いつものコースを行く。4kmはあるだろう。1時間強かかかるのだが、小走りになることもあるし、急ぎ足になることもあるが、立ち止まったり、引き返したりもある。
散歩の初めは、こっちもしっかりしているので、気を遣う。路上の物を食べないように。この拾い食いがなくなると良いのだが。また、リードを引っ張らないようにしてくれると嬉しいのだが。更に猫を見ても、飛びかかろうとせず、平然と見過ごすことができるようになればこれに越したことはないのだが。
現実は、壁に休んでいたコフキコガネを目の前でバリバリと食べてしまうし、リードはピンと張っていることが多いし、散歩の終わり頃に、猛然と走り始めたと思ったら、その方向に猫がいるのだった。
大きな川から離れて水田に出た。カモが一羽、眼前を横切り、すぐに別の水田にボチャンと着水した。着地というべきか。私は身長が1.7mで、視線の先だったので、1m位の高さだったろう。何より近くだったので、焦げ茶色と白色の羽の配色に目が行った。なかなかよろしい。すっきりしている。私の目を奪ったのは、その目だった。真面目という言葉が浮かんだ。そう、真面目な目をしていた。はて、今頃、水田にいて何か食べるものであるのだろうか。
もう一つの小さな川に至る。川の中を見る。魚影が薄い。見えるのは亀だけ。水中にぽっかり浮いて首だけ伸ばして甲羅は水の中。大きいのは、甲羅だけで5,60cmはあるが、2,30cmのものがほとんどだ。アカミミガメだろう。少なくとも10の頭を数えた。亀は魚のように泳げないし、鳥のように飛んで行くわけにはいかない。定住性が高い。川のことを一番よく知っているのかもしれない。亀は記憶力がかなりあると聞いたことがある。
川下から来る場合、川の右岸から来る車は大抵が右折である。左岸からの物は逆に左折である。川上から来る場合は、逆になる。国道に出る前に出来るだけ、目的地の近くに寄ろうとしているように思える。道をよく歩くようになって、排気ガスの臭いの強い車があることに気が付いた。殆どしないのが殆どであるが。