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ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

実はよくある「大きな事件」

2015-11-15 07:14:44 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「小事件?」11月10日
 『小6「大麻吸った」』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『小6の男児(12)が、学校の教師に「大麻を吸った」と話し、学校からの連絡を受けた京都府警が調べを進めている』とのことです。発覚の経緯は『喫煙するなどした男児を教師が始動した際、男児が「大麻も吸ったことがある」と話した』ことだそうです。
 大麻吸引で逮捕される人は、決して少なくはありません。その多くは、紙面をにぎわすことはありません。ありきたりの出来事にはニュースとしての価値がないからです。今回、この事件が取り上げられたのは、12歳の男児ということが「話題性あり」と考えられたからでしょう。そこには、そんな子供が大麻なんてありえない、という世間の常識があります。
 しかしそんな世間の常識は間違っています。私が指導主事をしていたとき、12歳の男子2名が、同級生の女子に対して数か月に及んで性的暴行を繰り返していたという事例に対応したことがあります。2人は、特に目立つ存在ではなく、非行グループ等とのつながりもない子供でした。学校にも休まず登校し、教員に反抗的な態度を示すこともありませんでした。つまり、普通の子供です。
 私は生活指導の担当をしており、この件について焼酎合同生活指導主任会で説明しました。中学校の主任たちは淡々と聞いていました。彼らにとっては、ありそうなことであり、珍しいことではなかったからです。一方、小学校の主任は大変驚いていました。彼らにとっては、12歳は完全な子供であり、そんな子供が強姦という犯罪を犯すなど想像の外だったのでしょう。私は、小学校の主任たちの認識の甘さを指摘し、小学生であっても、飲酒も喫煙も、強姦も殺人もする可能性があることを説いたものでした。
 この件は、闇から闇に葬られました。被害者とその保護者が表沙汰になることを嫌ったからでした。2人の犯人は、校長の判断で謹慎することになりましたが、本人たちにとっては重い罰とは感じられなかったようでした。その後も何事もなかったような顔で学校生活を送り、卒業していきました。
 私は、他地区の指導主事との情報交換等を通して、こうした「犯罪」は、全国で相当な数に及ぶと考えています。その大部分が表には出ないだけです。したがって、世間の大部分の人は、今回の事件に驚かれたと思いますが、私は少しも驚かなかったのです。
 私は、こうした「犯罪」について、被害者のや関係者のプライバシーは守りながら、もっと積極的に情報発信をすべきだと考えています。それは、こんな問題を抱えながら学校や教員が悪戦苦闘しているということを世間に知ってほしいからです。教員、特に中学校の教員が抱え込んでいる「大変さ」を理解することで、学校のよき理解者、味方を増やしたいと考えてしまうのです。現在の教員という職は、デモシカで勤まるような気楽な職業ではありません。
 

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