ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

本当にいる?

2013-12-24 07:42:39 | Weblog
「そうなのか」12月18日
 論説委員の与良正男氏が『「五輪」という錦の御旗』という標題で学校教育改革についてのコラムを書かれていました。その中で与良氏は、『英語教育を充実させることに異存はない。でも、家庭教育や社会教育の分野まで先生の仕事が拡大し、ただでさえ疲弊している今の学校現場がきちんと対応できるのだろうか』と現状認識を述べていらっしゃいます。私はこのブログで、我が国における学校教育と家庭・社会教育のバランスの偏りを再三指摘してきました。ですから与良氏の見解には全面的に賛成です。
 また与良氏は、『道徳教育を改善する一方、国語の授業時間を増やし、小学校から古典に関する指導を重視したり、そろばんや和装、和楽器などの伝統文化や歴史教育も充実させるのだという。じゃあ一体どの授業を削れというのだろう』とも述べています。これにも全面的に共感します。私は、このブログで「教育改革は足し算の発想ではなく引き算の発想で」と繰り返し指摘してきましたから。
 そして今回もっとも注目したのが、『本当のグローバル化を目指す教育とは海外で戦う企業戦士を育てることだけではない。まず、よき地球市民であることを学ぶ。私はそう思うし、同じように考えている文科省の役人も少なくない』という部分です。本当なのでしょうか。
 私は、本当に望ましい行政のあり方とは、民意に敏感な政治家と一時の「流行」に惑わされることのない深い専門性を備えた官僚との協力体制によってしか実現しないと考えています。そのためには、教育官僚が自らの専門的な知見に誇りをもち、専門家としての自覚と責任をもって積極的に提言することが不可欠なのです。
 規模は違いますが、私も教委勤務時代には、数少ない学校教育の現場を知る者として上司の部長や先輩のや課長にいうべきことは言ってきました。それは間接的に首長にまで達していたはずです。幸いなことに、学校のことを一番よく知っているのは指導室長だ、という認識をもっていただいていたようで、すべてとはいきませんでしたがそれなりに私の考えを尊重していただくことができました。
 今回の教育改革において、文部科学省の「お役人」の影が薄いように思えてなりません。本当に与良氏の言うように「安倍・下村改革」に疑念を感じている人がいるのであれば、積極的に提言してほしいものです。しているのでしょうか。


コメント
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