ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

知ってるぞ、隠せないぞ

2022-06-01 08:46:35 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「当方は把握しています」5月26日
 『いじめや体罰 悩まず相談を』という見出しの記事が掲載されました。『子どもを巡る人権問題を解決するため、法務省は、全国の小中学生向けの「子どもの人権SOSミニレター」を作製した』ことに関する記事です。
  『ミニレターで受け付けるのは学校でのいじめや体罰、家庭での虐待』などが想定され、自分のことだけでなく『周りの友達に関する相談も受け付ける』ということです。さらに、『親に知られたくない場合は学校に届けてもらうことも可能』だそうで、こうした制度がつくられることには大賛成です。
 ただ、一つだけ気になる点がありました。『全国の法務局職員や人権擁護委員が解決方法について原則として1週間以内に手書きでアドバイス』するという対応についてです。これは見直したほうがよいと思います。失礼ですが、学校の状況をよく知らず、いじめや体罰問題への対応経験の乏しい職員や委員が的を射た有効な解決策を提示できるとは思えないからです。
 では、何をすればよいか。それは、当該学校を管轄する教委に、「貴下○○小学校6年2組在籍の児童から、本年5月に発生した、担任による体罰事案について、弊省にミニレターによる相談が届きました。弊省といたしましては、正式に記録の留め、貴委員会の対応を注視していくことに決定いたしました。後日、担当より状況を聴取させていただきますが、対応方よろしくお願いいたします」というような、通知文書を送付することです。
 つまり、法務省は事件を知っているぞ、きちんと対応しないとメディアへの情報提供を含め、あなた方の怠慢を公にしますよ、という脅しをかけるのです。こうすれば、教委も校長も動きますし、臭いものに蓋ということもなくなります。
 さらに効果を高めるためには、「該当する事実がないと判断された場合は、その判断に至った調査の方法、経緯などについて聞き取りをさせていただきます」という一文を加えておくのがよいでしょう。
 解決は教委と学校に委ね、その対応を評価するという立場をとるということです。餅は餅屋、です。

 

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