Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

二学期もよろしく

2014-02-06 01:00:00 | 雪3年2部(大家の孫~了)
「三人の旅行は楽しかった?」 「はい楽しかったですよ。と~っても」

 

本屋にて雪と淳は会話中だ。

話題は味趣連で行った日帰り旅行の件。淳は皮肉を込めて上記のセリフを言ったのだった。

「はぁ~‥他の男と旅行に行っておいて堂々と‥」

「前から約束してたんですよ!てか昨日行って帰ってきて疲れてるんですけど



帰って来て早々淳からグチグチ言われ、雪はウンザリといった体である。

「てか太一は男じゃないですから!」と雪がこぼすと、「は~そうですか」と淳は呆れたように息を吐いた。

「とにかく私は”先輩拗ねた時積立金”したいですよ。たいそうなお金持ちになれそうです

「え?俺がいつ拗ねたって?え?



雪が考案した”先輩拗ねた時積立金”とは、どうやら彼が拗ねた時に溜まる貯金のようなものらしい^^
(そのお金で彼女は本を買うそうだ。)

ちょっとしたことで拗ねる彼と付き合い慣れてきた彼女故の、気安いジョーク。

「てか前から言ってあったじゃないですか。何で今になって‥何も無いですってば」



呆れながらもそう伝える彼女に、淳は目を閉じてフン、と拗ねる。

また雪の貯金が貯まったようだ。雪ちゃん、君がこの本屋中の本を買える日も近い。


「あ、そうだ」



ふと淳はあることを思い出し、カバンの中からある物を取り出した。

それは白い封筒だった。

「雪ちゃんのお金」



雪は驚きのあまり目を見開いた。

「あの時はバタバタしていて渡せなかったけど、」と言いながら淳は封筒を雪に差し出す。



雪は信じられない思いで、封筒を受け取った。父親からもらった、大事な大事なお小遣い。

もう二度と手元には戻ってこないと思っていた‥。

「先輩、本当にありがとうございます‥」



彼女から礼を言われ、淳は満足そうにニッコリと微笑んだ。

元々の封筒は汚れていたから捨てたと続け、

「今度からは通帳に入れておくといいよ」とアドバイスする。



雪は封筒を見つめながら、どういう経緯でこれが戻ってきたのかを改めて考えた。

脳裏に浮かんでくるのは、男の手を踏みつけていた彼の足‥。



雪の胸中は複雑な思いが渦巻いていた。

犯人を捕まえ、お金を取り返してくれたことに感謝する反面、

聡美の言うように彼に対して恐ろしいという思いもある‥。



雪は自分がどう言わなければならないか、を考えた。

彼女として、一人の人間として、彼のした行動に対しての自分の意見を。



雪は本を見ている先輩に近づくと、その服の裾を引っ張りながら声を掛けた。

「せ、先輩‥ウハハ‥あの、先輩‥」



わざとらしい笑みを浮かべる雪に、淳は思わずジト目である。



雪は笑みを浮かべながら、彼の反応を見るようにして言葉を続けた。

「だ、だけど~先輩ちょっとやり過ぎちゃったっていうか~」



雪は普段とは口調も違ってしまっているが、出来るだけ角が立たない言い方で続けた。

両手で淳の手を握りながら、自分の気持ちを口にする。

「ぼ、暴力は良くな‥」「良くないよね」



雪の言葉を先回りして口にする淳。

二人の時間が止まる‥。



見上げると淳は、怒るでも拗ねるでもない、

なんともニッコリとした笑顔を浮かべていた。




「分かってたんかい!と雪のツッコミ炸裂&気まずさボルテージMAXである。

そのまま背を向けようとする雪に、淳は行かないで行かないでと言ってウリウリした。



そして淳は本来の彼が持つ小狡い笑みを浮かべると、彼女の肩に腕を回しながら口を開く。

「俺も分かってるよ。事実ちょっと後悔半ば。色々な面で‥」



彼は自分の気持ちを口にした後、意味有りげな視線を彼女に流した。

それに射られる雪はタジタジだ。

 

「も、もちろん!犯人を捕まえたことはとっても素晴らしいことですが‥」

「でもあれはやり過ぎだよね?」



淳はそう言って彼女の肩から腕を外すと、呟くようにこう口にした。

「他に方法はいくらでもある‥」



頭脳明晰、そして社会的地位の高い彼が口にする”他の方法”‥。

雪はあんぐりと口を開けた。



それきり何事も無かったかのように本を眺める彼。

雪はそれ以上何も言えずに俯いた。(恐ろしくてそれ以上は聞けない‥)




空気を変えるように、雪は「そうだ!」と一言発した。

「資格が取れたのも先輩のおかげです。ありがとうございました」



「え?いや俺は何もしてないよ」

「それでも‥塾だけじゃなく、勉強も一緒にしてくれたじゃないですか」

雪はもう一度、ありがとうございましたと彼に感謝を伝えた。

どういたしまして、と彼が笑顔でそれに応える。

 

雪は彼を見上げたまま、もう一言彼に言葉を掛けた。

「‥二学期もよろしくお願いします」



「うん」



いつの間にか見慣れた、彼の笑顔。

雪はそんな彼の顔を見ながら、ある思いが心の中に浮かぶのを感じた。

先輩と学生生活を送るのも、もう次が最後の学期だ



彼は次の学期を最後に、大学を卒業する。

その先はどうなっていくのだろう、二人は、どうなっていくのだろう‥?




未来は、予測することが出来ない。


本屋を見回してみると、色々な人が居る。

皆様々な事情を抱えて、沢山の縁に導かれ、出会い、別れ、それぞれの人生を歩んでいく。




雪は思う。


これから先どんなことが起こるのか、誰と出会うのか、知ることは出来ない。と。


雪は周りを見回していた視線を、目の前の彼に戻した。

彼は雪の目の前に立ち、こちらを見つめて微笑んでいた。


けれど、

互いが一緒に居るということだけで、

もっと素敵な未来が待っているというそんな期待をしてみたって、良いのではないだろうか。






未来を予測することは出来ないけれど、もっと素敵な明日が来て欲しいと願ったり、

この人とずっと一緒にいたいと祈ることは出来る。


運命という大きな歯車に組み込まれた、小さな私達。


けれどそんな一人一人が持つささやかな願いで、この広い世界は回っている。


二学期もよろしく、そんな前向きなメッセージを抱いて、二人は次のステージへと向かって行く‥。






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<二学期もよろしく>でした!

遂に二部も終わりを迎えました~~~!皆様、ここまで着いてきて下さってありがとうございましたT T

記事にして、二部は全154話でした‥長かったですね。一部の三倍‥。

さて明日からは三部に入ります!

相変わらず誤訳等あると思いますが、生温かい目で見守って下さるとありがたいです

「三部もよろしくお願いします」



と雪ちゃんに言ってもらっちゃたりして‥^^


さ、次回は<新学期>です。

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