「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「まびき菜」

2020年11月02日 | 晴耕雨読

                                          
          間引きしたニンジン。間違いなく黄色い根っこを伸ばして

夏の終わりに種まきした、カブ・ダイコン・ホウレンソウ・春菊・ミズナ・チンゲンサイなどの葉物や根菜が順調に成長して、株と株がひしめき合っている。さらに多くの収穫を期待するなら、思い切って株間を空けるために間引きをしなければならない。これもまたこの時期に精を出す大切な仕事のひとつである。

畑の都合で遅まきとなったニンジンが、いま無数に芽を出して、葉と葉を絡ませて互いの成長を抑え合っている。しっかり間引きをした。葉も未だ生育途中で大きく伸びてはいないが、間違いなくニンジンの葉っぱである。根っこはまさにニンジンそのもの。地中深くにスーっと一本の黄色い根っこを伸ばしている。

この間引きという作業は、幼いころの我が身を思い出してついホロッとするものを感じる。
農作業の中では、元気のいい、文字通りの成長株を残して、成長株の妨げとなる発育不全や余分な株を抜き取る。その一手間が豊作を約束する、と分かっているから仕方なく間引きをする。我が気の向くままにするのなら、全部をそのまま成長させて、いわゆる競争原理の社会に置き、その中からよく育ったものから順番に食卓に載せる。そのようにしたい衝動に駆られる。

小中学校の頃までは多くの場合、成長株を助けるための間引対象にされた思い出が多い。滅多に「成長株」として残してもらう立場に置かれた記憶は少ない。ニンジンを間引きながら「お前さんだってこのまま置いてやったら十分に育っただろうにねー」とつぶやいてみる。但し、間引き菜は柔らかくて風味は間違いなくそのものの味を出して、季節先取りの優しい食材になる。

「間引き作業」これも一つの仕組みであり、人間社会にも、野菜の社会にも厳然と生きている生存競争みたいなものである。間引かれたくなかったら、いち早く栄養を吸って土を噛み、周囲より早く成長しなければならないということか。そんなこんなを色々経験してきたね~。

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