臆病であるが、それと同時にたぐいまれな飛行技術の持ち主であった祖父。
零戦に乗り、命を落とした祖父の人生を辿ろうとする孫。
祖父の宮部は生きている。どこかで生きていて欲しいと願う気持ちがページを繰るたびに強くなる。
多分この本を読んだ人は全員そのような気持ちになるに違いない。エピソードの積み重ねだけでそう思わせるこの本の力はどこから来るのか?
失敗の本質を読んだばかりだったので、何故、海軍が負けていくに至ったのか、そこに言及している箇所は興味深かった。
ミスを犯したくない気持ちが、あと一歩のところで腰を引かせる。徹底的に破壊することで勝ちを得ようとせず、そこそこのところでの今の成功のみに注視し、未来の絶対的な勝利得ることを想像することをしない。
そこそこの成功は、現場から離れた指揮官のためだけの物なのだ。
そんな場面が続き、読むのがつらくなる箇所がいくつもあった。
この本を読むまでは、映画でも小説でも戦争を題材にした作品は、素晴らしければ素晴らしい程、それを読むタイミングで反戦物にも戦意高揚物にもなりうると思った。
でも、そうでないことをこの本を読んで知る。
戦意を高揚することに加担した新聞に関する記述にも、はっとさせられるものあり。
バブルをあおった媒体に対する批評を聞いたことがある。戦争とバブル 実態は違うが、媒体の果たした意味は同じようなところにあったのだろう。
情報をうのみにせずに、自分で判断することは、どんなにか勇気のいることなんだろうか。
簡単にできないからこそ、それをやり遂げた宮部に生きていて欲しいという思いが強くなるのだ。
零戦に乗り、命を落とした祖父の人生を辿ろうとする孫。
祖父の宮部は生きている。どこかで生きていて欲しいと願う気持ちがページを繰るたびに強くなる。
多分この本を読んだ人は全員そのような気持ちになるに違いない。エピソードの積み重ねだけでそう思わせるこの本の力はどこから来るのか?
失敗の本質を読んだばかりだったので、何故、海軍が負けていくに至ったのか、そこに言及している箇所は興味深かった。
ミスを犯したくない気持ちが、あと一歩のところで腰を引かせる。徹底的に破壊することで勝ちを得ようとせず、そこそこのところでの今の成功のみに注視し、未来の絶対的な勝利得ることを想像することをしない。
そこそこの成功は、現場から離れた指揮官のためだけの物なのだ。
そんな場面が続き、読むのがつらくなる箇所がいくつもあった。
この本を読むまでは、映画でも小説でも戦争を題材にした作品は、素晴らしければ素晴らしい程、それを読むタイミングで反戦物にも戦意高揚物にもなりうると思った。
でも、そうでないことをこの本を読んで知る。
戦意を高揚することに加担した新聞に関する記述にも、はっとさせられるものあり。
バブルをあおった媒体に対する批評を聞いたことがある。戦争とバブル 実態は違うが、媒体の果たした意味は同じようなところにあったのだろう。
情報をうのみにせずに、自分で判断することは、どんなにか勇気のいることなんだろうか。
簡単にできないからこそ、それをやり遂げた宮部に生きていて欲しいという思いが強くなるのだ。
永遠の0 (講談社文庫) | |
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