今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「兼好忌」随筆『徒然草』の作者兼好法師の忌日

2007-02-15 | 人物
今日(2月15日)は、「兼好忌」。鎌倉時代末期から南北朝時代(室町時代初頭)の随筆家・歌人で、『徒然草』の作者として知られる兼好法師(俗名・卜部兼好)の1350(正平5)年の忌日。ただし、1352年(文和元年/正平7)にはまだ存命だったとの説もあるそうだ。
本名は卜部兼好(うらべ かねよし/うらべ・の・かねよし)。兼好の生家・卜部家は、京都吉田神社の神官をしていた。卜部氏は古代より卜占を司り、神祇官を出す神職の家で、兼好の父も吉田神社の神職であった。
後宇多院北面の武士として仕え、従五位下左兵衛佐まで上ったが、上皇の死後、出家して兼好(けんこう)を名乗った。一般に「吉田兼好」と呼ばれているのは、そのようなことから、子孫が吉田姓を名乗った為に後世の人がつけたものだそうである。
吉田兼好が書いた随筆『徒然草』(つれづれぐさ)は、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』と合わせて日本三大随筆の一つと評価されている。
清少納言の書いた『枕草子』は平安時代の当時としては、少しギャルっぽい、ひたすら明る女性の書いた「いとをかし」の文学である。これに対して、鎌倉時代、1212(建暦2)年に記された鴨長明の『方丈記』、それから、およそ100年後の1330(元徳2)年8月から1331(元徳3)年9月頃にまとめられたとする吉田兼好の『徒然草』の二つの随筆は、同じ随筆でも平安時代とはうってかわり、俗世を捨てて出家した遁世者〈とんせいしゃ〉による「無常観」の文学といわれものであり、中世の随筆の双璧といわれている。しかし、この『方丈記』と『徒然草』の性格もかなり違っている。
長明の『方丈記』は、400字詰めの原稿用紙に書けば僅か20枚余りに小編で、題名の「方丈」は、長明が晩年、日野山に方丈(一丈四方)の庵を結んだことから「名づけたもので、有名な以下の書き出しで始まる。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの、水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたる例(ため)しなし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。」
このように、長明が一貫して人と世の無常を散文詩のような形で記したのに対して、兼好が書き綴った『徒然草』は、上下2巻、序段を含めて244段から成り、有名な以下の書き出しで始っている。
「つれ\〃/なるまゝに(退屈なので)、日ぐらし(終日)硯に向ひて、心に移り行くよしなしごと(つまらぬ事、らちもない事)を、そこはかとなく(とりとめもなく)書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ(妙に變な気持がする)。」
題名もこの序文から付けられたものであり、さも、兼好が退屈を凌ぐために書いたようになっているが、内容は兼好が歌人、古典学者、能書家などであったことを反映し、まさに、中世のさまざまな文章の模範文例集のようであり、詠嘆・教訓・厭世観、一転して現世を現世として楽しむ姿勢と色々であり、また、そのようなことから、兼好の正体を知ることがなかなか容易ではないと言われている。
長明の『方丈記』から『徒然草』までは、100年余りの時間の経過もあり、中世の知識人の移り変わりをよく示しているといえるだろうか。
『徒然草』の最後から二つめの第242段は、兼好の人生についての考えの総まとめとでも言うべきものであり、以下のように記している。
「とこしなへに、違順(ゐじゅん)につかはるゝ事は、偏に苦樂の爲なり。樂といふは好み愛する事なり。これを求むる事止む時無し。樂欲(げうよく)するところ、一には名なり。名に二種あり。行跡(かうせき)と才藝とのほまれなり。二には色欲、三には味ひなり。萬の願ひ、この三には如かず。これ顛倒(てんだう)〔顛倒見或は顛倒の妄見と云ふ、此の世の無常を常と誤り、苦を樂と、無我を我と、不淨を淨と誤る人間の妄見。〕の相より起りて、若干(そこばく)の煩ひあり。求めざらむには如かじ。」
違順とは、仏教用語で、 ”違境と順境。心に苦や不快を与える対象と、楽や快を与える対象。”をいう。つまり、意訳すると、人間が永遠に運命の奴隷であるのは、ひとえに好き嫌いの感情があるからである。好きという感情は欲望の現われである。人間の欲望は止むところがない。人間の欲望のうちで一番目に来るのは名誉欲である。名誉欲には二つあって、人に勝つことと人に認められることである。二番目に来るのが性欲で、三番目が食欲だ。この三つの欲望より強いものはない。しかし、欲望を満たしても人間は幸福にはなれない。それはまったくの勘違いなのだ。だから、人間はさんざんに悩むのである。幸福になる唯一の方法は、欲望を捨てること。と、兼好は、「人間の欲望で最も強いのは名誉欲、その次が性欲で、その次が食欲だ」と喝破し、楽に生きるためにはそれらの欲を捨てなさいといっているのだが・・・・。
いや、現代で言えば、第一が「お金」第二、第三がなくて、後は、性欲かな???。あなたはもっと違う欲求を持っているかな???私など、この年代になると、ただただ、苦しまずに楽に死ねれば、ほかには、何の欲求もない・・。本当だよ・・。性欲なんて・・・全然・・・。(-。-) ボソッ、早すぎる・・・。
以下参考の古典の図鑑・兼好法師の『徒然草』 原画:西川祐信は、全部で244段からなる 『徒然草』の挿画52枚に原文と簡単な意訳をつけたもの。面白く見て読んで、兼好のいわんとしていることが大体分かるよ。
古典の図鑑・兼好法師の『徒然草』 原画:西川祐信
http://www3.starcat.ne.jp/~koten/tulepage/tmokuji.html
又、この絵物語と原文又意訳のものと読み比べるとなお、よく分かるよ。原文なら以下で。↓
【徒然草】吉田兼好(Taiju's Notebook)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/turez_1.htm
意訳したものなら以下がよいのでは・・・誰でも理解できるよ。↓
吉田兼好『徒然草』の紹介
http://www.geocities.jp/hgonzaemon/intro_kenkou_intro.html
(画像は、兼好法師の『徒然草』原画:西川祐信【1段】いでや。以下参考の古典の図鑑・兼好法師の『徒然草』 原画:西川祐信より借用)
吉田兼好 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E5%85%BC%E5%A5%BD
吉田兼好『徒然草』の紹介
http://www.geocities.jp/hgonzaemon/intro_kenkou_intro.html
【徒然草】吉田兼好(Taiju's Notebook)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/turez_1.htm
【徒然草】吉田兼好(Japanese Text Initiative)
http://etext.lib.virginia.edu/japanese/tsure/YosTsur.html
方丈記 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B9%E4%B8%88%E8%A8%98
図書カード:方丈記
http://www.aozora.gr.jp/cards/000196/card975.html
官制大観
http://www.sol.dti.ne.jp/~hiromi/kansei/yoro01.html
お得区短歌案内
http://www5c.biglobe.ne.jp/~n32e131/toukou.html
古典の図鑑・兼好法師の『徒然草』 原画:西川祐信
http://www3.starcat.ne.jp/~koten/tulepage/tmokuji.html
千人万首―よよのうたびと―
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin.html