私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

恋する惑星 (WKW4K ウォン・カーウァイ4K)

2022-08-22 21:43:00 | 映画鑑賞

若い刑事は、自分の恋に有効期限があった現実を受け入れらない中、雨も降っていないのにレインコートを纏い、夜にも関わらずサングラスを外さない女性に出会う。その女性との過ごした1日を描いた前半。

街をパトロールする警官が毎日のように立ち寄るスナックスタンドで働く若い女性は、彼が恋人のキャビンアテンダントの女性にフラれたと知ると、こっそりと彼の日常に入りこむ事にする。彼が仕事中に彼の部屋に入り、彼の日常を自分好みにこっそりと替える事に日々喜びを感じる彼女。

こんなとりとめのないストーリーが、途切れる事なく繰り返される音楽と、手持ちのカメラが登場人物の一挙手一投足に必要以上に密着する形で描かれる。(特に前半部分、ハイヒールで闊歩する場面の画面のくらくらするようなブレ具合がなんともクリストファー・ドイルらしい)

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恋の有効期限が信じられない若者と、最後通牒を受け、残された時間をカウントダウンするしかない女。恋人が心変わりして去った後も、いつか戻って来るのではないかと待つ男。映画の中では、皆それぞれの時間に捕らわれている。

振られてしまった若い刑事が何度もポケベルの伝言サービスに電話をかけて「一万年愛す」とパスワードを伝える場面を何度も見ていたにもかかわらず、見終わった後「そういえば携帯電話が出てこなかったな・・・」と改めて思う。2022年8月に1994年4月の香港を描いた映画を観ているのに、そこに30年近い時間が流れている事を思わず忘れてしまう。なんだか不思議な感じだ。

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2000年代に入ってからの映画のエンドロールがかなり長いと思う。CG等のスタッフが多い事もあるのかもしれないが、細かい字で紹介されたスタッフの名前が上から降るように流れるのを5分以上見続ける事もよくある事だが・・・・

この映画は大きめのはっきりとした明朝体で書かれたスタッフの名前がまるで紙芝居のように何枚か映し出されあっさりと終わりになる。これがウォン・カーウァイ式なのか、それとも1994年の映画だからなのか・・・・なんだかこんな事が新鮮に感じられる。

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日曜日の夕方、映画館はほぼ満席だった。

お土産にポストカードを購入したかったのだが、花様年華のポストカードはすでに完売。

WKW4K ウォン・カーウァイ4Kとは・・・

主演したトニー・レオンがカンヌで主演男優賞を受賞し、監督したウォン・カーウァイの代表作ともなった花様年華の制作20周年を記念し、監督が自ら過去の作品を4Kレストアするプロジェクトが実施されて、その中の5作品*恋する惑星*天使の涙*ブエノスアイレス*花様年華*2046が8月の半ばからスクリーンで上映されるとの事。