国道の信号が丁度青になっていたので渡る。渡ったらすぐに左に行くのが通常のコースなのだが、犬に引きずられてまっすぐに行って、踏切を渡った。何か月か前に、来たことはある。その前にも、2,3回は来たろう。自分の意志でコースを決めたとばかりに、犬は力強く引っ張る。それが、突然だったり、全くの逆方向だったりして、上半身を全く逆の方に向かされたり、踏鞴を踏ませられたりする。その時、常にあゝとかおゝとか叫ばされる。このうと思う。犬を見ていないからそうなるのだと言われたら、その通りと認めざるを得ないけれども。ある信号の所では、信号が3回変わるまで、同じ所を行ったり来たりさせられた。道路に食べ物になるものが落ちているらしい。路上の物は絶対に食べさせないつもりなのだが、つい油断して、やられることがある。
川の中に自転車が落ちていた。いや、捨てられていた。別の川にも自転車が投げ捨てられていた。もし、自分らが子供の時分、このように川の中に自転車を見つけたら、これ幸いと縄でもかけて引き揚げて、修理して乗ったものだろう。どうしても修理が出来ないと分かっても、役に立ちそうな部品を取り外しただろう。絶対にそうしただろう。
絶対が2回続いたが、絶対という言葉は絶対に使わないと思ったことがあるが、絶対というものはなく、すべて世のことは相対的であると観念したことがあったからだ。また、子供の時代のように絶対は絶対あると感じるようになったようである。
新しくできた大型商業施設群の横を通って、川を渡る。橋の上で、川幅の部分の歩数を数える。20歩。橋の真ん中から数えたので、川幅は40歩の約24m。古墳のある丘の麓から西に向かい、市の施設の敷地を通って、最近、新設された駅の裏に出た。すぐそばのウナギ釣りを見た川を見ると、逆流していた。つまり、下流から上流に水がかなりの勢いで流れていた。潮が満ちているのだ。ここは海岸から1km以上離れているが平らなので、潮の満ち引きの影響を直接受けるのだろう。国道に出て帰る。