今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

海苔の日

2007-02-06 | 記念日
今日(2月6日)は、「海苔の日」
全国海苔貝類漁業協同組合連合会(全海苔漁連)が1966(昭和41)年に制定し、翌年から実施。702(大宝元)年1月1日(新暦2月6日)、大宝律令が施行され、その中で海苔が産地諸国の物産として年貢に指定された。また、この頃に海苔の生産の最盛期を迎えることから、2月6日を記念日とし、「海苔の日」までの一週間を海苔ウィーク( 1月31日~2月6日 )とし、売り上げ金を漁船海難遺児育英会に寄附するチャリティーセール等が行われているようだ。
ノリとは、海藻(かいそう)を表す古語の一つであり、ヌルヌルするという意味の「ヌラ」がなまって「ノリ)」になったと考えられているそうである。海藻とは、肉眼的大きさ以上の海産藻類の総称である。だから、食用としない多くの種類の海藻にも、○○ノリ、~~~ノリという名前がつけられている。その中で、一般的に海苔(のり)といっているものは、緑藻類紅藻類褐藻類などの食用とする海藻(かいそう)の総称、また、それらの海藻を漉いて紙状に乾かした食品をいう。韓国では海苔のことを海衣(ハイホ)、中国では紫菜(シーツアイ)と呼ばれているそうだ。
以下参考の「海苔のはなし」によると、大陸から仏教が渡来し、肉食から菜食を主とするようになった飛鳥・奈良の人たちが食べた藻類は20種以上を数えるそうだが、多くはニギメ(わかめ)、アラメ(ところてん、てんぐさ)、ムラサキノリ(海苔)等であったようだ。
歴史にあらわれる海苔の最初の記述は『常陸国風土記』(713年)に登場しており、日本武尊(やまとたける)が霞ヶ浦を巡回して「海苔の多くを乾かしてある地」を「乗浜(のりはま)」と名付けた。と記録されており、そこには、3種の海藻が書かれているそうだが、その一つはを作るためのものであったようだ。当時の製塩法は「藻(ホンダワラ等)の上に何度も海水を振り注いで乾燥させ、その藻を焼き、できた灰を濃い海水に溶かして、さらに煮詰める。」方法であった。この海岸での「海藻焼」はその後もずっと続けられ、万葉集などにも多く歌われている。
「須磨の海女 塩焼き衣の なれなばか 一日も君を 忘れて 思はむ」6・947
我が地元神戸の須磨の海でも良く見られた光景であり、万葉集にも3種読まれているが上記のものは、山辺赤人(やまべのあかひと)が、駿馬(みぬめ=神戸市須磨区岩屋)で詠んだものである。
また、歴史上の文献に初めて登場するのが、702(大宝2)年2月6日に執行された日本最初の法律書といわれる「大宝律令」であり、この中には、朝廷への調(現在の税金)として約30種類の海草類が挙げられており、そのうち8種類が海藻で、納める種類毎に量が定められていて、海苔(「紫菜(むらさきのり)」がその1つとして表記されており、男子が年間納める量は49斤となっており、海藻の中では収める量が一番少ない事から「海苔」が当時から、第一級品であたことが伺えるという。
710(和銅3)年に遷都された平城京(奈良時代)には、海草類を売る「にぎめだな」、海苔や昆布を佃煮のように加工したものを売る「もはだな」という市場も存在したそうだ。
こうして海苔は日本の食文化に定着し、987年頃(平安時代)に書かれた『宇津保物語』には、「甘海苔(あまのり)」や「紫海苔(むらさきのり)」といった具体的な名称で海苔が登場しているという。そして、鎌倉時代には、海苔が伊豆の特産品として脚光を浴び「吾妻鏡」では源頼朝が都に海苔を献上したとの記述も見られる。
しかし、海苔は上流階級である貴族や武家などのごちそうだったようで、庶民の食卓にのぼるようになったのは、江戸時代からだったようである。
江戸中期・元禄時代の俳人芭蕉の句に「衰えや歯に食いあてし海苔の砂」というのがあり、元禄時代までの海苔の製法は、採った海苔をそのまま広げて乾かしたものであったようだ。その後、養殖されるようになってから、海苔を細かく刻んで紙のように「すいて」作る「すき製法」が行われるようになり、この製法を最初に行ったのが「浅草」だといわれているという。(1680年代から)
今では海苔も安く買える様になったとはいえ、良い海苔は、やはり、高いよね~。
この海苔の産地別・2006年度の都道府県別生産量を見ると、1位が、佐賀県で21億6千枚、2位が、福岡県14億8千枚、そして、我が地元・兵庫県が14億7千枚で、3位に入っていたよ。有明や浅草などの有名な海苔と共に、「須磨海苔」も人気があると言われているのだが、私は、余り食べていないな~。
定期的に登っている裏山の頂上の休憩所から須磨方面の海を見ると、沖に張られた海苔の養殖枠が見える。食べてみないといけないな~。
海苔には栄養が豊富で、その中のEPAは血栓症の予防に効果を発揮し血液をきれいにしてくれ、悪玉コレステロールを減らしたり、肥満の原因である中性脂肪を減少させる嬉しい働きもあるそうだ。また、タウリンは血中のコレステロールを下げる働きをしてくれ、血圧の降下や高血圧に関連した動脈硬化症、血管障害による脳卒中、脳血栓のどの脳疾患、さらには心筋梗塞などにも効果があると言われているという。私には、ぴったりの食べ物だ。でも、塩分が多いので、気をつけないといけないかもね。
(画像は、英虞湾の海苔養殖 河口近くの胞子付け作業。フリー百科事典Wikipediaより)
参考:
海苔-全国海苔貝類漁業協同組合連合ホームページ
http://www.zennori.or.jp/
海苔 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E8%8B%94
海苔のはなし・山本山
http://www.yamamotoyama.co.jp/wisdom/nori/index.html
類聚倭名抄』や『延喜式』に記載のある魚介類
http://www2u.biglobe.ne.jp/~heian/kenkyu/gourme/sakana.htm
巻の二 『常陸国風土記』
http://www5b.biglobe.ne.jp/~yottyann/73242955/
藻塩焼く「須磨」コース・古代海人と源平の史跡を訪ねて
http://202.233.47.131/KANSAI/manyo/18/4-1.html
塩 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9
吾妻鏡・1194年 (建久5年 甲寅)
http://www.asahi-net.or.jp/~HD1T-SITU/azuma/119401.html
漁師さんおすすめ“初摘み”須磨海苔
http://www.yumetai.co.jp/items/it_20335.html