私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

クーリエ:最高機密の運び屋

2021-10-03 19:06:02 | 映画鑑賞

キューバ危機を前に、ソ連から情報を持ち帰る人物を失ったCIA(アメリカ中央情報局)とMI6(イギリス情報局秘密情報部)は、たびたび東欧を訪れるセールスマンを後任のスパイに仕立て上げて情報を得ようとする。

プロであることを求められない彼。彼に求められている事は、目立たずに、何も知らされずに、ただ情報を運ぶ事だけだ。

ベネディクト・カンバーバッチが演じる主人公が情報を運ぶ事にストレスを感じ、それを何とかコントロールしようと葛藤する姿も印象的だが、軍人出身ながら平和な世界を望み、ソ連の情報を西側に流すGRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)局員のアレックスの「あんな衝動的な男(フルシチョフ)が核のボタンを握っている」という言葉がどんな台詞よりも印象に残った。

GRUに所属しながら、何故危険を冒して西側に情報を流す事を決心したのか・・この一言で、彼の決心も直面している危機もすべて伝わってくる。

勿論CIAもMI6も国を守る責務の元、自分達がスパイに仕立てたウィンの行動をサポートするものの、その行動はやはりどこかクールなものだ。結局ウィンが運び屋を続けるのも、アレックスを信用するのも「あんな衝動的な男(フルシチョフ)が核のボタンを握っている」というアレックスの言葉に真実を感じたからだろう。

本物のスパイにはアクションも銃撃戦もない。諜報活動は静かに時に陰湿に行われるものだということが分かる。

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』予告編|9.23[木・祝]全国公開