「自分の子どもがごみを拾っているのを、私は叱ってたのよ。それは貧しい人の仕事だって。あんたは勉強だけしてなさいって。でも、今日講習会に参加して、自分が間違っていたことを知ったわ。ごみは、ごみじゃないのね。価値があるのね。この子は正しいことをしていたのね。」
11月中旬に、西ロンボクのブミ・ハラパン・プルマイ村の女性たちに講習会を実施したときに、ひとりのお母さんが私に言った言葉です。
↑ 講習会の前に、いろいろなクラフトを見て驚く女性たち。
下は、同村での第一回目の講習会の時の様子です。
(Yui-Tool membuat sosialisasi di dusun Bumi Harapan Permai, Telagawaru, Labuapi, Lombok Barat pada bulan 11 2015.)
ゆいツールが開発した「ごみについて考えるプログラム」を行いました。このプログラムの中で、ごみを「オーガニックごみ(土に入れたら消えるゴミ)」と「ノン・オーガニックごみ(土に入れても消えないごみ)」に分けるワークと、ノン・オーガニックごみを「まだ使える(リサイクルできる)ごみ」と「もう使えない(リサイクルできない)ごみ」に分けるワークを実施したのですが、いつもぽいぽい捨てているものたちに、実は価値があったことを多くの女性が知りました。
中央の、赤い袖の服を来た男性は、マタラム大学の学生ワリッドくんです。
9月にグントゥール・マチャン村のトレッキングをしたときに知り合いました。グントゥール・マチャン村の農民と協働で、アレンという植物の甘い汁をブレンドしたコーヒーやしょうが湯を開発した若者です。見込みがあるので、ゆいツールの活動に時々誘うことにしました。
この日はほかにも、何人かの学生さんが一緒に参加しました。
2回目の講習会では、ウダヤナごみ銀行のティアさん(写真右)を講師に、プラスチック袋を使ったクラフトづくりを行いました。
いつもの講習会風景です。(ちなみに、冒頭の言葉を発したのは、この写真の右端の女性です)
子どももお手伝い。
この村の女性は働きに出ている人も多く、村にはまだごみ銀行もないので、自分たちでプラスチック袋を集めてクラフトづくりをするようになるかはわかりません。
ただ、ゆいツールをこの村に呼んでくれたアグスさん&エマさんご夫婦は、自分たちでごみ銀行を始めたい、と考えています。
ゆいツールは来年度以降、そういった意欲のある人たちをごみ銀行運営者(リーダー)に育てるための活動を実施していきたいと考えています。
一方、同じ西ロンボクのレレデ村では、NTBマンディリごみ銀行のアイシャさんを連れて、第2回目の講習会を行いました。
(Yui-Tool membuat pelatihan kedua kali di desa Lelede, Kec Kediri, Lombok Barat pada bulan 11 2015.)
この村は焼き物の里バニュ・ムレック村の隣にあり、焼き物づくりをしている村人がいたり、女性たちはクルプッ(せいべい)づくりをしていたり、手作りするのは得意な人が多そうです。
女性たちは、柄を自分で工夫することができ丁寧に作ることができそうなので、今後ウダヤナごみ銀行の材料を提供してこの村の女性たちに商品を作ってもらうのも悪くないな、と思いました。
この後、アイシャのごみ銀行を訪れたら、傘がありました。
ごみから作られた傘。(Payung buatan dari sampah plastik.)
ごみは、本当はごみじゃない。ごみを捨てることはお金を捨てることなのだと、ロンボクの住民ひとりひとりが気づくことで島は少しづつ変わっていくでしょうか。
(山)
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