「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「見果てぬ夢か・・・」

2013年07月02日 | 趣味・・エッセイ

                     

日本の自然の豊かさの象徴とも言うべき『富士山』が、このほど世界文化遺産に登録されたことはご承知のとおりである。
私たち日本国民の気持ちとしては、遅きに失した感さえある。
その秀麗な姿は、まさに日本のシンボルであることは言うまでもないが、とうに世界の財産であり、地球が生み出した、二つとない芸術品である。と常々自負してきた。

広く長いすそ野を従え、如何なる自然の咆哮にも動じることなく、悠然とそびえ立つあの神秘な姿。
個人的には、何かしら畏敬の念と拝み奉る崇拝の念がごっちゃになる、信仰のお山でもある。
そんな富士山が7月1日山開きをした。一般登山客がわんさか訪れるシーズンを迎えた。

世界遺産登録を記念して、訪れる登山者は例年より遥かに多く、ご来光に向けて長蛇の列が山頂まで続いた、とある。
世界遺産登録に合わせて、入山料徴収是か非か。あるいはゴミを放置する登山者のマナー低下をどう防ぐか。などなど、安全の確保や環境整備などの問題が新たに浮上しているのも確かである。

富士山の姿が最も美しく見える、と言われる富士宮市。
かつて、仕事の関係で富士宮市にある取引先の大手工場に何度となく足を運んだ。
おおよそ全力投球で過ごしたつもりの会社生活にあって、特筆すべき充実の時期であったように思うあの頃。地元の人でさえ珍しいという、富士山のてっぺんに丸い雲がかかった「笠富士」をこの目で見たことがある。あれ以来、富士の雄大さに心惹かれる思いがひときわ大きくなったことを忘れてはいない。

そしていつのころからか、“生きているうちに一度は富士登山を・・・”と思うようになった。
残念ながら、今もってその夢は果たせていない。果たせそうにない・・・などと言ったら、三浦雄一郎さんを引き合いに出されて笑われそうだが、正直、厳しさを痛感している。でもまだ完全に諦めたわけではない。が、夢を果たすのなら早い方がいいに決まっている。
ただ、たとえこの身は富士の裾野に朽ち果てるとも・・・というほどの覚悟を決めかねている。
今の体力や脚力では間違いなく途中で他人に迷惑をかけることになりそうだ。これは大きな大きな足かせになっている。
気力だけは旺盛であると思うが、あの厳しい自然と向き合うには、気力など何の役にも立たないことも承知。

夢を夢で終わらせたくない。なんとか実現の道を探りたい。そう願うことは富士登山に限らず他にもある。
しかし、己の夢を追うことばかりを考えるには色々条件がつきまとう。
ここはひとつ、夢は夢で終わろうとも、挫折というのとは違った“見果てぬ夢”として持ち続けることも、悪くはないのだろう。

コメント (6)
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