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中国原潜の事故

2024年10月05日 | 国際・政治(中国)

中国原潜に関する事故がネットに掲載されています。いずれも西側の推測情報なので中国は認めない。中国は確固とした証拠があっても、放射能漏れが検知されても否定するでしょう。しかし、中国の原潜事故で放射能が漏れたら被害をこうむるのは、台湾か韓国、日本なので他人事ではありません。その被害は日本の原発処理水どころの話ではありません。中国は、アメリカ以外の弱腰の国(日本のことです)には強く出る。

 

中国原潜の2023年黄海での事故

 

この事故は、2023年10月12日のブログ「中国の原潜が黄海で事故?」にも書いています。事故を起こした場所は山東省沖の黄海です。事故を起こした原潜は2006年から運用が始まった攻撃型で、全長107メートル、全幅11メートル、排水量7000トン、最高速度は時速30ノットの性能です。

 

この原潜が、西側の潜水艦を捕獲するため中国が設置した障害物に誤って衝突し、原潜の酸素システムが故障したため50人以上の乗組員全員が死亡したという事故です。事故を起こした原潜は、その後浮上した(なぜ浮上したのか、理由は不明)ので、放射能漏れは起こさなかったようです。

 

中国原潜の2024年長江での事故

 

これは最近、アメリカ政府当局者の話として、米ウォールストリート・ジャーナルが伝えた中国原潜の事故です。2024年5月下旬~6月上旬に、中国湖北省武漢近郊の揚子江に面した造船所で係留されていた最新鋭の原子力潜水艦が沈没したそうです。

(中国は揚子江沿いの造船所でなぜ原潜を作るのかな? 揚子江は浅いので、原潜は海に出るまで浮上して航行することになると思うけど? 外国人に見られてしまう)

 

沈没したのは攻撃型原潜「周」級の1番艦。5月下旬に航海に出る前の最終整備が造船所で行われていたが、沈没したとみられる。6月上旬の衛星写真では、原潜が係留されていた桟橋に大型のクレーン船が到着し、沈没した潜水艦を川底から引き揚げている様子が確認されている。桟橋にいた原潜が突然いなくなり、代わりにクレーン船が何かを引き上げているのが見えたという表現だけなので、直接証拠は無いようです。

 

気になる核燃料ですが、原潜に搭載されていた可能性は高いが、沈没場所が川なので、水深が浅く、引き揚げられて回収された可能性が高いと思われる。しかし、放射能漏れが起きたら揚子江が汚染されるので、国内で大問題になる。

 

二度あることは三度ある

 

中国原潜の事故は未だ続くでしょうね。そして、都合の悪い事故は隠蔽するはず。今までの二回の事故では、幸いなことに放射能漏れは起きていない(推測です)が、3回目の事故が起きたら、放射能漏れが起きないとは言い切れない。中国原潜が事故を起こし原子炉が損傷すれば、漏れた放射能が空中や海中に拡散し被害を拡大するので、福島の原発処理水の比ではない。

 

解体ロシア原潜から放射能は漏れていないか?

 

2024年9月17日の共同通信は、「ロシア極東、退役原潜82隻解体 国営企業『ソ連の核遺産が消滅』」と言う記事を配信しています。

 

その内容は、ロシア国営原子力企業ロスアトムの副社長が、退役した原子力潜水艦82隻の解体を極東で完了したというもの。解体したのは良いけど、放射能漏れは本当に起きていないのかな?

 

2016年12月23日の「『おままごと外交』の日ロ会談とロシア原潜解体」に書いたように、

 

「旧ソ連崩壊の混乱で、百数十隻の旧ソ連の老朽原潜が極東やヨーロッパの港に放置されていました。これらの老朽原潜から放射能物質が漏れだす危険があったので、G8各国を中心に解体処理費用を最大200億ドル拠出して、ロシアに作業させることになった。日本も極東に係留された老朽原潜の処理に2億ドルを拠出した」

 

実際の解体作業はロシア側がやったが、解体費用として3兆円近い金額をG8各国が拠出し、日本も300億円近い金を出した。ロシアの原潜は、ボロボロの状態で係留されていたそうで、その間に本当に放射能漏れが起きなかったのか、疑ってしまう。

 

いずれ起きる中国原潜の放射能漏れ

 

例えば、約30年前にノルウェー海の深さ1680メートルの海底に、火災事故を起こしたロシア原潜が沈んでいる。この原潜近くの海水から、高濃度の放射能が検出されている。

 

また、原水協の「ベローナ報告」という文書によれば、

「事故または広範囲の損傷のいずれかにより、現在6隻の原子力潜水艦が海底に横たわっている。2隻は、アメリカのもの(USSスレッシャーとUSSスコーピオン)で、4隻はソ連のもの(K-8、K−219、K−278コムソモーレッツとK-27)である。アメリカの潜水艦2隻とソ連の潜水艦3隻は事故によって沈没した。」

 

中国の原潜も、いずれ事故を起こす。ロシアやアメリカの原潜がそうであったように。特に経験不足の中国の原潜は怖い。その時が来ないことを、またその時は日本近海に放射能が流れて来ないことを祈っています。

 

2024年10月5日

 


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