ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

活性化?カスが残る?

2024-05-19 08:44:20 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「教員のキャリアアップ」5月12日
 地元で長年続く企業家の2代目3代目などを取り上げる連載企画『家業ジモトの星』、今回はビューティーアトリエグループ代表郡司成江氏が取り上げられていました。そのなかにとても印象に残る記述がありました。
 郡司氏は、『しあわせ創造企業』というビジョンを掲げています。企業の発展だけでなく、そこで働く社員の明るい未来を可視化するものです。
 『美容業界は一定の年齢になるとフリーランスになるケースが多い(略)入社後のキャリアパスも明示した。美容室のスタイリストとして経験を蓄積した後は、自らの適性や関心に応じ、店長・マネージャーといった経営幹部や独立オーナーを目指す道、ネイリストやエステティシャンなどとして専門性を磨く道、海外店舗や新規事業開発に進む道があることを示した。それぞれのステップにどんな能力が求められるかも明確にし、社員たちが自分の将来像をイメージしやすくした』。
 私は以前このブログで、教員のキャリア形成についてイメージが浮かばないと書いたことがあります。今回、この記事を読んで、少しイメージすることができたような気がします。上記の『 』を教員に当てはめてみます。
 10年間、教員として経験を積んだ後、自らの適性や関心に応じ、校長や副校長といった学校経営に携わる道、指導主事や室長として教育行政の立場から学校教育に関わる道、教科指導や生活指導など教職のある分野のエキスパートとして教育実践を重ねると同時に後進の指導に当たる道、学校での経験を生かしスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、進路アドバイザーなどを目指す道、青年海外協力隊等海外での教育普及に貢献する道、教員仲間と塾や家庭教師派遣事業を起こす道があることを示す、となります。
 もちろん、現実的には、新卒教員の過半数以上には、あくまでも教員としての人生を送っていただくことが想定されますが、もし、こうした複数の将来像を示し、その具体的な道筋も提示することができれば、教員志望者は大幅に増えることが予想されます。さらに、一度他の道に進んだ者が、また教職に復帰する道も設けることで、組織としての新陳代謝が進み、教員組織が活性化することも期待できそうです。
 待てよ?そうなると中堅・ベテランの教員は、一歩踏み出すチャレンジ精神が乏しく、能力に自信のないダメ教員ばかりが残ることになってしまう、のかな。いろいろと問題はありそうですが、検討してみる価値はあると思います。

 

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