ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

視点満載

2018-10-25 08:19:11 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「視点満載」10月21日
 『議場で喉あめ 懲罰必要?』という見出しの記事が掲載されました。熊本市議会で、本会議中に喉あめをなめながら質疑に立った議員が懲罰を受けたことに関する様々な意見や考え方を紹介する記事です。記事の中には、教員の学級経営や生活指導においても役に立ちいくつかの教訓が含まれていると思えるのです。
 懲罰を受けた議員は、『飲食はまずいという認識はあるが、咳止めのあめは飲食ではない』と語っています。これは、学級の決まりや生活の約束などを決める際に、具体的にどのようなことを禁じているのかを明確にしておくことに大切さを示しています。
 またこの議員は、『前にも一般質問であめをなめ、それをまわりも知っていたはずだ』とも語っています。これは、小さな違反を「まあこれくらいならいちいち目くじら立てなくても」と見逃すことの悪影響を示しています。注意された方にしてみれば、なんでそのときに言ってくれなかったんだ、と言いたくなってしまうものです。だまし討ちにあったような思いにとらわれてしまうと、反省よりも反発を生んでしまうのです。
 ネットの意見として、『注意されて当然だが、出席停止はやり過ぎ』という指摘がありました。これは、行為の善悪とは別に、罰の重さが適当ではないという問題提起です。学校では、様々な問題行動が発生します。多くのケースでは、子供自身が悪いことをしたと自覚をしています。しかしそこであまりに重い罪、例えば授業中にノートのマンガを描いていただけなのに職員室に呼ばれて多くの教員の前で長時間叱責というのでは、納得はしないということです。
 さらに別の自治体の議員からは、『子連れ問題で全員を敵に回してしまったのだろうか』という指摘をしています。懲罰を受けた議員は、昨年生後7カ月の長男を連れて議場に入り議論を呼んだ人物です。過去のこの問題とは関係のない言動が、今回の懲罰の遠因になっているということです。これは誰もが犯しやすい過ちです。要するに気にくわない奴、生意気な奴は懲らしめてやるという考え方で、人間の本能でもありますが、本能のままに行動することは公平性を欠く原因になります。子供にこうした対応をすると、どうせ俺は嫌われているからな、と考え、自分の問題点を見つめることを妨げるマイナスの効果しか生みません。
 最後に、上記の議員は『最大会派の議員なら議会後に同僚から「なめない方がいいと忠告を受けるか、議長の口頭注意で終わる話だ」』とも指摘しています。つまり、集団の中の力関係によって受ける罰が異なると言うことです。議員も子供も、議場や教室の中では一人一人が平等なはずですが、人が集団生活を営む場においては、派閥が生じ、どの派閥に属するかで有利不利が生じるという問題点の指摘なのです。まさか学級には派閥などないという教員はいないでしょう。いるとすれば、それだけで間違いなく指導力不足教員です。派閥は望ましいものではありませんが、現実を直視し、せめて所属派閥によって依怙贔屓しないのが教員の心がけというものです。
 議員の先生方も子供も、人間である以上共通点があるということです。

 

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