A Torontonian Life

大学院留学、個人移民、カナダ企業でフルタイム正社員勤務。自然妊娠で双子妊娠・出産。現在、双子ワーキングママ。

What we all long for

2011-07-08 | Book/Movie Reviews

友達が読んでて、読み始めた小説。Dionne Brandの『What we all long for』。ベトナム系カナダ人の家族問題、その友達の家族問題、民族、アイデンティティ、レズビアン、移民、Generation gap、メトロポリタン都市トロントを描いた現代小説。

興味があったのは、ベトナム系カナダ人が主人公だったこと。でも、AutherがDionne Brandっていう名前だったので、最初はフランス系白人が書いてるのかと思って、ちょっとびっくりした。ベトナム系カナダ人の経験やバックグランドが、とても細かく描かれていたから。なんで、ベトナム系カナダ人のAutherじゃないのかなぁと思いながら読んでいた。この前呼んだ『Banana Boys』は中国系カナダ人によって、中国系香港系カナダ人2世の経験が描かれているから。カナダにはたくさんの移民や2世Authersが自分の経験をもとに書いた小説がたくさんある。

途中で調べてみたら、なんとAutherはCarribbean Canadian!カリビアン系カナダ人がベトナム系カナダ人の、ベトナム戦争に伴う難民経験からベトナム系家庭のTypicalな問題まで描いていてびっくりした。でも、よく現実的に描かれていたので感心した。

読みすすめていくうちに、ベトナム系カナダ人の友達、カリビアン系カナダ人と、Blackとポルトガルのミックスの経験や家族問題も描かれていた。どこでもよく聞かれる問題は、どこの国から来たかに関わらず、1世の親と2世の子供の間のGeneration gapとCultural gap。それもただのGeneration gapじゃない。同じ国に育ってもGeneration gapはある。でもそれがカナダの移民家庭では、Generation gapに追加して、文化的な考え方が違ってくる。親は自国の文化的考え方をする傾向がある。2世の子供たちは、カナダ人の友達と同じようにしたい、子供にとっては”親の国”の言葉、考え方、服装、Etcは恥ずかしい。英語がしゃべれない親は恥ずかしい。特に思春期の子供にとって。子供は自分は『カナダ人』だと。カナダに住んでたら、どこにいても、たくさんの移民家族が通る道。どこにいても、こういうトピックに出会う。

もう一つ頭に残ったのが、『黒人(白人とのミックスだが、白人やアジア人からは黒人と見られる)がたまたま悪いタイミングで悪い場所にいるだけで、犯罪者扱いされる』、というのを姉が弟に言ったことば。カナダといえども、偏見やステレオタイプはある。それが日常的でNon-dangerousだけなものじゃなくて、犯罪や警察にまである、ということ。

本の最後は、思いがけずちょっと悲しい結末だったけど。トロントのダウンタウンを舞台に描かれてて、親近感がわきました。あたかも、本当に主人公たちが存在してるかのように。


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