周到な準備を重ねて、ついに海岸清掃本番を迎えた。無事成功させるための必須条件がいくつかある。
先ずは晴れてくれること。次に初冬特有の北風が吹かないこと。こういった気象条件ばかりは、我々の力も及ぶべくもない。ただただ神頼みあるのみ。
必死な思いの神頼みを聞き届けてもらえたとあってか、午前9時の開始時刻には太陽が優しく微笑み、風もゼロではないが、漁船が浅瀬に接岸する妨げにはならない程度の微風。早く始めたくて開会行事の注意事項伝達を急ぎ過ぎて何度か噛んでしまった。兎に角天候には恵まれた。
問題は参加者人数である。終息の見えないコロナ禍の中で、無鉄砲な大人数の集結は許されない。されど、漂着ごみの量を見せられると、やはり人生経験豊かな一般参加者の手は絶対に欠かせない。地元中学校からは生徒90人、教職員10人合わせて100人の参加は約束されているのだが、一般参加者の絶対数が気にかかる。蓋を開けてみると、こちらもお天気同様我々の意図する人数200人近い人が受付名簿に名前の記入があった。いよいよスタート。
現場1 ビフォー (11/4 14:30) 現場1 アフター (11/6 15:00)
現場2 ビフォー 現場2 アフター
現場3 ビフォー 現場3 アフター
現場4 ビフォー 現場4 アフター
あらかじめ分けておいた4つの現場にそれぞれ分散し約90分の短期決戦。
スタートして間もなく携帯電話が鳴る。「こちらにもう少し人数を寄こしてくれ」「ごみ袋が不足気味なので至急補給してくれ」など現場担当者から矢の催促が来る。慣れない砂浜を走って、取り敢えずフォローをしなくてはならない。
「あれほどの実行委員会を開いて役割分担したのに・・・」と思っても仕方ない、ただ行動あるのみ。兎に角短時間で風の吹かないうちに、漁船による海上運搬を出来るだけ回数を稼がないと。風の影響で漁船が使えなかった昨年の苦い経験が頭をよぎる。
なんだかんだ色々あったが、参加総数300人、漁船5隻による海上運搬で集積したごみの総量約5トン。これは過去の最高に匹敵する成果を上げたことになる。しかも微細のけがはもちろん、体調不良など救護班の手を煩わせることもなく無事終了。
地元の中学生・高校生にも、たとえわずかでも故郷の美化に感心を持ってもらうきっかけになればこれに越したことはない。
多少言いにくいことも言って、準備にかけた時間が無駄にならなかったことにホッとしている。地域の活力に感謝!!