ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

A校長の責任は

2024-07-11 08:16:34 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「校長Aの責任は」7月5日
 『元教え子宅に侵入した疑い 小学校教諭逮捕』という見出しの記事が掲載されました。『元教え子の女子高校生の部屋に侵入したとして、月島署は、江戸川区立上小岩小学校教諭、水野雅史容疑者を住居侵入容疑で逮捕した』ことを報じる記事です。
 逮捕を受け、江戸川区教委教育長は、『被害を受けた家庭に深くおわび申し上げる。教員の逮捕は誠に遺憾で、処分についてはと教育委員会とともに適切に対応する』と述べています。当然の内容です。
 しかし、一つの疑問が浮かびます。水野容疑者は、『以前、中央区内の小学校で、この女子高校生の担任(略)学校行事中に当時6年生だった女子高生の鍵を持ち出し、合鍵を作った』とされています。つまり、犯行の伏線となった「不法な合鍵作り」は、中央区で勤務しているときに行われていたのです。この行為がなければ、今回の住居侵入も起こりませんでした。それなのに、中央区教委や当時の上司である校長の責任は問われないのか、ということです。
 しかも、今年になって行われた住居侵入は、学校の勤務時間外の犯行です。しかし、5年前の合鍵作りは、学校行事中とあるのですから、勤務時間内の犯行になります。校長の管理下にある勤務時間内の行為と校長の管理指導が直接及ばない勤務時間外の行為とでは、前者が重く裁かれるとするのが常識的な考え方でしょう。それなのに、中央区教委のコメントがないのが不思議なのです。時効ということなのでしょうか。そうだとしても、道義的な責任を感じてコメントがなされるべきだと思うのですが。取材するメディアの側に、中央区教委にも訊いてみるという発想は浮かばなかったのでしょうか。
 私が教委に勤務していたとき、過去の教員の非行や指導上の問題について、苦情や問い合わせがありました。当時表面化していなかったとしても、責任を免れることはできないという自覚の下、状況を調べ直し対応をしたものでした。それが教育行政に対する信頼を維持する上で不可欠な取り組みだと考えていたものですが。

 

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