Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

取り残された彼

2014-02-28 01:00:00 | 雪3年3部(キス未遂~正しさと誤りまで)


A大経営学科四年の学生達が、授業を終えたところだった。

ザワザワと騒がしい教室内に、一際大きな声が響く。

「じゃあお前来週から出勤すんのか?単位はどーなんの?」



柳瀬健太は青田淳から、来週からZ企業にインターンに行くことを聞き出したところだった。

単位も取得出来るインターンらしく、淳は余裕の表情だ。健太は羨むように言う。

「Z企業はインターンの審査基準も高かったのにすげーな!そのまま社員になれんのか?」



健太は淳にZ企業のインターンについて聞きながらも、

教室を出て行こうとする他の四年生達に声を掛けるのも忘れない。

「お?!お前ら就活セミナー行く?俺も一緒に行くからよ!」



柳瀬健太は大きな仕草と憂うような声で、淳に話しかけ続けた。

自分も含むまだ就職が決まらない四年生は、教室の半分になってしまったと。



「淳はセミナー行かねーんだろ?

Z企業のインターンなら行く必要ねーもんなぁ!いいよな~!」




柳瀬健太の声は大きかった。そのため教室中の学生が、淳の進路を知ることになる。

Z企業だって‥羨ましー‥うちの学科から何人行ったっけ?‥、囁くようなヒソヒソ声が聴こえていた。

「それじゃーな!」 「はい」



淳は健太の挨拶に頷き、同じように別れを告げた。

すると教室の入口から、明るい声が聞こえてくる。

「先輩方、終わりました~?お疲れの先輩方を、僕がオモテナシしちゃいますよぉ~!」



ワッと横山翔を囲んで声が上がる。横山が先輩達にご馳走すると言うのだ。

そしてそのまま、その場にいた四年生の大半は横山について行った。柳瀬健太もだ。

「うははコイツめ!優しいじゃねーか!直美も良い奴捕まえたなぁ~?」



そしてその輪の中に、ケラケラと笑いながら横山を囲む男子二人が居た。



淳の脳裏に、ついこの間まで同じような笑顔を浮かべ、

自分に寄って来ていた彼らの姿が思い浮かぶ‥。



淳は呆れたように息を吐くと、じっと彼らの姿を眺めていた。



「あ!」



そんな視線に気がついたのは、横山だった。パッと笑顔を浮かべると、淳に向かって言葉を掛ける。

「先輩!インターン内定おめでとうございます~!

これからはなかなか会えないんでしょーねー?」




横山はそう言った後、淳に背を向けて教室を後にした。男子学生達が、賑やかに笑い声を上げて彼に続く。

大きな目を見開きながら、淳は彼らを見送った。



不意にポケットに入った携帯電話が震えた。メッセージが入っている。

先輩、今後空き時間は図書館でバイトをすることになりました。



雪からだった。

彼女からのメッセージを受け取った後、淳は一人空を見つめる。



頭の中に、先日目にしたあの場面が思い浮かんだ。

親しげに家へ帰っていく雪と亮、そして雨の中で渡せなかった傘‥。

 

喧騒が去って行く。

今まで自分の周りに居た人々がごっそりと、横山翔に連れられて去って行った。



淳は一人教室に取り残され、その場に立ち尽くしていた‥。







外に出た横山ら一行は、何を食べようかと言ってワイワイと歩いていた。

後方に横山と健太が並び、含みのある表情でニヤリと笑い合う。



夏休み初旬から、横山が布石を打っておいた健太との繋がり‥。



それがここに生きている。

地道な活動は実を結び、全てが彼に味方しているように思えた。







横山の脳裏には、先ほど一人教室に取り残された青田淳の姿が浮かんでいた。

横山は口元に笑みを浮かべながら、始まったばかりの作戦の行く先を思う‥。




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<取り残された彼>でした。

短い記事ですいません~!


最後、教室に一人残された先輩のカット。



皆さんこの画をよく覚えておいて下さいね。先のストーリーで重要になってきますヨ^^


次回は<亡霊>です。

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