、「江」では、歴史は、書き割り程度の扱いでしかない。ただただ3人のプリンセスの日常物語に過ぎない」

と、沢村くんは、悲しそうに話します。

「つまり、「江」の書き手には、歴史への敬意というものが、すっぽりと抜け落ちているんだ。そこには、傲慢さすら感じられる」

と、沢村くんは、少し怒りを現しながら、話します。

「つまり・・・「江」は、高志さん抜きの、田渕久美子事務所による、脚本である、と言いたいのね?」

と、由美ちゃんがおずおずと、沢村くんに聞きます。

「多分、田渕久美子本人が書いていると思う。歴史は、資料をもらって、それを参考にする程度だろう、と思う」

と、沢村くんが、冷静に話します。

「でも、脚本協力のクレジットは、田渕高志となっているわ」

と、佳乃さんも冷静に話します。

「まあ、ギャラは発生するんだろうね。でも、その程度だ、と思う。「兄抜きでも、私なら大河ドラマで、視聴率をとってみせる!みてなさい!」という声が僕には、聞こえるんだ」

と、沢村くんは、真面目な顔で、話します。

「確かに・・・「江」には、歴史を表現しようという思いはまったく感じられない・・・。それどころか、扱われた歴史上の偉人は貶められるばかり・・・」

と、佳乃さんが、ため息と共に話します。

「「江」に登場するのは、偉人にとって、もはや罰ゲームだよ。男性は浅井3姉妹の気を引く係以外は、ひどい扱いだもんな・・・」

と、僕もため息と共に話します。

「竹千代と、秀康のビジュアルに、その意図は明確に現れているわね・・・マエケンさん、わたし楽しくて好きだけど・・・いかにもな、扱いの差を感じる・・・」

と、由美ちゃんも、言います。

「GOの旦那様は、慶喜さま、EXILEのAKIRA、向井理くんでしょう。なんだか、他と差をつけすぎにも、思えるわね・・・」

と、佳乃さんが、苦笑します。

「でもさー、あまりにも、おかしすぎない?なんていうか、歴史を冒涜するとか、そういうレベルじゃないよね!もう、歴史そのものを憎んでいるとか、しか、僕には・・・」

と、僕が言いかけた時、

「うーん・・・」

と、まひるちゃんが、頭を抱えながら、少しうずくまります。

「まひるちゃん、大丈夫か。また、例のあれか?」

と、沢村くんが、駆け寄り声をかけます。

「うん、いつもより、ひどくないから・・・大丈夫・・・」

と、顔をあげます。

確かに、いつもより、顔色はいいようです。

彼女は、人の思念をキャッチし、そこに隠されている事の本質を抜き出すことのできる、異質な才能を持っていました。

「どうした、まひるちゃん、何か見えたのか?」

と、沢村くんが、まひるちゃんに質問します。

「怨念・・・そう強い怨念のようなものを感じたの・・・」

と、まひるちゃんは、目をうつろにしながら、話します。

「歴史そのものに対する、強い怨念が・・・」


階段教室には、戦慄が走っていました。

湘南の海岸の風は、さらに、強くなっていました。


(月曜日につづく)

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