二十四節季の一つ夏至。今日から夏に至るということで本格的な暑さ到来にいささか怯えを感じたりする。しかも、1年のうちで昼間の時間が一番長い一日。そう云えば冬至という節季を思い出した。秋から冬に至るといわれ寒さが一段と厳しくなる日、そして夏至とは逆に1年中で昼間の時間が最も短い一日。そんなあれこれを考えてみると、季節の移り変りとは実に面白いし不思議な魔力・魅力を秘めている気がする。
何で夏至の日は昼間の時間が最も長くなるの? それはね、太陽の位置が1年の中で最も高くなるので、日が昇ってから沈むまでの時間が長いのだという。だから正午頃に太陽がほぼ真上を通るため自分の影が最も短く見えるのだという。そんな実感をしてみたかったのに、残念ながらあいにく朝からの雨模様で太陽に恵まれず、短いと言われる影を実感できなかった。
雨のお陰で日の長さを実感できなかった分、関西方面の謂れに従ってタコの脚を食した。さすが季節の需要からか高価な食材となった。
なんでタコの脚を食べるといいの? それはね、田植えの終わった稲田がこれからの太陽の恩恵を受けて、稲の根っこがタコの脚のようにしっかり根を張り、豊作を願ってお百姓さんが食べたことに由来しているという。別に農家でもない小生がなんでタコを。まあ稲に限らず、生きている間はしっかり地面に足を付け根を張って生きていけるのに越したことはない、などと少し欲張ってみた次第。
ちなみに、夏至から11日目を半夏生というのは皆様ご承知の通り。はんげしょう、何とはなしに耳障りの佳い言葉ではあるが、半夏(カラスビシャク)という毒草が生えるので注意をという側面もあるようだ。熱中症にも半夏の毒性にも気を付けたい季節でもある。