久しぶりにゆっくり里帰りした姫孫二人。何は置いても先ずは芋掘りをさせねば、と待ち構えていた。本人達もその気になり切っていた。
芋掘りもやはり時期というものがあって、あまりにも時期を逸すると地中で良からぬ虫に襲われる。何事にも一番敵した良い時期はある。
早速掘り始めると、あるわあるわ。大ぶりな坂田の金時が次々と顔を出す。可愛らしい手を泥だらけにしながら、芋の姿を探していく。
芋が姿を見せると、それはそれは大きな歓声を上げ、はち切れんばかりの笑顔を見せる。
この歓声。あふれる笑顔。これを見るため5ヶ月前の暑いときに、腰をかばいながら耕し、畝を作り、苗を買って植えたのである。
日照り続きの夏は何度も何度も水やりをして、まさに育て上げた少しばかりのサツマイモ。
6歳のお姉ちゃんが掘り出すのに苦労した、本人の顔より大きいのは800gもあった。
2歳の妹が彫り上げたのは、本人の顔と似たような丸さで、こちらは500gであった。本当はこれほど大ぶりでなくてもいいのだが。
毎年のことで変わり映えのしない話ではあるが、大きな歓声を上げて喜ぶように肥やしをやって、同じように育てても、収穫猟は毎年異なる。
素人なりの手抜きなしだが、天候や雨量、日照時間、など手の届かない自然界の思惑によるのだから、ただ黙って受け入れるしかない。
夕方にはラグビーワールドカップ日本大会の優勝戦が行われた。日本チームがベスト4をかけて戦って敗れた南アフリカの優勝で終わった。
監督やコーチが必死になって育て上げたチームでも、最後に勝ち残るのはたったの1チームだけ。非情と言えば非情。当たり前と言えば当たり前。
みんなそれぞれに工夫して、汗と泥にまみれて努力しているのに、結果とはこういうことだ。
何を今さら・・・・・・ではあるが、自然界の厳しさと、勝負の世界の厳しさには共通するものがあるようだ。