さて、メインネタが、ネガティブな話ばかりだったので、
なにか、柔らかい話でも、しましょうかねー。
先日、29歳、独身、の女性編集者とおしゃべりしていた時の話ですー。
ま、仮名三嶋さん、とでも、しておきましょうか。
「ねえ、三嶋さんって、男性を見る時、まず、どこを見るの?」
と、姉御肌の三嶋さんに聞くと、
「うーん、そうねえ。やっぱ、顔でしょ。オトナの男は顔が命!」
と、強気な恋愛を重ねてきた三嶋さんは、断定的にそう言います。
「やっぱり、男って、顔にすべてが出るもの・・・。自分に自信がある男性って、目がまず違うわね」
と、キラキラした目を持つ美人の三嶋さんは、そう断じます。
「ほう、目ねえ。済んだ目がいいの?」
と僕が聞くと、
「まー、少年なら、済んだ目がいいんだけど、オトナになったら、それは、眼力の強い男性でないとね」
と、三嶋さんはやんわり否定です。
「なるほどねー、やっぱりオトナの男がいいわけかー。三嶋さん、年下の男性なんて、どうなの?」
と、僕が聞くと、
「えー?まあ、年下も悪くないけど、なんか物足りないのよねー。最近の若い子は・・・」
と、三嶋さんは僕から見ても、十分若いんですけど、やっぱりそこは、姉御肌。
「へー、実際、デートとかしたことあんの?」
と、僕が聞くと、
「ちょっとかわいい子がいたから・・・ちょっとデートしてあげたのね。雨の日だったけど、相合傘さして・・・」
と、三嶋さんは、何かを思い出す風。
「ほう。それでそれで?」
と、僕が言うと、
「かわいいんだけど、最初から甘えているっていうか・・・。自分の美貌には気がついているらしくって、甘え上手でもあるんだけど・・・」
と、三嶋さんは、言いよどむよう。
「あるんだけど?」
と、僕が聞くと、
「それだけなのよね。外見だけで社会は渡っていけるものだって勘違いしている。いざって言う時に、頼り甲斐もないし、途中で冷めちゃった」
と、三嶋さんは、何かを思い出しながらしゃべってくれます。
「いざって言う時に?」
と、僕が軽く突っこむと、
「そこは、具体的にしなくていいの。でも、待ってるだけの男性って、いやあね」
と、三嶋さんは、ため息をつく感じ。
「ふーん、まあ、男は自分から動いてなんぼ、だろうね」
と、僕が言うと、
「そうそう。なーんか、待っているだけの男って、結局、自分に自信がないのよねー」
と、我が意を得たり、と、はしゃぐ三嶋さんです。
「わたしなんかは、好きな男性が出来ると、わーっと盛り上がっちゃって、すぐ相手の男のこと観察しちゃうんだけど、声かけると、萎縮しちゃう男性とかいるのよね」
と、三嶋さんは、不思議そうに言います。
「普通、男性から声をかけるものなのに、それをおして、こっちから声かけてるのに、こっちの気持ち、気づかないふりとかするのよね」
と、三嶋さんは、誰かを非難するように、言います。
「あーーー・・・それ、俺も若い時にあったなー、そういうこと」
と、僕が苦笑するように、言うと、
「なんで、そうなるの?せっかく恋愛しようとしているのにー」
と、三嶋さんは、冷たい目で僕の目を見て、まるで、悪いのは僕、のように、話します。
「いやあ、結局、そういう時って、自分に自信がないんだよ。こんな美人でよく出来た女性を、恋人になんか、していいのか、俺!的にさ」
と、僕も若いころを思い出しながら、三嶋さんの目を見て、話します。
「えー?だって、こっちが恋人になって欲しいから、声をかけてるのに・・・。女性がオーケー出しているのに、それじゃ不満なの?」
と、三嶋さんも、少しポカンとしたように、納得いかない感じで、話します。
「若くて、恋愛に慣れていないから、そのあたり、わかってなかったりするんだな。それに、相手に悪い!とか、変な思い込みをしちゃうわけ。経験が足りないとね」
と、僕も弁解に余念がありません。
「ふーん、ほんと、変な思い込みよー、それは」
と、三嶋さんは冷たい目で僕をにらむと、本気で、僕を悪者に見ています。
「まあまあ、僕は当事者じゃ、ないんだから、そんなに、追い詰めないでくれよ」
と、僕が笑うと、
「あ、そうか。ごめんごめん。今のゆるちょくんは、そのあたり、ちゃんとしているわよね?」
と、三嶋さんは我に返ったように、フォローモードです。
「まあ、これでも、少しは経験したからね。それより、三嶋さんの好きなタイプは、どんな感じ?」
と、なんとか話の方向を変え、相手に考えさせるために、質問攻撃です。
「そうねえ・・・やっぱり、わたしを引っ張ってってくれるタイプかな。古いタイプかもしれないけれど、俺についてこい!ってタイプが、やっぱりいいわあ」
と、割と古風な考えを持つ、三嶋さんです。
「じゃ、なに、三嶋さんは、そういう男性に、三歩うしろからついていくわけ?」
と、僕が古風な女性的な考えを示してみると、
「それは違うかな。相手が走りやすいように、ナビゲートするタイプじゃない、わたし」
と、古風なおんなでないことを強調する三嶋さんです。
「あー、確かに。じゃあ、一緒に人生走っていくタイプだね、三嶋さんは」
と、僕が言うと、
「そうね。だから、走るひとじゃないと、駄目なのよ。「お姉さん、僕どうしたらいい?」っていうタイプは駄目ね。つまらないもの」
と、今時の草食男子をバッサリ斬る、美人な姉御、三嶋さんです。
「でもさ、最近の流行りなんでしょ?草食男子・・・」
と、僕が聞くと、
「まあね・・・でも、そういう子達は、そういう子達でやってるんじゃない?わたしは基本年上じゃないと・・・」
と、三嶋さんは、目を光らせます。
「はあ・・・三嶋さん、なんか、今、目が光った感じがしたけど?」
と、僕が聞くと、
「ゆるちょさん、お友達関係広そうだから・・・誰か、いい男紹介してよ。それとも、ゆるちょさん自身、その気ある?」
と、笑う三嶋さんです。
「さすがに三嶋さんだ。その圧倒的パワーは、草食男子じゃ、交わしきれないだろうね」
と、僕が笑うと、
「ゆるちょさんも、交わすのうまいわね」
と、三嶋さんも笑って、コーヒーを飲み干します。
「さ、だべるのはこれくらいにして、仕事仕事」
と、笑顔の三嶋さんは、僕に発破をかけます。
「へーへ。いつでも、お供しますー」
と、僕もコートを着て戦闘モードです。
「仕事終わったら、お酒飲もっか?」
と、笑う三嶋さんは、楽しい編集者モードに入っているのでした。
秋の日の、午後三時。
都会は静かに、息を秘そめているのでした。
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