Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

彼の心情

2014-02-09 01:00:00 | 雪3年3部(新学期~気になるアイツまで)
”青田淳と赤山雪が付き合っている”

この噂は、瞬く間に大学中を駆け巡った。



廊下を歩くとほぼ皆そのことをしきりに話しているのが聞こえる。

なぜそんなことになったのか? 一体いつから付き合ってるのか?



明確な答えは誰も口に出来なかったが、皆の心の中にある疑問はただ一つだった。

”何で赤山なんだろう?”




大学のアイドルともいえる青田淳が選んだ相手が雪だということに、皆疑問を持っていた。

おそらく雪自身も答えられないこの問いが、今学校中を賑わせている‥。





皆の大騒ぎから抜け出して、柳と淳は裏庭で一服していた。

といっても煙草を吸うのは柳だけで、淳は缶コーヒー片手に休憩中だ。

「二人が付き合い出してから、もう結構経ったよなぁ」



柳は煙草を咥えながら、感慨深そうにそう言った。月日が経つのは早いと言って、目を細める。

思い返せば夏休みが始まった頃、柳は淳から「赤山と付き合っている」と聞かされたのだった。

あれからもうすぐ二ヶ月だ。

「てか‥どーなん?二人はどこまでいったの?ん?」



「お前の頭の中はそれしか無いのか‥」

そう言ってウリウリと小突いてくる柳を前に、淳は呆れて言った。

しかし柳は淳の言葉に驚いて言い返す。

「ええ?!何言ってんの?!それじゃーそれ以外に何があんの?!」



柳は淳の周りをクルクルと回りながら、自分の彼女に対する想いを語った。

「彼女の前で手がムズムズしなくて何が男だ!俺なんて夢の中にも彼女が出てくるぞー?」



そんな柳を前にして、淳は冷静に自分の思う所を口にする。

「俺は別にそんなんじゃ‥」



そう言って缶コーヒーに口を付けようとした瞬間、ふとある記憶が蘇った。

夏休みの終わり、彼女の家に泊まったあの夜のこと。



彼女の身体の上に、被さるような姿勢になったあの時のことだ。

あの時の、驚いたような彼女の顔。



そして無意識に目に留めた、彼女の唇。

開かれた襟から見える、細い鎖骨‥。



最終的に淳の視線は、雪の唇の上へと流れ、そこで留まったのだった。



それは一瞬のことだったのだが、その画は鮮烈な記憶として淳の脳に刻まれた。

意識の内側、彼も気づかないところで淳の本能が、彼の心に火を付けたのだ。










握った缶コーヒーに視線を落としながら、淳はあの時感じた熱を思い出していた。

先ほど口にした自分の言葉に、疑問符を飛ばす。

「‥違うのか?」



柳は淳の呟きに振り返ったが、淳が続きを口にすることはなかった。

淳の心に灯った、熱い炎‥。



彼はそれを自覚してはいたが、思考は冷静に彼女を分析した。

たとえそうだとしても‥どうせ逃げただろ?



口にしたコーヒーが、甘く唇を濡らしていく。

冷静な思考とは反対に、その甘い液体は喉を通って身体の中に落ちて行く‥。






その頃の雪はというと、未だ友達や先輩に囲まれて色々と質問されていた。

彼の心に芽生えた熱い情熱などつゆ知らず、今の状況についていくのに精一杯だ。



波乱の幕開けとなった新学期。

初日から雪は、天を仰いで息を吐いた‥。











そしてもう一人、今日から新しい生活をスタートさせた男がいた。

エプロンをつけた彼はニコニコと笑いながら、大きな声で自己紹介をする。

「こんにちは!以前申し上げました、ダメー‥いやお嬢さんと息子さんの友人の、河村亮と申しまっす!!」



雪と蓮の両親は、亮を前にして色々と判断がつきかねていた。

「本当に雪の友人なのか‥?」 ヒソヒソ‥



蓮はともかく、あの真面目な長女がこんなヤンキーっぽい男と友達だなんて‥。

およそ信じがたい話だった。こちらに向けられる笑顔も、なんともぎこちない‥。



とまぁ、色々感じるところはあるが印象は置いといて、雪の父親‥つまりこの店の社長は、亮に声を掛けた。

「まぁ力はありそうだな。それではまず清掃から‥」

「了解です社長!」



まだ社長が言い終わらない内に、亮は彼の手からモップを取って清掃を始めようとした。

しかしその大きな動作で、亮はテーブルにぶつかった。上に置かれていた食器が、ガチャンと音を立てる。



それから亮は色々とやらかし続けた。

水を汲んだバケツはひっくり返す、椅子は地面に引き摺って大きな音を立てる、食器は手荒に扱っていくつか割れる‥。

  

社長と雪の母親は顔面蒼白である。

そんな三人の元に、赤山蓮が帰って来てエプロンをつけた。

「俺も亮さんと一緒に仕事がんばるっスよ!」



蓮は、店の中は狭いからモーションを小さく、と亮にアドバイスをした。

色々やらかしたことには微塵も文句を言わず、逆に亮に感謝を述べ始める。

「俺の友達、軍勤務したり大学行ったりで昼間超ヒマだったんすよ~。

どうせ店は手伝わなきゃなんないし、亮さんが来てくれて嬉しいっす!マジでテンキュー




感謝されて悪い気もせず、亮は「おう」と蓮の言葉に頷いた。

「大丈夫ッスよ、やってりゃ慣れますから!」



そう言った蓮はモップを手渡しながら、二つ同時に使うと効率が良いですよと亮にアドバイスした。

「俺はどうにもモップ掛けが性に合わなくて~やっぱり掃除は手で雑巾絞ってやんなきゃね!」



それじゃ‥、と席を外そうとする蓮の肩を掴んで、亮は彼にさっきのセリフをお返しした。

「大丈夫。やってりゃ慣れるから」



亮に仕事を押し付けようとする蓮の企みは、見事に見抜かれてしまった‥。

それから亮は監督よろしく、蓮のモップ掛けを指導した。

「もっと力を込めて磨けコノヤロ‥いや弟よ」



いつも糸の切れた凧のように自由気ままな蓮が、大人しく亮の言うことを聞いているのを見て、

社長はもうしばらく様子を見ようと、亮の雇用の継続を決意した。



しかしそんな決意のすぐ後で、また亮がどこかにぶつかって何かを壊す‥。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<彼の心情>でした。

先輩が雪への欲望(?)を自覚しましたね‥!

逆に言えば今まで雪に対して同族としか認識してなかったんでしょうかね。

ただ雪の気持ちがまだ自分に向いてない(というか恋心じゃない)のは認識していて、

だから踏み出したとしても拒絶されるだろう、という結論に達してました。今後二人の気持ちがどう動いていくのか、

それが3部のキモになって来ますね。いや~面白い。。


次回は<彼女の変貌>です。



人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています~!