両親を交通事故で亡くした女子中学生が身を寄せる事になったのは、小説家である亡くなった母の妹の元。
姉とは疎遠だったにも関わらず、少女に対する親戚たちの遠巻きの視線に耐えられず、思わず少女を自分の家に招き入れるのだ。
交流の無かった叔母と突然一緒に暮らす事になる少女の大人になる前の微妙な心の動き。嫌いだった姉の娘と勢いで一緒に暮らす事を選択した叔母の躊躇い。
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高校生になり、同級生たちとのちょっとしたすれ違いや少女らしい自尊心で傷ついたり傷つけてしまったりする事に悩む朝だが、叔母に対する態度はある意味とても自由でニュートラルだ。叔母との距離の取り方には物おじしない若者らしい様子も見える。
片や叔母である小説家の槙生は、無理に朝に合わせることなく、淡々と自分の立ち位置を彼女に示す。
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朝を演じる早瀬憩の生命力溢れる感じは非常に眩しいが、二人の日常生活を追いつつ、二人の感情の動きを静かに追い続ける2時間19分は私にはちょっと長く感じられた。
片づけられられない大人である槙生の部屋、カフェ、二人が歩く海沿い等、撮影場所は印象的な所ばかりだ。