「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「兄ちゃんのお裁縫」

2017年08月10日 | 家族・孫話

                                                  

スキーの上達を目指して、親元から遠く離れた高校を選択した孫兄ちゃん。
学校から最も近いコンビニまで行くのに自転車で30分という山に囲まれた田舎町。そんな環境の完全寮生活も、すでに2年生の夏休みを迎えた。ということは、逃げ帰ってくるほどの不便さやストレスまでには至らず、環境に馴染んだということなのだろう。
むしろ時間を持て余し気味で、読書の習慣が身についたらしく、いろんなジャンルの本をめくっているという。
メールのやり取りやしゃべり方、話す内容まで、急に大人っぽくなったようで、親元を離れたことが大いにプラスに働いているようだ。

もっとも、小学4年生から一人で遠くのスキー合宿へ行かせてもらったりして、自活にもある程度慣らされた部分もあったような。
そんな高校2年の孫兄ちゃんが、夏休みで帰省している。
「持って帰った荷物の中から学生服のズボンが出て来た」と笑いながら母親が我が家に持ち込んだ。

よく見ると、裾上げを固定する縫い方としては全く素人の手できっちり縫い合わせてある。それもご丁寧にミシンで縫い合わせたほどの細かい針の運び目で、その上縫い目も糸もズボンの表面にはっきりと出ているではないか。これは紛れもなく孫兄ちゃんの手による、一生懸命手繕いを試みた「仕事」の跡である。「笑うに笑えない」とは、元縫製プロのババ殿のセリフである。

今回の裾上げは、寸法を変えるとかの複雑な作業ではなく、これまでの「まつり糸」が切れて、折り込んでいた内側の生地が垂れ下がるのを防ぐという簡単なこと、なのだそうな。書いている本人も裁縫音痴なのでよーわからんのではあるが・・・・・・。
問題は、そういったやり方や専門知識の話ではなく、孫兄ちゃんが自分で針に糸を通し、自らの手で学生ズボンの手直しをしようとした努力を評価してやりたいと思うジジ心である。

親元にいれば自分のズボンの修繕などするはずもない。しかも男の作業らしくち密にしっかりと力強く縫い込んであるということは、持て余す時間を活用してじっくり取り組んだ結果であろう。簡単に外に遊びに行くところもない生活環境のなせるわざである。
「かわいい子には旅をさせ」とはよく言ったもので、思い切って本人の希望に任せた親の判断も中り(あたり)だったようだ。

「あまりにもきっちり縫ってあるのでほどくのが大変」とこぼしながらも完全修復したババも、孫の努力を認め笑っている。
つぎは「ばあちゃんの作るあれが食べたい、これが食べたい・・・」とおねだりするがっしり色黒の高校2年生。
故郷で胃袋にも心にも栄養補給して、大切な2年生2学期を乗り切ってもらいたいものだ。

コメント (2)
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