ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

私だけ?

2022-06-26 08:40:14 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「みんなそう?」6月21日
 精神科医香山リカ氏が、『「スターの話題」内輪で』という表題でコラムを書かれていました。その中で香山氏は、患者さんに生活の様子を聞くときのことについて触れられていました。
 『スポーツや歌番組が好きなどと話しているうちに、「あの選手今年は全然ダメだね」「好きだった歌手が結婚したんだけど、イメージと違う相手なの。もうガッカリ」などと激しい言葉が飛び出ることがある』とし、『選手や歌手などスターにとっては気の毒な話だ。全く会ったこともない遠くの人たちに、「ダメ」「ガッカリ」と好き放題言われるのだから』と述べられています。
 そしてさらに、でも『それがスターの役割』とも述べ、『(私たちにとって)気楽に「いいね」「ダメだね」などと口にすることができて、ちょっとしたストレス解消にもなる』と精神科医らしい視点から指摘なさっています。
 確かに共通して知っている人について、ああだこうだと話すのは、座が盛り上がり、ストレス解消になるという一面があることは否定できません。私は今は一切酒を飲みませんが、教員時代は職場の後輩や研究会の仲間とよく飲みに行っていました。教員にとって、共通の知人と言えば、まず「子供」です。そして一部の有名な「保護者」です。では、教員仲間との飲みの場で、よく子供のことが話題となったかと言えば、ほとんど話した記憶がないのです。
 もちろん、教員は公務員です守秘義務がありますし、教育者としての倫理面からも、酒場で子供のことを話題とするのは好ましいことではありません。小さな声で話していても、個人情報が洩れることもありますから。そうしたことへの配慮というのは無意識にあったようには思いますが、それにしてもほとんど記憶にないのです。
 放課後に職員室での雑談で子供のことが話題となるということはよくありました。でも、学校外でそうした話はしなかったのです。何故なのか、今振り返ってみても理由が分かりません。誰かが子供のことを話し出したとして、「しっ、ここでそんな話はしないで」と制止するほど私は倫理感の強い人間ではありませんでしたから、一緒に酒場に行った仲間も子供の話はしようとしなかったということになります。
 私や私の仲間の教員だけで、他の教員はよく子供の話をしていたのでしょうか。私は子供に関心がない悪い教員で、だから子供についての会話が乏しかったのかとも考えてみましたが、私はともかく仲間の教員は良い教員が多かったと、客観的に思います。
 居酒屋で教え子の話をする、それは教員にとって秘密漏洩の危険性がありよくないことなのか、それとも子供の話をしない方が子供に関心のないダメな冷たい教員なのか、どうなのでしょうか。

 

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