貨物列車の脱線は機関車の車軸が折れていた
7月24日に、JR山陽線新山口駅構内で福岡貨物ターミナルから東京貨物ターミナルへ向かっていた24両編成の貨物列車の先頭の機関車が、発車直後に脱線した事故があった。電気機関車はEF210形の341号機。(東京新聞、テレビ西日本から引用)
EF210形は貨物用電気機関車の主力機種で、車体横に「桃太郎」と描かれているので直ぐにわかる。(全車両に描かれているかは不明)国の運輸安全委員会の調査で、機関車の一番前の車軸(両側の車輪を取り付けている軸)が折れていたことが分かった。調査員は詳しく話していないが、その発言から推測すると、車軸と車輪の接合部が破損していた?
デフォルメして描いています。車軸は黒い部分。
事故のあった日のTVでは、貨物列車の出発直後だったので、ポイントの切り替えミスが原因かも?(私もありうると思っていた)と言っていたが、機関車の車軸が折れたとはありえない! もっとも、脱線して折れたのか、折れたので脱線したのか、不明だけど、そもそも車軸が折れるなんてありえない。
脱線の不審な理由
- 発車直後なので、それほど速度が出ていない
- 341号機は数年前に製作された比較的新しい機関車
- 車軸は脱線くらいで折れない
- 脱線以前に、車軸が折れていたなんて、さらにありえない
運輸安全委員会は341号機と同時期に製造された機関車も調べるとしているが、その結果は未だ報道されていない。また、ポイントが正常に動作していたのかも報道されていない。
しかし、車軸が折れるなんて今までの大きな事故でも聞いたことが無い。酷い話なのは日本の劣化かな?
新幹線の保守車両同士の衝突
7月22日の深夜、東海道新幹線の豊橋駅と三河安城駅の間の上り線で、保守用の車両が走行中に、停車していた別の保守用車両に衝突し2台とも脱線しました。JR東海は、衝突した車両の運転士がブレーキ操作をしたものの何らかの原因で利かず減速できなかったと説明している。(日テレから引用)
保守用の車両のブレーキが利かず減速できなかった?
停車していたのはマルチプルタイタンパー(枕木の下の砕石を突き固める車両)で、これに6両の砕石運搬散布車を牽引していたモーターカー(小さい機関車)が衝突した。したがって、ブレーキが利かなかったのはこのモーターカー+砕石運搬散布車です。
このモーターカー+砕石運搬散布車のブレーキは2系統無かったのかな? 自動車でも2系統あるように、鉄道車両にも2系統あるはずだけど? 2系統目のブレーキは効きが弱くて、減速したけど止められなかったのかな? (あるメディアには、非常ブレーキをかけたけど止まらなかったという記事が出ていた)
上記の文を書いた後に、予想よりも早く8月5日にJR東海が原因を発表しました。その発表と他の情報から、おおよその状況を書きます。
ブレーキが効かずに衝突した保守車両は、砕石運搬散布車6両の前後にモーターカーを2両と1両連結した計9両編成でした。モーターカー3両のブレーキは異常が無かった。砕石運搬散布車3両は破損が酷くてブレーキの作動を確認できなかったが、破損していない3両を確認したところ、ブレーキをかける制輪子が摩耗し、ブレーキ力が大きく低下していた。このことからすると、破損が酷い3両の制輪子も摩耗していた可能性がある。
この事故の最大の問題は、作業前にブレーキ力の確認をしなかったこと。作業前にブレーキ力の確認をするのは基本中の基本であるが、今回はそれを省いていた。一部の報道では、ブレーキの確認がメーカーの作業指針と異なるからと書いた記事もあるが、本当にそうなのかな? 私が思う一番の問題は、作業前にブレーキの効きを確認しなかったこと。プロとしてはありえない。
基本中の基本がなっていない
車軸が折れていたり、ブレーキの効きを確認しなかったり、基本中の基本がなっていないね。ありえないチョンボです。
2024年8月14日
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