「水泳指導」7月15日
『水泳指導 広がる外部委託』という見出しの記事が掲載されました。『民間スイミングクラブの屋内温水プールを利用し、通年で水泳指導を実施する試みが広がっている』ことを踏まえ、その効果と課題を追った記事です。
記事の中に、いくつか疑問に感じたことがありました。まず、『学校とプールの往復に伴う負担は多くの教員が感じていたが、6割強の教員は、「許容できる範囲だ」と答えた』という記述についてです。引率の負担以外に、異動に費やす時間についての調査結果についての記述がないことです。
仮に徒歩15分の距離に民間プールがあったとしても、単純に往復で30分かかります。更衣室の点検、忘れ物の確認、トイレ等の使用などなど、なんだかんだでおそらく40分は費やすことになると思います。つまり、ほぼ小学校の授業の1単位時間に当たる時間が移動で消費されてしまうということです。年間、10単位の水泳の授業があったとして、一度に90分間の授業で、移動は計5回としても、5単位の授業が「浪費」されてしまうことになります。そのことについて、教委として、学校として、教員としてどのように考えているのか、重要な視点だと考えます。
もう一つは、夏季の体育授業についてです。従来は暑い夏は体育の授業は水泳指導とし、体育館や校庭での通常の体育授業は行わないという体制の学校が多かったものです。今でも、体育館等が完全冷房にはなっていない学校は少なくありませんし、年間を通じて民間プールでの水泳授業という体制になったとき、猛暑の夏の体育授業はどうなってしまうのか、ということが疑問です。
まさか、炎天下校庭で走り幅跳びやハードル走をしたり、むしむしする体育館でバスケット-ボールをしたりするわけではないでしょう。かといって、7月、9月は体育の授業はなし、というのも子供の学校生活のリズムに大きな影響を与えてしまいます。
話は変わって、記事の終わりには、水泳教育を専門とする鳴門教育大松井敦典教授の話が掲載されていました。そこで松井氏が述べている『自分や仲間の泳力を自覚し、安全かどうかを判断する力を育むことは今以上に重視される必要がある』という指摘、非常に重要だと思います。教員任せにせず、文科省、都道府県教委レベルで指導計画の作成、指導事例の提示などを進めるべきだと思います。
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