ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

新型インフルエンザ:日本と海外の違い

2009年12月06日 | 医療
12月6日付のニュースで、
 国内での新型インフルエンザによる死亡者は100名、
 全世界では8700人超、北米はピークに、
という報道がありました。

こういうニュースが出るたびに、みんなが不安になります。
なんて恐ろしい病気なんだろう、って・・・。

確かに、病原性は季節性インフルエンザよりも高いといわれています。
先月の25日に、地区の小児科の勉強会がありました。
その時に、市の母子保健委員長の小児科の先生からご講義いただいたデータによれば、

かつてこれまでに流行したインフルエンザの死亡率は、

    スペイン風邪:1~2%
    アジア風邪:0.5%
    季節性:0.005%
    新型インフルエンザ:0.45~0.61%

というデータですから、たしかに、季節性インフルエンザより高いですね。

しかし!!
全世界でのデータを、そのまま日本に当てはめて国内でも同じ、
と心配するのは早計というもの。
以下に示すのは、11月下旬(第45週)での、国内でのデータです。

 第45週までに、国内で約738万人が発症、6.300人が入院、57人が死亡
 
これを計算すると、
         発症率:6.2%
         入院率:0.085%
         死亡率:0.0008%
となります。

今はもう少し数字が違っているかと思いますが、
割合はあまり変わらないのではないかと思います。

もうひとつ。
海外では、発症してもすぐに抗インフルエンザ薬を[誰もが]投与される環境では、
どうもないらしい、ということ。(全てではないでしょうが・・・)
これは、医療保険制度の有る無しによるところが大きいでしょう。
ある先進国での患者さんのお話です。
肺炎で入院し、インフルエンザと診断され、タミフルを投与したのは、
発症からなんと8日もたってから、ということだったそうな。

だからといって、じゃあ日本では安心と油断していい訳では決してありません。
が、報道の数値のみに煽られてパニックになるのではなく、
落ち着いて、日常生活の中での予防をきちんと心がけることが大切、
ということが言いたかったのでした。

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