わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

映画「キャタピラー」に衝撃受ける

2010-10-21 01:55:11 | 平和・人権
 女優の寺島しのぶさんが、ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞したことでも話題になり、観たいと思っていた若松孝二監督の新作映画「キャラピラー」がシネモンドで再上映されていたので、10月20日、観て来ました。

 とにかくすごい映画でした。衝撃のあまり、観終わった後はすぐには立ち上がれないほどでした。

 この衝撃や感想をどう表現すればよいかまとまらないので、パンフレットの中の寄稿を転載します。
 
 若松孝二ならではの究極の反戦映画である。
 両手両足を失い、耳が聞こえず、口もきけなくなった男が名誉の軍神として帰ってきた。
 食欲、性欲だけが旺盛な軍神に妻が身も心も振り回される。実は軍神は外地で現地の女性をレイプし、殺害していた男で、妻との性交中にそのことに苛まれ、芋虫のようにころがりまわる。妻はあきれ果てている。国を挙げての"軍神ごっこ”を痛烈に描き切った作品である。(田原総一朗)

 ・・・中国戦線で重傷を負い人間としての機能をほとんど失った夫と、健康で常識的な妻。それが「軍神」と「軍神の妻」に祭り上げられるプロセス自体、戦争に駆り立てられた時代を象徴する。・・・
 この映画は、すぐれた反戦映画である。戦場も戦闘も出さずに、静かな農村の生活だけで戦争の愚かさをえぐりだしてみせたのだ。(寺脇研)

 当時の女性は、男の性欲のはけ口、飯炊き女、後継ぎを産む道具と、ひどく抑圧されていた存在。・・・シゲ子にとっての敗戦は、そうした抑圧からの、小さな解放だったのだと思う。・・・
 これが戦争なんだ、ということを、戦争を知らない若い人たちにも理解して欲しい。どうか、あの悲惨な戦争のことを忘れないで欲しい。そして、国家による殺し合いに、加担する側にはいかないで欲しい、そういう思いを込めたのが、この作品なのだ。(若松孝二監督)

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